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【就活の話】“会社”から“社会”の中で生きること。

コロナショックの中、今年は僕にとって就活の年だった。
3年の8月に初めて1社目を受けて以来、1年以上に渡って
クリエイティブ(デザイン含む)系の会社を中心に就活をしてきた。

実際に、就活を経験して、イメージしていた就活とは少し違っていて
そのイメージとのギャップは、就活制度の変化の末端に過ぎないと思った。

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出典:「就活ルール」撤廃を経団連が正式決定 会見

時代の変化が早く、コロナが教えたように
今の社会の在り方は、持続性がないと証明され
これまでの正解や不正解が曖昧な中、もちろん就活も変化している。

「自分にとって就活って、何だろう。」と問いかけを持つために、
よく分からない時代の中で、就活を控える、これから動き始める人に向けて、
会社から社会の中で生きる時代における、就活の肝について話したい。

就活のゴール

就活のゴールは

第一志望の企業の内定を取ることでも
都会の一等地に建てられた大きなオフィスビルで働くことでも
初任給の手取り額が25万以上であることでも
ネームバリューのある企業で働けることでもない。


就活のゴールは、人生観を設計することにある。

自分が今まで生きてきた時間がどんな時間だったのか。
そのレールの延長線上に
どんな自分を設定したいのかを考えること。


言い換えると、人生観とは、人生についての考え方や態度で
就活期間の中で人生観を設定するためには以下の2つが鍵になる。


社会観(自分が大切だと考える社会の在り方や方向性)
ビジョン(社会の中で自分が目指したい自己の理想像や夢をより具体化したもの)

・why 社会観?

青年心理学研究にると
社会観は自分が生活している,政治, 経済,文化などの諸制度の複合した包括的統合体 としての社会に対する認知的評価。(MINEO, 2017)

と定義されている。

自分なりに、“社会ってこうなったら、面白くなるのかな〜。」と
ぼんやりでも意識し、自分が志望する業界や職種が持つ意義を捉える。

そうすれば、志望する仕事が持つ必要性や大切さに気付き、熱量も上がり、
自分が提供しているモノが、誰の為になっているのかが想像しやすくなり
働き甲斐や自分は必要とされていると、居場所を実感しやすくなる。

また、社会が今、どのように動いて
未来について多少でも意見を持つことは
社会全体の中で、自分の立ち位置の可視化にも繋がる。

さらに言うと、自分と社会との関係性を掴めると
目の前の貢献したいことや
自分のビジョンへと繋がる糸口を
誰かによって、自分以外の存在に見つけてもらうのではなく
自分の内側から自発的に見つけられる。

より能動的に、主体的に見つけた
ビジョンや何かしらのワクワクの方が
「これは、自分で決めた事なんだ。」だと
自信を持ち、よりブレない軸を持って生きることができる。

・why ビジョン?

これも人によって違うかもしれないが
ビジョンは、自分の夢を具体化したもので
自分が思う社会の中で、自分の在り方や理想像を意味する。

先述した社会観の中で
やりたい事を含めた自分の在りたい姿。

イメージとしては、「〜したい。」の夢(自分の主観)の背景に
「なぜなら、社会が〜だから。」という
社会観(客観的な情報)を加えることで
自分の進みたい、ワクワクする方向を示す道標のような存在だ。


社会観とビジョンを含めた上で
人生観(自分の人生の中で大切にしたい価値観、生き様)を考えること。
いわば、自己分析をしてみることが、就活では大切なことだと思う。

社会、周囲、友達、家族が設定した正解でも不正解でもなく
苦労してもそれが自分で下した決断である以上
壁を乗り越え、喜怒哀楽を大切にできるような
「これが自分の答え。」だと胸を張って
認めてあげられる決断を見つけられるかどうか。

その決断の中で

就職・師匠のもとで修行・院の他に
留学・ワーホリ・起業・インターン  etc…

道を選んでいく。
その結果が内定ならそれもいいと思う。当然、他の道でも。

こうした決断をせず、社会の中では
正解とされている道を受け入れたことが影響しているからか、
あしたの人事の2020年の記事よると
入社してから離職率が3割を超えている現実がある。
3人に1人が入社して3年以内に
苦労して手に入れた内定というプラチナチケットを手放している。
ちなみに理由は、「仕事が自分に合わなかった」が40%以上だった。


とは言っても1年ほどの期間で
今まで生きてきた人生について考えきることは難しいし
実際、やってみてかなり難しいものだった。
人の人生はそんなに単純じゃない。

難しい理由に、そこに定められた正解や不正解はなく
あるのは、自分だけが分かるものであり、自分にしか決められないし、
どんな不公平に合おうとも、
いつか来るかもしれない決断と向き合う教育を受けてこなかったから。


だから、就活で必ずしも自分の答えに気づけるかどうかも分からない。
しかし、何が何だか分からない中でも
その決断に責任を持って向き合えるのかどうか。

それに向き合う、その過程そのものが就活のゴールであり
その自己分析の積み重ねが
選んだ道に迷いを感じつつも、腹を括って臨むことができる。

そして、何より
人生観を設定する姿勢で就活の期間を過ごすと

「就活はやらされること」
     →「就活はやっていること」

就活への主体的な当事者意識が芽生え、
就活への目的意識と自発性が持てるようになる。

つまり、「4回だから就活をする。」
このように、努力の主語が、親や社会、周りである以上
どうなっても就活は、ただ我慢する苦しいものでしかない。

もちろん、始めるきっかけはそれでもいいと思う。
しかし、いつ間でも受動的な考え方の中で取れた内定が
自分の人生にとって、果たして本当に価値を見出せるのだろうか。

「自分の為に、やっている。」と自覚するためにも、
ここで挙げたように、今後、社会がどうなるか分からなくて
将来のことがぼやけて不安でも
自分なりに、一生懸命に人生観を組み立ててみる。

その過程に意味があるし、その過程の積み重ねが
自分のこれからの豊かにしてくれる“何か”がある僕は信じている。

何事においても、意味を見出したり充実した時間だと実感するには、
自分の内側から目的意識を持つことが最も大切だと思う。


就活とは、本当に自由だ。何をやってもいい。
あらゆる人生選択が目の前に広がっている。
その中から、自分が進む道を自分で決める。
そこに、テストのように定められた答えはない。
決めた後は、自分の足でしっかりと立って進む。


その意思決定や自分の人生観を
他の誰かが唱える答えに委ねたら
会社の中では、与えられた仕事をこなし、軸があるように見えるだけで
一歩、会社の外に踏み出し、色んな答えが行き交う社会の中で、
きっと路頭に迷うことになると僕は思っている。


「自分って、何をしているんだろう。」




就職先の名刺や立場をなくした裸で
会社の外に出た時、社会の中で自分のあり方を語れるかどうか。


“会社”の中から“社会”の中へ。

就活の変化は

会社の中で生きる時代から、社会の中で生きる時代になったから

だと思っている。

日本に住む多くの人が察知しているように
以前のように、3月にスタートして新卒を一括採用し
採用した人たちを、終身雇用するような慣わしはなくなりつつあるし
学歴社会も半分、過去の産物と言える。

その代わりに、個が透明化され、チームやコミュニティが力を持つようになり
人の繋がり方が、会社の中の一人間から社会の中の一人間へと変化した。

公務員は公務員の仕事を
医者は医者の仕事をしているような縦割りの時代ではなく
人との共感の輪の拡がり方が、分野や領域を越境するようになったため
あらゆる境界線が薄くなる、ボーダレスな社会構造になっている。

技術が発達して
SNSなどの情報を共有・発信するコストが低くなった結果
会社の中だけでなく、社会の中で自分の在り方が可視化されやすくなり
就職した会社の世界を超えて、周囲と自分が視界に入りやすくなった。

そのため、1年生から企業と交われる機会があるように
学生の境界線を越えて
1年生でも自由に自分のキャリアや生き方を描けること。
ワクワクへの挑戦の幅が取り外されている。


その変化の始まりが
3月の一斉スタート制の廃止だと僕は思っている。


さいごに

こうした背景から
目先の内定やその他の進路の確定のために
就活の時期を過ごすのではなくて
自分がどのように生きていたいのか

その軸をきちんと固めようとすることが大切だと伝えたい。


軸を持とうとした結果、
その意思決定が内定、インターン、起業などの結論に至った。







就活の本質は、意思決定ではない。
2回目になるが就活の本質は
それに至るまでの、自分と向き合い積み重ねた言葉と感情にある。

そして、その本質の向かう先は
「僕たちが、どんな人生を望んでいるのか。」
人生観のデザインにある。





幸せになるため。
そのための手段として、就活や内定はある。目的ではない。
こうして、自分の幸せに気付くことができた時
これまでとこれからの自分の人生を豊かにする、答えに出会える。

僕は、13社を受けて全ての会社に落ちたが
1年以上続けた就活の後
当初から全く考えてもいなかったところで
自分が信じたいと思える答えに出会えた。

自分と向き合い続けたから。
自分の人生に対する、想いを積み上げ続けたからだと思う。


では、そのためにどのような情報収集を行えばいいのか。


会社と社会の境界線がぼやけるなら
当然、就活のやり方にも変化は生じてくる。
マイナビやリクナビなどの従来の就活サイトを使わない
新卒採用のシステムの変化にマッチした選社の方法をシェアしてみた。

タイプ別にまとめたので、関心のあるところだけ
つまみ読みしてもらえればと思う。


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