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#149 フルサイクルエンジニア③ 〜チームのパフォーマンスが発揮される条件〜

こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。

今日は自律的なチームのパフォーマンスが発揮される条件について考えます。
ここでいう自律的なチームとは、価値を提供するサービスのライフサイクルの一連のタスクをすべてを担うチームを指すこととします。

システム開発ではフルサイクルエンジニアのチーム、サービス業では星野リゾートのサービスチームのイメージです。

私が所属するフルサイクルエンジニアチームを例にとって、自立的なチームがパフォーマンスを発揮できる条件について考えていきます。


〇1人1人が自立している

価値を提供するサービスのライフサイクルの一連のタスクをすべてを担うことは、意思決定の連続であり、個々人が自立して意思決定をしていく心構えが必要です。

全てを個人の判断に委ねるということではなく、あらゆるシーンで『自分だったらこうする』という意思を持ってチームでコラボレーションするということです。

チームの意思決定は最終的にはチームの責任者のレビューを経て下すことになりますが、責任者に求められることは意見を出すことではなく各メンバーの意見をフラットに扱い、チームの指針に沿っているか、その意思決定で進んだ場合のリスクの可視化などのチェック機構としての役割になります。

各メンバーが担当しているタスクについて一番理解しているのは担当者であり、その担当者が自分の意思を持って進めることが前提で、責任者はあくまでも高い視座からのフィードバックの役割を担います。

私が各メンバーで意思決定することの重要性に気づいたのは新卒一年目の時にチームの先輩に相談した際でした。
まだわからないことだらけで先輩に助けを求めたのですが、「こへいさん。自分で判断していいですよ。責任を取るのはこへいさんなんで。」と突き返され、その時は愕然としました。
しかし、それはリクルートで有名な「で、あなたはどうしたいの?」と一緒で、答えを求めないで自分の意思を持ってくれということだったのだと思います。

10年以上前のことですが、今でも鮮明に覚えています。

〇責務が明確で境界のないチーム

目標を共有することで高いパフォーマンスが発揮できる

個々人が自立したチームでは明確な責務を共有することが重要です。

個々人での意思決定を前提としつつチームで協調するには、同じ目標を共有し目線を揃える必要があります。
目線が揃っていないと、互いの意思がぶつかり合い、協調はできません。

サッカーにおいてもある人は攻めようとしているのに別の人が守ろうとするとチームはちぐはぐになってしまいます。

個々人の意思決定を尊重することでスピード感が生まれ高いパフォーマンスを発揮できます。その意思決定でぶつかり合わないためには個々人の意思決定の方向性が揃っている必要があります。

チームの方向性をそろえるには、明確な責務を与えることです。すると、共通の目標を達成する仲間となることができます。

目標の達成のために互いに細かく意見をすり合わせ、合意形成を重ねていくことで、互いの自立した意思決定を尊重することができます。
その状態が作れるとチームは高いパフォーマンスを発揮できるようになります。

受託開発におけるフルサイクルエンジニアチームの強さ

受託開発のプロジェクトではこの状態が作りやすいです。

顧客の要求を満たすシステムを合意した期限で提供するという、明確な責務をチームで共有できます。

顧客の要求をチー厶で共有し、期間内にどのように作るかをすり合わせ、開発速度を向上させるために互いに意見を出し合い、期限まで一緒に走り抜くのです。

チーム一丸となってフルサイクルで対応することでパフォーマンスは向上します。
顧客の声をエンジニアが直接聞くことでより解像度高く顧客の要求が認識でき、最適な対応方法を提案することができます。

営業とエンジニアが一緒になって顧客と対峙することで顧客の要望には応えつつも期間と予算に収まる現実的な方法で進めることもできます。

フルサイクルのチーム内に境界がないことで同じ情報を共有しフェアな議論からの合意形成が出来るため、各メンバーの納得感や心理的安全が醸成され、互いに協力しあい高いパフォーマンスが発揮できるのです。

◯境界が生まれることに気を付けよう

もやもやは境界から生まれます。

境界が生まれると、これまで協力出来ていたチーム内で意見がぶつかりだし、開発は停滞しパフォーマンスが落ちていきます。

互いの信頼があるからこそカバーし合えていたのが、相手任せになり対応の質も低下することになります。

マネージャーやリーダはチーム内に境界が生まれないように気をつけなければいけません。

別途、組織の拡大に伴い境界が生まれるということについても考えたいと思います。


ということで、フルサイクルエンジニアチームが高いパフォーマンスを発揮する条件についての話でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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