華やかに生きたねこ
10月末日、大切で宇宙一大好きな猫が
空へと旅立った。
名前は、『華』
華を語るには、一言じゃ語れない。
なんて言ったって、強くて寂しがりやの猫だったから。
華の人生の物語を思い出しては、わたしは胸がいっぱいになる。
少しずつ、語っていこうと思う。
始まりは、外にあった段ボールだ。
我が家は野良猫が居場所を求めてやってくる。
そうして居着いたのが、子猫4匹だった。
子猫たちが生活に慣れたころ、ボロボロで毛むくじゃらの猫が段ボールの中に入り、日向ぼっこをするようになった。
身体は毛玉だらけ、病気なのかよだれを口から流して異臭がしていた。
父からその猫の話は聞いていたけれど、わたしは初めて会ったとき、なんとなく放ってはおけなかった。
虚ろで濁った目をしていたから。
『生きろ。』
小さな声で励ますしかできなかった。
少し反応した気がして、嬉しくてわたしは「ゴンゾウ」と呼ぶようになった。
身体は大きく、勇ましい顔つきだったからてっきり男の子だと思ったんだけれど、家に出入りするようになり、慣れたころに病院へ連れていくと女の子だと判明した。
ごめん、ゴンゾウ。
すっごい勘違い。
こうして、新たな名前をつけることになった。
第2の人生の名前、「華」と名付けた。
「第2の人生を華やかに生きるように」
そう、願いを込めた。
その願いあって、華はのびのびとうちで過ごした。
唯一、私の膝にトコトコときて体を伸ばしてお昼寝をした。
涙が出そうだった。
父が少しずつ毛玉をとりキレイにしていき、勇ましさから可愛さを全面に出した可愛い猫に変身した。
パンをよく盗み食いをして困らせたけど、それもいい思い出(笑)
体調を崩すのは早かった。
今でも、あのとき早めに病院に行っていれば…と思う。
少しの変化になぜ気づけなかったのか、後悔はやはり、ある。
華は強かった。
1人で頑張って生きてきて、痛くても辛くても噛んだりせず鳴いたりしなくて。どーんと、いつでも構えていた。
それでいて、寂しがりやで甘えん坊。
寝ている父の布団に上がり、お腹の上で寝てみたり。
子猫たちの輪の中に入りたくて、子猫のご飯を食べに行ってみたり。
私の膝に乗っては、抱きしめられるのを待っていた。
動物は、言葉が話せない。
だからこそ、細心の注意が必要だ、と今回のことで分かった。
華、幸せでしたか?
華に会いたい、今でもそう思う。
1人で生きてきた15年間。
2年だけでも、飼い猫として幸せをあげられたんだろうか?
いや、逆にこちらが幸せをたくさんもらった。
ボロボロだった猫は、幸せをたくさん運んできてくれました。
大好きだよ、華。
ずっと、ずーーっと大好きだ。
空で、幸せでいて。
私も頑張るね。
我が家の華やかに生きた猫でした。
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