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「画像生成AIがヤバい!もはや漫画も好きに作れます。」という人で漫画を作ってる人を見たことがない

好きに作れるというのであれば、ぜひ好きに作ってほしいものです。
世の中に素晴らしい、面白い作品が増えるのはマンガ好きとしてうれしい限りです(当然著作権違反等は言うまでもなく論外ですが)。

でも、不思議なことに、生成系AIを使えば簡単に漫画が作れる!という人はたくさんいるのに、生成系AIで作った漫画というのは驚くほど少ないです。
中には面白い創作をされている方はいますが、「簡単に漫画が作れる」と言っている人より圧倒的に少ないんですよね。

「創作」をできる人って実は本当に限られていると思うんです。
生成系AIなんか出る前から、紙とペンがあれば漫画も小説も書くことはできます。
中学の頃、Campasの小さなノートにシャーペンで面白い漫画を描く友達がいて、みんなで教室で回し読みをしていました。
ペン入れとか、トーンとかそんなの関係なしに、ちっちゃな大学ノートとシャーペンがあればそれだけで面白い、回し読みされるくらいの漫画ができるんです。
でも、そんなことができるのはごくごく一部です。
小説を書いたことがある人も、意外と多いと思うのですが、完成させたことがある人は驚くほど少ないと思います。

ChatGPTが出たころは「これで小説とかも全部かけるじゃん!」と言っていた人がいましたが、小説を書いた人は見たことは驚くほど少ないです(私は見たことがありません)。

例えば次のようなものは簡単に作れます。

でも、これだけじゃ小説って書けませんよね?
名作と言われる小説、プロットが複雑というわけじゃなかったりもするじゃないですか?
このプロットをどう魅せるかじゃないですか。どういった空気感で、どういったニュアンスで、それでどのセリフが書きたくて、何が伝えたくて。

小説として完成させるには結構めんどくさくて地味な作業が待っています。
AIで小説を自動生成!といったツールもありますが、驚くほど作らない。なぜってめんどくさいからです。難しいからです。
そして、多分ですが「簡単」は「手を付ける」きっかけにはなりますが、「完成させる」モチベーションにそこまで寄与しない気がしています。一番簡単なのは作らないことです。世の中にこれだけ面白い小説があるのに、わざわざ作るのも大変ですよね。

できそうなことはわかります。
たぶんこうすればできるんだろうなぁということもわかります。
そして、具体的にこういったツールを使えばできるんだろうなぁという具体的なツール名も描けるほど技術は進歩しました。

ChatGPTでプロットは「簡単に」作れます。
ChatGPTでもNovel AIでもStable DiffusionでもMidjourneyでもなんでも「簡単に」絵が描けるようになりました。
マンガコマッタラーみたいなものを使えばプロットを食わせればコマ割りなども「簡単に」できます。
Stable Video Diffusionを使えばアニメーションも「簡単に」作れますね。
Suno AIを使えば音楽も「簡単に」作ることができます。

なので、ぜひ「簡単に作れる」と言っている人は、簡単につくって、世の中に「楽しい」「幸せ」「うれしい」「悲しい」そんな創作物であふれさせてほしいと思います。

私は反AIでもAI推進過激派でもなく、コンテンツが好きですし、クリエイターが大好きです。
なので、「AIで簡単に小説が作れる」という人は<<終わり>>まで書き上げてほしいですし、「AIで簡単に漫画が描ける」という人もおしまい、のコマまで書ききってほしいと思います。

「AIだから」指が4本とかどうでもいいです。AIで作ったからとか関係ないので、修正しましょう。気づいているなら完成させましょう。
「AIだから」文章の文体が章ごとに崩れるとかもどうでもいいです。読み手としては作品が読みたいです。気づいているなら完成させましょう。

完成品が見たいです。
「こうすればできます」みたいな何にもなっていない記事が世の中に増えるよりよっぽど楽しいと思います。

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