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山梨に移住して、世界を代表するスタートアップをつくる② 山梨を選んだ理由

前回の記事の続きです。

2022年春、0歳児と2歳児を連れて甲府に移住

ということで、2022年3月に山梨に移住してきました。北杜市に住みたいという気持ちもあったのですが、降雪時の通勤の都合や、人気すぎて住宅が全く出ていないことから、甲府に住むことになりました。
家からの景色はなかなか最高で、甲府城と山々、角部屋なので、他の方向には富士山や南アルプスなども眺めることができる最高の部屋です。

春は桜、秋は紅葉。今はたまに雪景色、毎日景色が変わります!

岡本さんとの出会い

クックパッドの同僚の影山さんが、「山梨に引っ越すんだよね、紹介したい人がいるから」と県庁の観光推進機構に4月あたりに案内してくれました。
前のブログにも書いたように、理事長に、「日本ワインのあれこれを勉強してます!ワインがきっかけで移住しました!」という話をしたら、なんとそれから2ヶ月後にワイン会を開くからよかったらきてくれと声をかけてくださう機会があったのです。

左にいるのが岡本英史さん、右が仲田道弘さん

そこにいらっしゃったのは、なんと!
BEAU PAY SAGEの岡本さんでした。たぶんあの日は6時間くらい飲んだんじゃないだろうか、写真にもチラリと映るワインの数々。
ワインの美味しさや感じるメッセージというものはもちろんのこと、20年前に立ち上げたワイナリーの苦労や仲田さんとの関わりについてもお話しいただいたり、それからも農業に関する考え方、今生産者として課題に感じること、今後我々は何を食べ、何を飲み行きていくのか、福祉と食の絡め方など、本当に色々なお話をさせていただきました(後半はベロベロでしたが)。

移住して良かった、と心から感じた瞬間でした。

長野と山梨の良さの両取りするには

それからも「土地探し」「土探し」という名目で、めちゃくちゃ色々な場所に行きました。
甲府盆地や八ヶ岳エリアはもちろん、松本盆地、佐久から東御にかけて、そして小布施。自分の目で確かめ、場所にどういった文化が残っていくのか、食の未来はどういったものがあるのかということを週末を使って探求していました。

1年半ほどで訪問した場所は742箇所!!!
Rue de Vinさんの畑で授乳中

長野の良さは、本当に仕上がりが綺麗なこと、という印象があります。それに比べて山梨は良い意味での雑味が残っているということ。その場所の人に愛される良さもあれば、尋ねてくる人にとっての良さもあります。その中で、自分は山梨という場所を選んで生活すると決めて良かった。そして長野という場所にもどんどん好きな場所が増えていきました。

10年ぶりにこっぺ食堂を復活

移住からそろそろ半年ほど経過する頃、「自分もアウトプットしないとな」という思いが日に日に強くなり、場所を管理する「ゑびすや」というシェアキッチンの運営会社のvivit baseさんと飲んでた時に
「よし、じゃあ来週やろう来週!」
と、お店を開くことにしました。

テーマは朝ごはん。
散々ワインや食についても学んだのに、なぜ朝なのかと思うかもしれませんが、甲府はビジネスホテルが多く、朝食をしっかり出すというイメージのある場所は少ないのです。
すでにこの場所に住んでいる人の仕事を奪うことなく、何かできないかということで、「朝ごはんいいじゃん」ということで始めました。
ワンコイン500円で食べ放題。炊き出しのようなイメージです。
1人でも、みんなでも、そんな分け隔てなく集まれるような空間を作り、もっと地元の人たちと交流したいと思うようになったのです。

食材はほとんど県産のもの。美味しいパンを添えて、お出ししたり、地元の製麺所の麺を使ってイベントを運営しました。

50-100名ほどの方が毎回来てくれるようになり、大盛況。朝ごはんは今後も継続して続けていこうと思います。

なぜ山梨からスタートアップなのか

退職や会社設立については上の記事に書かせてもらいましたが、ここに捕捉して、なぜ山梨でスタートアップなのか?という話についていくつかまとめます。

抜群の気候・地理条件に裏付けられた、食の刺激

まずは、2本のブログでも書かせていただいたようにワインをはじめとする農作物で勝負するプレイヤーがたくさんいるということです。
日本の食事は寿司・刺身といった海産物による評価の高さがありますが、一部の養殖を除いて天然資源です。いつまでも取れるものではありません。それに対して、農作物という形で、自らの力で生産し、価値を生み出していることにとても魅力を感じました。
ワインだけではありません。様々なフルーツや、野菜、豆、穀物あらゆる食材が昼夜の寒暖差や夏冬の寒暖差によりストレスがかかって甘く美味しくなります。雨量も少なく、さまざまな食材を生産することができるのです。

観光客、移住者、そしてこの場所を愛する人たち

そして、山梨は毎日風景が変わります。平日はもともと地元にいる方や移住者の場所。週末になると観光客や別荘を所有する2拠点生活者が押し寄せます。単一な人たちだけではなく、人のグラデーションが変わるというのも面白さの一つです。
実際に新しいことをやると、率先して移住者の方が来てくれたり、それを地元の人に広めてくれたりと良い関係ができています。

家賃が安いことの本当の価値

家賃が安いです。僕が横浜に住んでいた最後の家からだと家賃は1/5に下がりました。一般的な東京の都市のほとんどの半分以下の家賃で住むことができます。オフィスにもなると、1/10近くなるような場所も駅周辺で全然あります。
スペースはクリエイティブの源泉です。場所の価値が低いということが、価値になるのです。
例えば、モノを使ったサービスのプロトタイプ拠点として、食材を加工したものをテストキッチンとして活用したい、など
あらゆるアイデアが場所により制約されることがなくなります。

山梨から世界へ

日本の人口はこれから減少していきます。
人口が増え続ける状況では、都市型中心のイニシアチブというのがレバレッジが効き続けると思いますが、減少の中では逆の現象が起きるのではないかというのが僕の持論です。
人間が社会を作り上げることにフルベットする社会にレバレッジをかけるのではなく、人間と自然、環境との共生にレバレッジをかける時代になってきています。
東京の人に良いものを売るではなく、アジアや世界に売っていく、という上での山梨という選択です。最高の選択なんじゃないかと思っています。


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