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コロナ禍とデザイン

今日はプロボノで企画をしたクラウドカフェ「#BrewHome」について書こうと思います。
新型コロナウイルスの被害拡大を防ぐための緊急事態宣言が発令された2020年4月7日には「疲」「鬱」 「ストレス」といったネガティブワードが通常の3倍もTwitter上でつぶやかれたそうです。
これから人生100年時代になり、高齢化社会・核家族化・晩婚化・少子化が待ち受けてます。またコロナ禍によって開疎化が進むと言われています。
だからこそ、今後大きな社会問題になるであろう、孤独・孤立・不安へのアプローチは、今まで以上にとても重要になると思います。
私も在宅勤務が続き「コロナ禍の中で、自分に何ができるだろうか」と考える時間が増えました。
LIFULLでも様々な取り組みをチームで価値提供していますし、with/afterコロナの暮らしに向けたアクションも進めていますが、今回は「#BrewHome」に絞って書いてみよう思います。

コーヒーとの時間

在宅勤務が始まってからというもの、仕事を始める・頭を切り替えるスイッチとして、大好きなコーヒーと共に過ごす時間も長くなりました(最近はCOFFEA EXLIBRIS / コフィア・エクスリブリスにお世話になっています)。
そしてそんな時間を過ごす中で、ふと友人のワールド・バリスタ・チャンピオン井崎さんの言葉を思い出しました。

コーヒーを囲めば、肌の色も、政治も、文化も、言葉さえ乗り越えて、素晴らしい友情を平等に築くことができます。コーヒーには争いのもとになる「違い」を乗り越えて、人をつなげる強い力があります。味噌汁を飲んでホッとする感情は日本人にしかわかりませんが、コーヒーは世界中の人がホッとする感情を共有することができます。きっとコーヒーから生まれる何気ない幸せの連鎖を世界中で育むことができれば、世界から争いはなくなり、世界平和がきっと達成できると思っています。

井崎さんのビジョンはコーヒーを通した平和な世界をつくることです。
そして科学的にも、コーヒーに含まれる香りやカフェインは高いリラックス効果があり、精神的ストレスを手軽に解消できる飲み物だと証明されています。

コロナ禍で孤独感や不安で溢れる時だからこそ、デザインにできることがあると思い、シンプルなアクションを企画しました。
それは "孤独感や不安を感じている今。世界中の人々が、コーヒーを片手にオンラインで同じ時を過ごす、幸せな気持ちに浸れるクラウドカフェ" というアイデア。さっとマニフェストを書き、井崎さんに「こんな時だからこそ、ピンチをチャンスととらえてコーヒーで世界平和を実現するアクションを起こしませんか?」とメッセージを送りました。

コーヒーで、世界平和を。
コロナウイルスの感染が地球規模で拡大していっています。
感染拡大を防ぐために、多くの方々が自宅で過ごされていると思います。
もしかしたら、先行き不透明な状況を不安に感じ、孤独感すら感じている人も多いかもしれません。
そんな時だから、もっとコーヒーが世界平和に貢献できるはず。
世界中の人々が、自宅で思い思いのコーヒーを入れて、みんなでひとつのテーブルを囲むように、同じ時を過ごそう。幸せな気持ちに浸ろう。
地域や国籍、世代、性別を超えて、幸せなひとときを共に過ごそう。
#BrewHome #おうちコーヒー #Covid19

井崎さん自身も、自社の利益を追求するより、ビジョンを体現するアクションを起こしたいと共鳴し「ぜひやりましょう!」と即レスをいただきました。
様々なプロジェクトで苦楽を共にしたプロジェクトマネージャーPEAKヨンボンさん、10年来の友人であるアートディレクターShed Inc.橘さんにお声がけし、構想から10日間、全員プロボノでの制作を進め、4月7日にクラウドカフェ#BrewHome を立ち上げました。

「心がホッとする」コミュニティづくり

クラウドカフェ「#BrewHome #おうちコーヒー
毎日13:30〜14:00の30分間
http://brewhome.qahwa.co.jp/jp/

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#BrewHome は、開始から2ヶ月弱、毎日同じ時間に顔を合わせて、同じ瞬間を共有し、一緒にコーヒーを飲むというシンプルなアクションながら、時に国内外150名を超える方々が参加をし、「心がホッとする」という声がたくさん寄せられています。
世界的なバリスタから、子供と一緒に参加するママ、仕事の合間にコーヒーを楽しむサラリーマン、バリスタを目指す高校生、さらにはオーストラリアやブラジルといった海外からの参加者まで一つのテーブルを囲むように楽しんでいます。
また、noiz豊田さんBASSDRUM幹太さんシェフ薬師神さんなど友人にもご賛同・無償でのゲスト参加をいただき、コーヒーにまつわるカフェトークをしていただいただきました。結果的に、この活動はどんどんと広がり、既に賛同企業は30社を超えています。
さらにYahoo! JapanBuzzfeedONESTORYSUSTAINABLE BRANDS JAPANハフポストVogue等といったメディアにも取り上げていただいたりと、大きなムーブメントにすることが出来ました。

毎日#BrewHome でファシリテーションを務める井崎さん・広田さん(本職はフード・サイエンティスト)にとっては相当な労力だろう...と思うのですが、それ以上にこのコミュニティを通して本当に多くの方々が救われていると思います。

デザイナーができること

こんな時は、当事者になるべきのか、傍観者になるべきなのか。
デザイナーであるならば、こういう時こそ自ら行動し社会に価値提供することが大切だと思います。また今回のようなグローバル規模での社会課題が起きた時こそ、既成概念を超えたアイデアの社会実装を通して、新たな暮らし方や社会システムがデザイン出来るチャンスになると思います。
企業としても、自社の利益追求に走るのではなく、利他主義をベースとした社会課題解決型の事業こそ、世の中に求められる時代になりました。このあたりの話は書くと長くなりそうなので割愛しますが、Edelmanが出した「ブランドの信頼と新型コロナウイルス・パンデミック」によくまとまってますのでご参考までに。

#BrewHome は緊急事態宣言も明け、6月以降は不定期開催になるのですが、今後もこういった世の中に必要とされるWell-Beingなコミュニティづくりにチャレンジしていきたいと思います。

#BrewHome スタッフクレジット:
発起人 / ファシリテーション / 第15代ワールドバリスタチャンピオン: 井崎 英典 | 企画 / クリエイティブディレクション / コピーライティング / PR:川嵜 鋼平 | オペレーションマネジメント / ファシリテーション:広田 聡 a.k.a. “サミー” | プロジェクトマネジメント:ソ ヨンボン | アートディレクション:橘 友希 | デザイン:鶴田 琴乃、朴 讃大 | スペシャルサポーター:井崎英典『コーヒー共和国』(Campfire)、川波 力



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