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#212 自分の成功は自分の成功でしかない

こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。

今日はあるプロジェクトの振り返りで同じ観点について全く異なる意見が出てきて、なぜこんなにも意見が異なるのだろう?と考えたという話です。


◯振り返り会での全く異なる意見

弊社ではプロジェクトが終わると関係者を集めて振り返り会を行います。そして、私も所属しているプロジェクトマネジメントチームで振り返り会の振り返りを行い、今後のプロジェクトマネジメントに活かすという取り組みをしています。

振り返り会ではKPTというフレームワークを活用しています。

KPTとは振り返りのフレームワークの一つであり、仕事やプロジェクトなどを対象に「Keep(成果が出ていて継続すること)」「Problem(解決すべき課題)」を洗い出し分析した上で、具体的な改善策としての「Try(次に取り組むこと)」を検討するという流れで行われます。

KPTについて

プロジェクトマネージャーがKEEPにプロジェクトの進行を挙げていました。メンバーの役割分担やタスクの割り振り、進行などがうまくいったと。

一方でエンジニアのリーダーは全く逆の意見でした。明確な責任者・担当者を立てず、役割分担がされず、全体のタスクを管理する人がいなかったために後になって作り直しが発生するなど、プロジェクト進行が壊滅的だったと。

◯なぜ意見の食い違いが起きたのか

プロジェクトマネージャーとエンジニアリーダーの意見はなぜこうも正反対になったのでしょうか?

視点の違い

まず考えられるのは視点の違いです。
そのプロジェクトは受託開発であるため、顧客の対面に立つプロジェクトマネージャーにとっての成功は納期に間に合わせることです。

結果として期日に間に合わせることが出来たという事実が、プロジェクトマネージャーにとっては「このプロジェクトは成功した」という実感を与え、成功したプロジェクトという視点で自分の主な役割であるプロジェクト管理がうまくいったと解釈されたのかと思います。

一方で、エンジニアリーダーとしては、期日にはなんとか間に合わせものの、エンジニアメンバーのハードワークによってなんとかカバー出来ただけであり、そのような状況を作った原因であるプロジェクト管理には問題があったと指摘しています。

期日に間に合ったという結果が、視点が異なることで成功・失敗の解釈が正反対になっていました。

グランドデザインがない

同じ結果に対して、視点の違いで解釈が割れるのはよくある事です。
では、同じチームの中でなぜ視点の違いが生まれるのかというと、成功のグランドデザインがないからと考えました。

どのレイヤーで何を成功とするかの定義がなく個々の判断でプロジェクトを進めると、人は自分の認知の範囲での最適化を行います。
受託開発の場合は特に顧客の意見がプロジェクトに与える影響が強いため、顧客に近い人程顧客のことばかりを見ることになり、顧客に遠い人程、チームの中に目を向けるよえになるため視点の差が生まれていきます。

顧客の要望を受け止める事は大切です。しかし、自分達のプロジェクトの成功をメンバー全員が共有して目指せないと、ひたすら顧客の要望に振り回されることにもなってしまいます。


同じ事象も視点が異なれば、成功・失敗の解釈が割れるのは、共通の目的を持てなかったことが挙げられます。
目的を共有出来ていなければ、自分にとっての成功は自分にとっての成功でしかなく、他の人にとっては失敗と思われてしまかもしれないということです。

では、どうすれば共通の目的を持てたのか?今回の振り返りをどうすれば活かせるのか?メンバーで意見をすり合わせていくことも大切ですが、「これが正解だ!」目標を掲げ、そこに向かってチームを引っ張る強烈なリーダーシップが必要なのでは。と、やや無理やりな結論に落ち着けてしまいます。

個々人にとっての目的や成功は宣言したり伝えない限りはその人のものでしかないことでしかありません。異なる目的をもっていた場合、より立場の上の人が言ったことが正解とされてしまいがちです。
そのため、少なくとも自分にとっての正解を宣言することが大切です。

ということで、今日はプロジェクトの振り返り会での全く異なる意見がなぜ生まれたのかを考えてみました。
最後までお読みいただきありがとうございました。


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