これから修論や卒論を書く人へ~修士論文の製作ノウハウ&Tipsまとめ
こんにちは、石田と申します。このnoteは僕が2020年の1月に書いた修論について、その執筆、印刷、製本などにおけるノウハウをまとめたものです。
ちなみに僕の修士論文はこんな感じです。
この修士論文では、東京大学大学院で建築学専攻長賞を受賞できたほか、多くの方からわりかし良い反応をもらうこともできました。
このnoteでは、修士論文を製作したときのノウハウやTipsを全公開すべく書いていきます。
ここでは基本的に製本と装丁について扱います。
論の中身の作り方についてはほとんど触れないのですが、まずは前提として、どんな感じで研究を進めてきていたかを少し書くことから始めます。
1.前提:中身について
僕は建築デザインを専攻とする修士課程の研究室で「VRやMRといった技術をいかに建築の設計プロセスで使えるか?」みたいな研究をしていました。
VRに関する研究は学部4年の終わりの3月(修士の始まる直前)に始めました。そこから修士1年の間に、そこそこきちんとした査読のある論文を1本書いていました。
そのあとにさらに倍量くらいの内容を修士2年でやって、それを全部まとめていくというのが僕は修士論文の大枠でした。
つまり、
「基本的にはある程度蓄積としてあったものを、本を買いまくるとともに過去に集めていた資料や先行研究を引っ張り出してきて、改めて肉付けしたり再構成したりしながら中身を練り上げていった」
という感じになっています。
2.まずはドラフトとして紙にすべてをレイアウト。
修士論文を始めるにあたり、ある程度の中身の素材があったうえで、まずは紙にすべてドラフトとしてレイアウトを作っていきました。
こんな感じ。
元ネタは宮崎駿さんとかがアニメで書いてた下書きやドラフトでした。
グラフィックデザイナーの原研哉さんが本を作るときにこういう感じで紙にレイアウトすることを途中で知ったのですが、僕にとってはアニメーターの人たちが、紙に書いた下書きを手でパラパラしながら動きを確かめるやつを特に参考にしていました。
というのも。
ドラフトを書くことを通して、俯瞰して情報をレイアウトしてバランスをみたりチェックするというよりは、
どちらかというと、ページをめくったときに次にどういう情報が来るといいか、どういう粒度の情報がくるといいかというページ間の関係性を検討していくためにドラフトを使っていました。
こういう感じでペラペラめくっていって、「次のページは何が来るといいかな~」と考える。情報量や図版のインパクトを調整していきます。
ダイアグラムや写真を実際にレイアウトしてみてドラフトを作成し、ページをめくってみて「このタイミングでこの情報量がきたらしんどいな」とかを調整していくかんじ。
なぜかというと、パラパラめくるだけでも興味がもてるようなものにしたかったから。
基本的に論文は前提として論の構成があって、レイアウトの順番を面白さや美しさ優先で変えられるわけではなく、その結果テキスト+図版になってし退屈になりがちなので、そういう退屈さをなるべく削りたかったです。
つまりどちらかというと、レイアウトやデザインでは「論文としてのフォーマットを守った論理構成を前提に、どの情報をどのように分割して配置していくか」が重要になるわけです。
ドラフトを書いていくうえで今回の論文の製作で考えたのは、以下の4点です。
2.1.なるべくグラフィカルに表現する。
ドラフトで気を付けたことのその1は、なるべくグラフィックを多用すること。
写真やダイアグラムの作成、図版の作成などは繰り返しスケッチしていき、どういう説明だとわかりやすいかを検討して何度も書き直しました。
この論文を書く上で、ちょっと究極的な目標としては、「文章を全部読まずとも結構内容がわかる状態にしたい」と思っていました。
前述したように論文自体がそもそも論理構成がしっかりあるのでページごとに整理するのは比較的やりやすいのですが、
そのうえで特にページ間の関係性をうまくデザインしていくことが重要で、その時にグラフィックのバランスがすごく重要になる気がします。
グラフィックはなるべく細かめに想定しておいた方が、プロトタイプとして有効になります。
写真についてもなるべく詳細にイメージをもっておけるといいと思います。
2.2. グリッドシステムを活用してレイアウトする。
ドラフトを製作するうえで、レイアウトの前提として「グリッドシステム」を用いてつくっていました。これはIndesignでレイアウトしていくうえでも使います。
グリッドシステムはデザインの一つの方法論です。
ページの基本的な構成となる補助線みたいなものを想定して、その線を軸にレイアウトしていく感じ。
だいたいこういう補助線を決めてあって、下書きの段階からある程度それに合わせてレイアウトしていきます。
論文ではけっこう大量のページを作るので、こういうグリッドがあると
①全体の統一感が確保できる
②大量のページを上手に管理しながら進行できる
というメリットがあります。
グリッドの幅などは、一ページだけドラフトを作ったあとにためしにIndesignでレイアウトを作ってみて印刷して検討したり、ページができてきた後にIndesignのマスターページを編集して調整したりもします。
最初に結構注意を払った点は、天、地、小口、ノドのスペースの取り方です。
今回はスペースの取り方を考えるうえで特に、
①レイアウトとしてのルール、
②製本キットとの相性(製本キットを用いたため)、
を検討していました。
例えば天が短くて地が長いと、本としてテキストが全体的に上によるような感じになります。
逆に地が短いと、ちょっと重心の低いテキストになる感じがします。
今回は少しテキストの位置を下にしたいな、と思ったので、セクションは上にやって、地が少し短くなっています。
なんでテキストの位置を下にしたかったかというと、論文はどうしても文章が多くなりがちなので、文章を上にすると「The 文章!」みたいな感じが強くなりすぎるかなと思いました。
上の方には何となく見出しやグラフィックがあって、それを説明するように本文があるような配置の方が、見やすさは上がるかな、と思います。
②の製本キットとの相性という点では、ノドの長さが結構ポイントになります。
ノドが短いと、製本した時にテキストが中央に寄り過ぎてみづらくなったりします。
こういうのは特に修論みたいにある程度自分たちで印刷したり製本する場合には製本キットの仕様によって結構ミスが発生しやすいので、あらかじめ試しにモックアップをつくってみたりしながら決めていきました。
【2.2の参考文献】
グリッドシステムの参考文献は以下になります。
あとの参考文献としては、ドラフトのレイアウトを考えていくうえで、バレバレだけど原研哉さんの本をけっこうみてたのと、佐藤可士和さんのWebをかなりよくみたりしていました。
論文という特性上、「エモい」が最優先というよりは、「適切に情報が整理されていてとにかく見やすい」が最優先と思ったので、そのあたりに強いデザイナーをよく見ていた気がする。
ちなみに、検討が深まるたびに適宜ドラフトを作り直していたので、数百ページ分くらいのを、4~5回はフルで書き直しました。能力がないので時間かかるという面が多いですが。
2.3.見出しをつけて内容をざっくり理解しやすくする
僕の修士論文のレイアウトでひとつ特徴的な点として、各ページに見出しをつけています。
論文であまり見出しをつけているものは見たことがなくて、章タイトルや節タイトルを工夫するのが一般的な気がします。
ほとんどなじみのない人たちにもある程度どういうことが書いてあるのかをザーッと読めて理解できることで、少しでも興味をもってもらえるようにしたかったので、見出しを付けました。
ただしこういう見出しはちょっと危険なものとも思っています。
本文のなかにこういうテキストを書くと、この文章がはたして中身の一部なのか、おまけなのか、一体どういう位置づけの文章なのか不明瞭になってしまいます。
あくまで論文なので、適当に、どういう順番&位置づけで読めばいいのかわからない文章を書くのはあまりよろしくないと思われます。
この見出しはパラグラフの要約というよりはあくまで中身のハイライト的な位置づけなので、そういった論文のフォーマットで構成していくことをあらかじめ論文の最初で注意書きとして書きました。
3.素材を作りつつドラフトをIndesignでレイアウト。
ドラフトが出来上がるとAdobe Indesignというソフトで本格的にレイアウトしていきます。
そのなかでけっこう検討していた項目を以下の2点。
この内容は一部ドラフトのときにも考えていました。
3.1 視認性と美しさを両立するフォント選択を目指す。
まずはフォントの選択について。
フォントは全体の印象や綺麗さを決めるうえでとても重要な要素となります。特に論文なので、大量の文章がある中で①視認性、②見やすさ&美しさ、③ぴしっとした感じ、あたりは押さえたいところです。
今回の修論では、テキストはリュウミンにしました。「A-OTF リュウミン Pr6N L-KL」というやつ。見出しは「A-OTF 見出ゴMB31 Pr6N MB31」です。
どちらもAdobe fontで利用できます。
小さいキャプションや表や図版のタイトルの個所では「游ゴシック」を使っていました。
ゴシックについては、ホントは「たづがね角ゴシック」とか使ってみたいけどちょっと予算がなかったです。
Adobe Fontにあるゴシックフォントはなんか視認性が変で、ちょっと変な中国語の文字みたいになってしまうやつが多いんだけど、見出しゴシックはまだきれいかなあとか思いました。
ちなみに、本や雑誌を読んでて「このフォント何かな?」と思ったらAdobe Captureというアプリで確認できます。キレイな本を買ってきていろいろ調べてみるのもおススメ。
難点は、日本語フォントはほとんどでないことで、日本語フォントは本などで調べるのがいい気がします。
【3.1の参考文献】
ヨースト・ホフリの名著。初めて読むとタイポグラフィについて知らない観点だらけでとっても面白いです。
日本語組版の本はいろいろ読んでるんだけど、あんまり基本ルールがよくわかってないです。英語みたいにある程度シンプルな形にまとまっていない気がする。英語のタイポに比べれば文字の種類も多いし難しいのかしら。一応参考にしてたもの。
あとはこの本とかも面白いです。図版がみやすい。
フォントや組版については、論文なのですごく重要ではあるものの、深すぎるくらい深いために、こだわりすぎるとスケジュール的に爆死するかもしれません。
変な癖のあるフォントでなければ、素直に見やすくある程度美しいフォントまず選んで、組版をできるところまで調節すればいいかもしれません。
ちなみに僕は、一時期論文の休憩時間がすべてその勉強になっていて、机の上にタイポグラフィ関連の本が数十冊溢れているような状況でした。結論としては「深すぎるほど深い」し「よくわからない」。
あまりこだわりすぎると沼になるけれど、レイアウトをしていくうえでクオリティを上げるのにしっかり考えないといけないパートとは思います。
3.2.写真は何度も撮りなおす習慣をつける。
紙面を作るうえで考えること2つ目は写真について。
きれいなレイアウトを目指すとき、写真のクオリティのインパクトはとにかく大きいです。
なので、本文で素材としてつかう写真は何度も撮影しなおしたり、日時を変えて撮ったり、スクリーンを買いに行って撮ったりしました。
なんとなく過去につくった図とか写真とかそのまま使いがちだけど、そういうことはなるべくしない。
Photoshopでも編集するけど、ある程度元の画像がよくないと綺麗にならない気がするので、かなり繰り返して撮りなおしました。
例えば、
この写真とかだと、
①光が綺麗に入りそうな場所を歩き回って探し、
②いろんなパターンで撮ってみて、
③場所決めて、
④机と台と三脚を持っていき、
⑤そこにモノを置いて、
撮っています。
慣れていないのもあって、結構時間がかかりました。
さらに、光の入れ方や角度、位置なども細かく修正しながら何パターンも撮ります。
ちなみに上の2枚の写真は全くレタッチしていません。撮ったまま。
写真が綺麗かどうかはかなり差を生むので、できるところまでリファインできるように頑張ります。
あとは白い紙を即席のレフ版にしたりいろいろ工夫します。
東急ハンズなどで売っているスチレンボードは、しっかりと硬いので手軽にレフ版として使えてとてもいいです。
実際には、写真の準備→レイアウトみたいな単純な順番でいくことはなくて、レイアウトして完成版の原稿を作成して印刷もしてから、暗いのや解像度の粗さが気になって再度撮影に行くこともしばしば。
ドラフトの段階で詳細にイメージができているといいとは思います。
でも修士論文とかだとある程度つくりながら考えないとスケジュール的な無理な部分もあります。
作っていく中で「この2枚の写真はそろえて配置したいから、傾き方や構図をそろえてもう一度撮りなおそう」みたいな気持ちが発生して、何度も撮影しなおしに行きます。
参考文献は特になかったのですが、プロの写真家や海外のデザインファームのWebサイトをみたりしながら、こういう写真を撮りたいなというのをテイストや構図の観点からピックアップして、光の当て方を特によく見ていました。
光を拡散させていたり、ライトでダイレクトにあてていたり、裏と表両方から光を当てていたりいろいろとバリエーションがあるので、そういうのをできる範囲で再現してみたりしながら撮ってみるかんじ。
ただ、写真のパートも果てがないので、できるところまでリファインし続ける、というスタンスが良い気がします。
4.印刷と製本
レイアウトが仕上がってきたら印刷と製本にいきます。
印刷と製本で気を付けた点は以下の3つ。
4.1.紙はスーパーホワイトではないようにする。
紙はなるたけ白い方が綺麗なように思えるかもしれないですが、白すぎると黒い文字とのコントラストがきつすぎて読みづらくなります。
視認性の観点からはちょっと黄色みが付いていた方がいい場合もある。
あとは紙のざらざら感とか重みとかによって、写真の発色や見え方がかなり変わります。
例えばざらざらし過ぎた紙だと、写真の上に紙のテクスチャのせいで影ができてしまって、「なんとなく情感はあるけど論文としては図の視認性が低い」ということにもなります。
発色とかプリンターとの相性とかもあるので、何度も印刷しながら確認するのがいいです。
ちなみに僕が使った紙はこれでした。
この紙の良かった点は
①黄色味のバランスが黒文字を印刷した時に見やすかった
②適度につるつるしていた
③厚みがペラペラとめくるときに弱すぎもせず硬すぎもせず程よかった
という感じです。
4.2.時間はないのでキットを使って自分で製本する。
印刷の次は製本です。
修論だと自分で製本したりして、結構面倒なんですよね。時間もないし。
印刷だけは自分の研究室のプリンターで済ませて製本だけ近所のキンコーズに持っていくとかが多い気がするのですが、なんかいかにも論文みたいな感じの製本になりがちなんです。
こういう感じとか。
ここでは、とにかく安く手軽に早く製本する方法を書きます。
僕は自分の論文をつくるのに、製本はキットを使いました。
「レイメイ藤井 製本カバー 製本工房」が、楽に&かなり綺麗に製本できてよかったです。
製本キットは何種類か購入して、実際の感じを確かめて検討したんですが、レイメイのモノが仕上がりが思ったより綺麗だったのと、枚数によって適切に使い分けられるのもいいのでこれにしました。
実物は、写真で見るより結構しっかりしています。
ただこの表紙に直接シールを貼るととても安っぽくなって嫌なので、カバーを作ることにしました。
4.3.カバーを製作して仕上げる。
どうしても製本キットにシールを貼ってタイトルをかくと急にみすぼらしくなります。
そこで製本したものにかけるカバーをつくって解決します。
イラストレーターでデータをつくってA1とかでサクッとプリントすればすぐにカバーはできます。
大学の研究室だと学会のポスター発表用のポスターつくるためなどに研究室や研究科などにプリンターがあると思うので、それで印刷してかければ手軽にできます。こんな感じに。
製本キットの色は、カバーを白くしようとしていたのでその相性で黒にしました。
論文とかだと、けっこう背表紙にもタイトル求められること多いです。
製本キットで製作した時には、この背表紙の部分があまりきちんと考えられていないことも結構あります。
こういうのもカバーつけとくと綺麗にできてよいです。紙は竹尾とかでいろいろみてみるといいかもしれません。
光沢がきつい紙などを選ぶと印刷時のプリンターの設定が結構難しくなったりするので、早めに検討しておく必要があることは要注意です。
6.スケジュール
製本についてのTipsはおおよそなのですが、参考用にスケジュールも書いておきます。
僕が修士論文の製作を始めたのは12月18日で、提出は1月20日でした。
僕はIndesignを使ったことがなかったので、Indesignを学ぶことを今回の目標に設定して、おおよそ1か月の間集中して作業を進めました。
たしか2週間くらいこもって何度も書き直してドラフトを作成し、ペラペラとめくって何となくきれいにできてるかを何度も確認していった。
1月の頭くらいにドラフトがだいたいできてきて、次にテキストを仕上げていきました。
文章ではまずNotionで章ごとに箇条書きで構成を書き、Wordで文章にして、Indesignに流し込む、というのを繰り返していった。
自分で読んだときに構成がよくわからなかったりわかりづらくて、IndesignまでいってまたNotionまで戻ることもしばしば。
レイアウト都合で少し冗長な部分を積極的に割愛したりもしました。
ちなみに論文の内容の素となる設計実験は10月から11月にかけてでほとんどは完了していました。その時期はTakramで週3×8時間でまだ働いていたので、週2回くらい2徹とかになることもしばしば。
スケジュールとして考えた方がいいのは、「素材をできるところから前もってつくりこんでいくこと」です。
例えば論文の展開とかは修士論文だとけっこうギリギリになってしまったりもすると思うんですが、ある程度既往研究を整理してレイアウトしておくとかは前もってできるはず。
使いたい画像とかもある程度は準備できます。
後ほど修正することはもちろん発生するのですが、前もって作れる箇所からつくっていけるようにスケジュールを組むのが大事な気がします。
おまけ:修論を執筆・製作するときの環境の整備について
最後に、執筆するときの環境の整備について。おまけです。
①とにかくグリーン大事、グリーンがすべてを救う。
作業環境をはじめに整備していくうえで、観葉植物が部屋にあるのはとても大事です。論文をひたすら書いていると気持ちがすさむし、論文は一人でやることが多すぎるくらい多いので、精神を保つ工夫を準備しとくことはとても大事です。僕は夜中に疲れると観葉植物に水をあげるのに飽き足らず、部屋に貼ってあった古いポスターに水をあげたりしてました(かなりやばい)。観葉植物の購入や物色については、このサイトが買いやすくて配送もキレイでよいのでみてみてください。
②音環境はノイキャン必須
イヤフォンとかもとても大事です。なぜかというと、論文の提出直前になってくるほど周囲の同期や研究室のメンバーも相談しあってたり愚痴をいいあったりもすることも増えてくるので、あらかじめ音環境を整備しておくのは結構大事なのです。僕はもともとSonyのノイキャンヘッドフォンを持ってたけど、さらにSonyの別のノイキャンも買っていました。ただでさえ首が凝ってくるので、ヘッドフォンが重いんですがイヤフォンだと楽でいいです。
③眠気&体調対策は香りが最強
論文の執筆をつづけていて頭が痛くなったり眠くなったしたときの対策に「白花油」というものを買いました。これを眉間とかにぬるとめっちゃ眠気が覚める。台湾とかで有名なものらしいです。とにかくハードになりがちな時期に眠気をさっと覚ましてくれるので良い相棒になってくれます。レッドブルとかで目を覚ますのってあんまり継続できない感じがするんですが、こういう香りとかは健康的なかんじもしてよいです。
あとルームフレグランスはやっぱりいい。ちょっと謎にリゾートっぽいブランドなんだけどTHANNのこれとか結構使ってました(あんまり癖がなくてよい)。
ルームフレグランスは置くタイプだとずっと匂っちゃってしんどかったりするけど、スプレータイプならすぐに切り替えられるのでいいです。周りに人が多いときは、オイルタイプのフレグランスを爪に塗るとかでもいいかも。
修論をかく時期は冬だったのでハンドクリームも多用。ベタだけどロクシタンのハーブのものがあんまり癖がないので、徹夜とかでしんどい気持ちの時にはマイルドな気分転換になっておススメ。
あとは関係ない本も買いまくった。論文を書いてて文体とかが気になると文体の本も買いまくって、気分転換&参考にしたりも。中村明さんの本とか良い。
最後に:あまりこだわり過ぎないことも大事です。
修士論文の時期に、学生の間では「本文はほとんど読まれないから梗概だけしっかり仕上げておけばいい」といわれていました。
なぜならば教授も忙しくて、数百ページもの原稿を何十人分も全部精査できないから。
ただどうも「本文なんて誰もよまない」と堂々と言う人をどうかとは思っていました。
たしかに適当にワードに流し込んだだけの論文なんて誰も読まない。
けれど、しっかり内容を練り上げるとともに美しいレイアウトや整理された情報設計を行うことで、読み手に読みたいと思ってもらえるように書くのがそもそも著者の義務では?とも思います。
そこで僕は、専門的な内容でも多くの人に読んでもらえるようにレイアウトにこだわりなるべくしっかりデザインすることにしたのでした。
最後にここで反省を書こうと思いましたが、多すぎて書けません。
特にしくじったのは、カバーがちょっと浮きやすくなっちゃうこと。ロール紙とかで印刷するととくに丸まっていて、カバーとして綺麗におさめづらくなります。
なのであらかじめ印刷しとして寝かしといたりする時間も必要だから気を付けたいところ。巻きが入っているとカバーがくるっとしちゃって読みづらい。
ただ、前提として、修士論文はけっこう何から何まで自分一人でやる必要があるので、タスクが溢れかえるし、とても大変です。
実験、分析、中身の執筆、ドラフト製作、レイアウト作成、デザイン素材作成、印刷、製本、とかなり死にかけます。
あんまりこだわり過ぎずに仕上げていくことも、一人で製作する修士論文では結構大事なのではないかなと思います。
***
ここまで読んでいただきありがとうございます。
このnoteが、これから修士論文を書く人にとって(あるいは博士論文や学部の論文を書く人にとっても)役に立つものになっていればいいなと思います。
自分については、自分の製本や内容がどれだけ未熟でダメかもよくわかっているので、それは博士論文でのリベンジに回そう、と思っています。
ぜひ続報も楽しみにしていただければ。
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