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博士論文2022年1月の報告書。

このnoteは博士での生活をそのまま書こうと思っているのでありのままに書くと、1月の前半はずっとまともに眠れなかった。不眠に近い状態にもなり、1日3時間とかもざらだった。正月もずっと作業していた。逆に後半はDepressの時期がやってきて、1日6時間も起きていられない日々が続いた。起きている間もすごく沈んでいるか、すごくイライラしているかで不安定だった。そうこうしている間に博士2年生が終わろうとしている。

論考の締め切り。論考のステークホルダーのチェックと対応。博士論文提出1年前の試験である予備審査。学会の論文の査読審査。資金の面談と審査。審査ばかりだった。そしてたいていはうまくいかない。審査にとらわれ過ぎてもいけないし、独りよがりの基準にすがってもいけない。その視点の行き来の中で、自分をすり減らさないように努めないといけない。

気が付けば、なぜかスタジアム研究の蓄積だけが溜まっていく。何も考えていないし計画も立てていないのに、気が付けば知見と実績が溜まっていくというのは初めての体験。いろいろとタフなこともあるけれど、楽しんでやっている。長編小説の趣があるせいで、短時間でプレゼンできないのが難点。すごく面白かった沢山の研究の記録を、面白いところを面白い分だけ話せる機会があればいいのに、と思う。

今月やったこと。
・今治論考を書き上げる
・博士論文の予備審査〜梗概作成と発表
・黄表紙の再査読
・以前出した資金の申請の面談×2

今治論考を書き上げる

雑誌に掲載予定の、スタジアムについての論考を完成させた。長かった。2021年の11月くらいから3か月ほどかかりきり。

論考を書くこと自体が長い旅のようだった。どこに行き着くかもわからず、年末には後楽園のホテルに自主カンヅメもしてみた。正月も机にへばりついてずっとうんうん唸っていた。

6000字のオーダーだったのに、気が付けば論考篇と対話篇からなる長編になり、19000字を超えた。こんな自由を許して下さり雑誌の編集長には感謝しかない。

少し長めの映画のような感じもあるが、最後まで読んでいただければ面白い!と思ってもらえるものになったと思う。自分で読んでいても、これまで経験したことのない余韻のある仕上がりになった。読み終えたとき、うまく言葉にできないが何か考えさせられる余韻がある(と思う)。ほうぼうからの評判は良い。

今治とスタジアムの未来について。

先に読んでみたい人がいれば、連絡ください。

ところでFC今治の矢野社長はすごい人だと、改めて思った。突然現場をみせてくださいと訪れたどこぞの馬の骨を受け止めて下さり、様々な機会と言葉を下さる。一人きりで論考を書いていて躓きそうになった時、支えてくれたのも背中を押してくれたのも矢野さんの言葉だった。一人でウンウン唸っていると、突然頭の中に矢野社長が現れて、迷いを吹き飛ばしてくれる心持がした。例えば矢野さんは、FC今治に対して批判的であることも否定的になることも、すべて受け止めてくださる。それがなげやりな気持ちでも適当な言葉でもなく、真正面から考えた上での言葉だという事を常にわかっていて下さる(もちろん投げやりにやればすぐに見抜いても下さるだろう)。その安心感がすごく大きく、だからこそ好きなだけ考え抜くことができた。僕もあんな器の大きな人になりたいと思った。

博士論文の予備審査〜梗概作成と発表

博士論文の予備審査が終わった。東大の建築学科では、提出の1年前に論文の概要と進捗などを発表し、査読をうけ、合格しないといけない。これは東大の中でも建築の独自ルール。会議室に、わざわざ主査と副査の教授4人が集まってくださる。すごい豪華さだと思った。パスしているのかどうかは、まだ聞かされていない。

指摘はさまざま。テーマ設定の面白さ自体は伝わったのだろうか。論構成や、自分の新たに提唱する夢という概念の定義への指摘が多かった気がする。

ただなんというか、むしろ夢という概念の輪郭を浮かび上がらせるような研究をしたいなあという気持ちもある。「夢とは~です」と言い切れないほうが面白いのに、などと思ってしまう。それは研究ではないのか。研究とは何か。

この1年、言葉が既視感のあるものになっているとの指摘を副指導教員より重ねて受ける。思考が茫洋としているのか、曖昧なのか。決して変な言葉を使えということでも難しい言葉を使えということでもない。ぼんやりと言葉を使うな、ということ。

この2年間僕は何をしてきたのだろう?という気持ちにも少しなった。蓄積があまりにない気がしたような、風呂敷を広げてきたつもりがむしろ思ったよりも広がってなかったような。思ったよりも手元に材料がない、というか、材料はあるのだがどれも仕上がってない感じ。あと9ヶ月で本当になんとかなるのか。ふーむ。

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旧「2023年3月に博士論文を書き上げるまで」。博士論文を書き上げるまでの日々を綴っていました。今は延長戦中です。月に1回フランクな研究報…

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