頭が穿たれるってのはこういうことか
たしか大学生の時、古本屋でたまたま買った文庫が筒井康隆の「くたばれPTA」だった。
それまであまり小説を読まなかったのだが、こりゃ面白れぇなと思って少し時間が流れた。早稲田松竹の前を通り、映画「パプリカ」が公開中というポスターを見た。すると筒井康隆と書いてある。それなら買うかと思い、生協だったか地元の本屋で買った。
その日の夜、初めて、本を読んでいて寝れないという経験をした。それだけ夢中になって読んだ初めての本がこれだった。頭に音と映像が勝手に流れ出てくる。あれだけ強く自分の脳に文章が刻み込まれていくことは初めてだったしもうないかもしれない。雷に打たれるっていうのはこういうことだったんだろうな。
おかげさまでたくさん本を読むようになって、いまもそのすそ野にいる仕事をしている。そう考えるとたった一冊の本が自分の人生をここまでにするのかと驚かざるを得ない。
内容については、読まれて確かめたらよろしい。
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