【マーケティング④】マーケティング・コンセプト

■ マーケティングの意味
ここで改めて「マーケティング」という用語について確認。

マーケティング(英: marketing)とは、企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、
・顧客が真に求める商品やサービスを作り、
・その情報を届け、
・顧客がその価値を効果的に得られるようにする
ための概念である。
また顧客のニーズを解明し、顧客価値を生み出すための経営哲学、戦略、仕組み、プロセスを指す。

こういった解説は少々わかり難いものである。
簡単に言えば、
・お客様のための企業行動のすべてを「マーケティング」という
となる。 
一般的なマーケティングについての認識は「広告、宣伝活動、市場ニーズの把握のことを指すものだ」と思われがちだが、上記解説を読めば違うことが分かるだろう。
(ちなみになぜこの誤った認識が広がったのかというと、マーケティングの概念が広がりだした時に企業の市場調査部署などが「広報・マーケティング部」と名乗る例が多かったためと思われる)

■ マーケティングはいつ始まったか

マーケティングという概念がいつ始まったかについては諸説あるが、ここでは「1985年のAMA(アメリカマーケティング協会)がマーケティングの定義を改定した時」とする。もちろんこれ以前にもマーケティングという考え方は提唱されていたが、マーケティングが体系的に整理されたのはこのときからだ、と言えるからである。

■ マーケティングコンセプトの変遷

マーケティング、つまり「お客様のための行動」は時代と共にその考え方は変わってきた。ここではその変遷を確認しようと思う。
 
1.生産志向 「お客様のために、とにかく作る」
年代的には1960年代、「供給<需要」の時代背景により、とにかく作ることが最優先された時代である。
 
2.製品志向 「お客様のために、良いものを作る」
1970年代、まだまだ「供給<需要」ではあるものの製品の数は増えてきた。そこで他社製品よりも良いものを作ることを考えた。
 
3.販売志向 「良いものがあることを、伝える」
1980年代、「せっかく作っても知らなかったら買えない」という考えで、積極的な売り込みが必要だと考えた。

4.顧客志向 「良いものだとしても、欲しくなかったら買わない」
1990年代に入り「供給>需要」、つまり供給過多となってきた。そこで「企業が売りたいものではなく、お客様が欲しがるものを提案すべきだ」と考えた。狭い意味ではこの時からが本当の意味での「マーケティング」となる。
 
5.社会志向 「社会に貢献するものを、提供する」
2000年代に入り環境問題や企業の社会貢献が重視されるようになってきた。ここにおいて「良いものでも環境に悪影響であっては売れない」となり、また社会貢献目的の原材料調達等をした製品が注目を集めるようになった。

どの立ち位置にいるかが大事である。

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