#役者
『演技と身体』Vol.48 内臓一元論① 内臓・無意識・共感・呼吸
内臓一元論① 内臓・無意識・共感・呼吸この連載は今年の1月から始めて毎週欠かさずに更新してきた。
続けることが一つの目的ではあったものの、案外書く内容に困ることもなく続けてくることができた。しかし、もう1年やれるかと聞かれたら「めんどくさい!」という言葉が反射的に出てくる。それくらい面倒なのだ(まあ、好きでやってるんだけどね)。
まだ世阿弥の芸論など紹介しきれていないものもあるので、不定期に更新は
『演技と身体』Vol.46 世阿弥『至花道』を読み解く②
世阿弥『至花道』を読み解く②前回に引き続き世阿弥、中期の伝書『至花道』を読み解いていきたい。
世阿弥の伝書では前期の作『風姿花伝』が最も有名だが、『風姿花伝』は父・観阿弥の教えを書いたものとも言われているので、世阿弥の独自性が出てくるのは中期の作以降とも言える。そして、世阿弥の特徴はその抽象性にあると思う。能の演目でも、世阿弥が作った作品は人物の想いが非常に抽象化されたイメージを纏っている感じがす
『演技と身体』Vol.45 世阿弥『至花道』を読み解く①
世阿弥『至花道』を読み解く①今回は世阿弥の中期の伝書『至花道(しかどう)』を読み解いていく。
前回紹介した『音曲声出口伝』と比べると概念的なところも多いが、それだけに汎用性が高い。世阿弥が57歳の時の作で、世阿弥の中でのテーマが“花”から“幽玄”へと移ってゆく時期である。
花から幽玄へ
“花”から“幽玄”へ。というのはどのような変化なのだろうか。
それが最もよく表れているのが『至花道』の中の「
『演技と身体』Vol.29 問答条々
問答条々今回は、『風姿花伝』の「第三問答条々」の真似をして、これまでにワークショップの参加者から頂いた質問に答える形式で書いていきたいと思う。
イメージとのギャップ
答。この問題には色んな側面があるので、一概には言えないが、考えられる解決策をいくつか挙げてみたいと思う。
一つには、「ボディ・スキーマ」を開発していくことだ。「ボディ・スキーマ」については第6回の記事で詳しく書いたが、改めて説明し
『演技と身体』Vol.23 感情と身体② 没入的な演技の危険性
感情と身体② 没入的な演技の危険性感情の本質はどこに?
前回は感情を3つのレベルに分けて説明し、“身体性の感情”と“非身体性の感情”があることを説明した。
“非身体性の感情”というのは例えば小説を読んだ時に経験する感情だ。その状況が物理的に迫ってくることなし(非状況依存的)に、想像だけで感情を経験する。これは人間以外の動物にはできそうもないことだ。非常に高度な感情体験なのだ。しかし、人間だけに