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コンサートに「予習」は必要か 高関健のエルガー&シベリウス

最近記事書いてませんでした😅

もともとブログ感覚でnoteを使ってるので、他の方の記事もいいねをくれた方のを読みに行くくらいで、全然SNSとして使えてません。

もったいない、、😅

今日の感想

今日はシティフィルの定期演奏会に行ってきました。

エルガー:ヴァイオリン協奏曲
シベリウス:交響曲第4番

ヴァイオリン:竹澤恭子
指揮:高関健

今日は馴染みの薄い2曲に加え、眠かったので感想は薄っぺらいです😓

二人とも好きな作曲家ではあります。エルガーの1番とシベリウスの5番は好きな交響曲ベスト10に入ります!

ヴァイオリン協奏曲は久しぶりに聴いたけど(チョン・キョンファやヒラリー・ハーンのCDで聴いてました)、抑揚に乏しくてやたら長い!😂
この曲に比べれば、「冗長」と言われがちな交響曲第2番の方が断然聴きやすい笑

竹澤さんはコリン・ディヴィスとこの曲を録音してますね。
今回は電子楽譜で。めったに演奏機会のないこの大曲を暗譜で弾くのはさすがに大変か😅

寝不足なのもありますが、どの楽章でも船漕いじゃいましたね😓
第3楽章の長大なカデンツァ(オケの伴奏つき)からフィナーレにかけては竹澤さんもオケもすごいパッションで、弾き終えるなり大きな拍手が起こりました(客入りは45%ほど😭)。
笑顔で手を叩いてる団員の方も多かったです。

アンコールは伴奏つきのエルガー「愛の挨拶」。
独奏もオケも往年の巨匠のような濃厚な表情づけでユニークな演奏でした。

後半のシベリウスは何だか拍子抜けしました。
高関さんは「シベリウスの最高傑作」と言ってましたが、晦渋さはそこまで感じないものの自分と共振するところの少ない曲でした。
聴きながらしばしば他のことを考えてしまい、最後もディミヌエンドで終わるので「これで終わり?」って感じでした😓

対して5番は主題や展開の仕方がわかりやすいですが、それでいて2番のような通俗に陥らずに深い内容を伴っている名曲だということを再認識しました。

なぜ「予習」をしないのか?

コンサート後の感想をつぶやいたら、あるフォロワーさんから「やはり『予習』が必要では?😎」とユーモラスなコメントをいただきました。

それで改めて考えてみたのです。なぜ自分が予習をしたがらないかを。

私は生音を聴きたくてコンサートに行ってるのではありません。
指揮者や演奏家の解釈を味わいに行ってるのでもありません。

予習好きな人って、解釈の違いを楽しみたいんでしょうね。
でもそれって、日本で一番美味しいラーメン屋に行くことが決まって、その店の美味しさを「本当に」理解するために連日都内の人気店を食べ歩くようなものではありませんか?

私だったらお腹が空いた状態で日本一のラーメン食べたいですね😅

自分はコンサートにドラマを期待してるのだとわかりました。
映画やテレビドラマや小説と同じです。

最近はストーリーを最後までネットで調べてから映画を見る人もいるそうですね。

何が面白いの?😅

ハズレを引かないために当たりを付けるのは大事です。
でも、ミステリーでなくても展開を知ってしまうことで興趣は削がれます。

最近はテレビがテロップ過多なので、相手が何を話すかが話す前にわかってしまう。
見ている我々は字幕を追ってるから、相手が大事な話を切り出すときの表情のかすかな変化にも気づかない。
そこに大きなドラマがあるというのに。

感動は往々にして驚きを伴います。
驚かずしておそらく感動はありません。

だから、驚きの要素を大事にしたいんです。
そのためには前情報は極力減らしたい。

びっくり① 「pet」

以前、「pet」というアニメにハマったことがありました。

傑作

普通に地上波でやってたんですが、アニメ好きを自称する人たちに話しても知られてませんでした。

当時私は長年のアニメブランクを埋めるべく、クールの初回はすべてのアニメを録画して見るというのをやってました。
全部見てたら大変なのでさわりだけです。面白かったら継続して録画します。
普通はまとめサイトを活用するでしょうが(いまはそうしてます)、それだとバイアスが入るので、いっそ全部録画してしまえと思ったのです。

で、「pet」はタイトル以外何も知らない状態で録画して、見ました。

動物アニメではないだろうから、てっきりこれ系かと思ってました😅

昔バージョンは松潤×小雪

見たらびっくり!  いきなりヘビースモーカーの油ぎったおっさんが出てきました🤣

「pet」は本当に面白かった。
簡単にいうと、記憶を書き換えられる超能力をもった少年たちの力を悪用する中華系マフィアがいて、少年たちの親代わりだったマフィアの元幹部が彼らを組織から逃がそうとして壮大な話が始まります。

作者(三宅乱丈)の尋常ならざる想像力に度肝を抜かれましたね。

月曜22時放送でしたが、毎週テレビの前にスタンバッてました笑
新作なので先行配信はありませんし、漫画が原作なのでWikipediaに展開は載ってたでしょうが見ませんでした。
だから毎回ワクワクドキドキの連続でした😆

この出来事はとても印象的でした。
何せまったく前情報なしに見て、自分の感性だけで面白い!と判断して、それから特にネットの反応などを調べることもなく三ヵ月間楽しみました😊

びっくり② 「八月の狂詩曲」

意外性による感動で印象に残ってるのは黒澤明の「八月の狂詩曲(ラプソディー)」です。

あのリチャード・ギアも出演

遺作となった「まあだだよ」の一つ前に公開された作品です。

そこまで評価が高い作品ではないと思いますが、ラストにびっくりのシーンがありました。

かつて被曝した長崎のおばあちゃんのところに孫たちが遊びにくる話です。
最後に土砂降りの雨の中を「ピカが来た!」と錯乱したおばあちゃんが傘を持って駆けていきます。
孫たちが慌てておばあちゃんを追いかけます。
おばあちゃんの傘が強風でおちょこ(裏返し)になるやいなや、画面がスローモーションになって、

♪わーらーべーは見ーたーりー

って、シューベルトの「野ばら」の児童合唱が流れるんです。

これには鳥肌立ちました😅

何で「野ばら」を使ったのか調べてないのでいまも知りませんが、事前に展開を知ってたらそこまでの感動はありませんでした。
不意を突かれたからこそのびっくり&感動です。

それを思えば、「天国と地獄」の煙の演出も知らないで見た方が圧倒的に楽しめるのでしょうね。
あらすじサイトはこうした数多くの感動を奪っていると言えそうです😅

感動のための準備

昨年ジョナサン・ノットの指揮するシベリウスの5番を聴きに行って以来、生の芸術鑑賞を復活しました。

音楽でも映画でも演劇でも落語でも歌舞伎でも能でも、私はドラマを味わいたくて出かけているのだと思います。

ハッとさせられる何かとの出会い。
すでに知っている何かを確認しに行くのではありません。

そのためには不意を突かれるための準備をしなくてはなりません。

ここまで読んでいただいたなら何のことかおわかりですね?😁

予習をしない、前情報を入れないということです。

見たことのない景色の中に落とされる困惑や動揺の先に、予定調和を上回る衝撃や感動が存在すると私は思うのです。

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