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ギターを始めて、縄文人はどう音楽と嗜んだのって思った話

「毎日自分を褒められるから、最高やねん」
老後の趣味は「ギター」と思いながら、大して行動せず気づけば30歳が近くなっていた。そんなある日、映画『ナイアド』を鑑賞した。 64歳でフロリダ海峡を泳いで渡るという偉業を成し遂げたスイマーのストーリーに感化された。次の日、楽器屋へ早速向かっていた。

「なんでギター始めようと思ったのですか?」
という店員の問いに対し、
「年齢を言い訳にしてはいけないと思ったからです」
と、「『ナイアド』モード」のわたしは真面目に答える。
そんな回答に若干ひかれながらもギター選びに付き合ってもらい、一目ぼれしたエレキギターを購入した。

その日から毎日ギターと向き合うようになった。
大人になってから自己成長を実感する機会がない。
しかし、ギターは、コードをおさえるようになったり、好きな歌を弾けるようになったり、わかりやすく昨日の自分を更新し続けられる。
単純なわたしは「この世でできないことはないのではないか」とまで思うようになった。
「最近こはるイキイキしてるね、なんかいいことでもあった?」
久々に会った友人から尋ねられるほど、見た目にも変化をもたらしているらしい。
ギターがわたしに自信をもたらしてくれた。

ふと、疑問に思った。
縄文人も音楽に触れていたのだろうか。

縄文時代の遺物のなかに「土笛」というものがあり、土笛」は、楽器の可能性が高いと言われている。

https://www.town.mitane.akita.jp/soshikikarasagasu/kyoikuiinkaijimukyoku/2/230.html

縄文時代の遺 跡から出土する土製品の中に、比較的小型で内部が中空になっており、 上部に吹き口があって 、その縁に唇をあてて吹くと音を発するもの

楽器の考古学 /笠 原 潔

ただ「楽器」としては断定はできず、用途は仮説として以下のように言われている。

孔の吹き方と押さえ方で発音できるのは、単音 ・2著聞のトレモロとポルタメン トなどの限られた音形である。 これから推測できるのは以下のような用途である。音色 は 「鳩笛」に近いので、山鳩などを呼び寄せる 「烏笛」であったのかも知れない断続的な吹き方をすれば、山鳩の鳴き声を模倣することができるだろう。或いは,祭祀の時の祭器として、又は、結婚などの儀式や 「寄 り合い」など沢山の人が集 まる行事などで用いた 「楽器」 として用いた ものであろうか。或いはシャマニズム において、シャーマンや、古代宗教における宗教 を司る者が 「神寄せ」 として用いた 「昔の出る道具」であったのか も知れない。比較的遠方まで昔は響くから、狩猟 の際の 「合図」のための 「呼び子」 として、互いの 「信号」 として用いたことも考えられる。山中などで離ればなれになって互いに見えなくなった際に 「合図」 を交わし合うことは、縄文期においても必要なことだったろうと思われるからである。

縄文時代の土笛/岡田 敬司・ 笹森 建英

生きていく上で欠かせないものだったかもしれないし、娯楽として楽しんでいたかもしれない。
どちらにしろ縄文人が「音」を見つけてくれたことにより、わたしはいま楽しく過ごせているのは事実だ。
縄文人が鳴らした音は、現代まで響いている。

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