15.考えているつもり
こんにちは。 コウです。
今回はサム・サマーズの「考えているつもり〜「状況」に流されまくる人達の心理学〜」を紹介します。
この本は、自分たちが思っている以上に人間は環境や人間関係といった「状況」に流されまくる生き物なんだよ。といったことが説明されている本です。
これを知ることで、思い通りに集団を動かすような仕掛け作りや働きかけのヒントになるかもしれません。
そして自分自身の普段の選択に潜む罠を回避し、よりよい選択ができるようになります。
社会的手抜き
状況に流されるとはどういうことか、例を挙げていきます。
心理学の本を読んだことがある人はわかると思いますが、
社会的手抜き(リンゲルマン効果)
というものが存在します。
例えば、綱引きをした時に、1人で引っ張った時に出る力と、2人で引っ張った時に引っ張る力を比べると、1人あたりが出す力が弱くなるという現象です。
授業中にわかっているけど答えないことや、合唱などがわかりやすい例かもしれません。
人を助けるかどうかの実験
ある大学の実験で、授業に向かう通路で仕掛け人の男性がうめき声を上げて、咳を2回する実験が行われました。
そこを通る被験者が助けるかどうかの実験です。
結果は40%の人がなんらかの形で手を差し伸べました。
その中で「時間に余裕があった」学生は63%が手を貸しました。一方で時間に余裕が無いと感じていた学生は10%しか手を貸さなかったのです。
さらに興味深いのが、その授業は「善きサマリア人についてスピーチをする」という内容でした。つまり、今から良い生き方とは何かについて語る人たちに対して実験が行われたのです。
さらにさらに、この実験は神学部の学生を対象に行われました。つまり人助けを信条とする人たちを対象に行われた実験だったことがわかります。
このことから分かるように、
学生たちの行動に影響を与えたのは、信条でもパーソナリティでもなく、
「時間がない」という状況でした。
女性は数学が苦手?
状況に左右されるのは、男女の違いにも現れます。
数学は男性の方が得意とよく言われますが、本当にそうなのかを調べた実験があります。
数学のテストを条件を変えて行い、一方のグループにはある説明をしてテストを行いました。
ある説明とは、
「過去の数学のテストでは、男女によって差が出てしまったテストがあります。しかしこのテストはどんな男女差も生まれないテストですよ」
と伝えました。
その結果、説明を伝えなかったグループは予想通り男子が3倍近くも高い平均点をとりました。
しかし、説明を受けたグループは、男女の平均点が同じになったのです。
この実験の他にも、女性だけでテストを受けた際にも点数が高くなった傾向が見られたり、ある映像を見せてからテストをすると点数が変わることも実証されています。
なぜ、そうなるのか… ここではあえて説明しません。
このように、数学のテストの点数にも状況の力は大きく働くことが分かっています。
本当の自分は存在しない
この本に載っている様々な実験から分かるように、人間は状況に大きく左右され、アイデンティティやパーソナリティといったことは、状況によっていとも簡単に変わってしまいます。
大切なのは、
①状況による行動の支配を考えること
②自分の周りの環境を整えることです
人間には多面性があるため、人間の行動に対してアイデンティティやパーソナリティを考えても仕方ありません。その置かれた状況について考え、どういう行動を引き出すかの方が大事です。
これは自分にも他人にも、集団にも当てはまることです。
最後に
最後までご覧いただきありがとうございました!
少し難しい内容になってしまいましたが、知っておくとかなり便利だと思います。
他人に厳しい人は、読むといいかもしれません。笑
メタ認知によりストレス軽減にもなります!
気になった方は是非!
ではまたヽ(^^)
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