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【インド旅】(2)旅に飛び込む

1人旅に対する「慣れ」も、インド旅に入り込むことを阻害していた。

水シャワーか。でもベトナムの時もそうだったな。

道にうんこが落ちている。でもカンボジアの田舎もそうだったな。

客引きがうざいな。でもモロッコに比べたらヌルい方だな。

雑念と慣れが、僕の感受性を衰えさせている。

やばい、このままでは、せっかくのインド旅を楽しめないぞ…!

インド1日目の夜、コルカタ・サダルストリートにある300ルピー(約450円。1ルピー≒450円)の宿のベッドに横になった時、猛烈に反省して、原因を探った。

(1人旅の良いところの1つは、1人でじっくり考える時間が沢山あることだ)

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よし。

とりあえず、

もっとメリハリをつけることにしよう。

返さなきゃ行けないメールは今すぐ返そう。

メッセージチェックは夜だけにしよう。

「旅の便り」実験はウジウジしてても時間だけ過ぎるから、怖いし恥ずかしいけど、とにかく今すぐやってみよう。

それと、

過去の経験から知ったかぶりをして、見切りをつけるのもやめよう。

「はいはい、これね。知ってますよ。ベトナムでもそうでした」

「はいはい、これね。モロッコにもあったわー」

こういう決めつけは、本当に新しいものとの出会いを阻害する。

心を老いさせる気がする。

もっと新鮮な目で、なんでも受け入れる心で、旅を楽しまなきゃダメだな。

などと、コルカタの安宿で1人反省した(マジ)

そして、僕はインドにもっと飛び込むことにした。

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カレーは手で食べる。

外国人がインドで食べ物を頼むと、ほぼ必ずスプーンとフォークが一緒に出てくる。「お気遣いスプーン」だ。

それを横に置いて、さも当たり前のように手で食べる。

隣のテーブルにいる現地の人にチラリと見られる。

意外と食える。熱さだけが難点。

ちなみに、どこで食べても必ず手を洗うような水が用意されていることに気がついた。

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汚そうな屋台で地元民と一緒にカレーを食べる。

うえっ、酸っぱい。お腹壊しそうだな…え、これおかわり自由なの?勝手に注ぎ足さないでくれ〜。

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最低ランクの冷房無し寝台列車に乗る。

蒸し暑いけど意外と寝れるし、なによりインドの若者たちが修学旅行みたいに楽しそうだな。

朝方目覚めたら、僕の真横の床に寝てる人もいた。

インドは自由の国なのだ。

こうやって、自分の感受性に刺激を与えていくと、少しずつ観察眼のエンジンが回ってくる。

あれ、インド人って、長ズボン率激高だけど、日本で僕が履いてるようなブラックジーンズはほとんど見ないな?

あれ、自動車はSUZUKIをやたら多く見かけるな?

あれ、インドの客引きは、声はうるさいし距離がものすごく近いけど、引き際はスムーズだな?

あれ、犬の尻尾って、あんな形してたっけ?

…よし、調子が出てきた。

初めて東南アジアに1人旅に出た20歳の頃のように、若い心でリラックスして歩こう。

この旅も楽しくなりそうだ。

(続く)

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