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“人妻コラムニスト”の快進撃!独立3年でわかった「仕事を成功に導く10の心得」【かくしごとの仲間のnote①】

はじめまして。フリーライターの菱山恵巳子(ひしやまえみこ)と申します。取材記事、レポート記事の他、漫画シナリオ制作も行っています。プライベートでは小学生の双子を育てる母でもあります。

かくしごととは、フリーになりたての3年前からのお付き合い。パートナーライターとして『週刊プレイボーイ』をはじめ『UOMO』『Forbes JAPAN』など、数多くの執筆に携わっています。

■自己紹介~仕事の幅は、エロからビジネスまで〜

そもそもライターとしての最初のお仕事は、大学生時代に書いていた「ビッチ図鑑」というweb連載。「ビッチ女子大生」と名乗り、実体験や女子会リサーチから得た華麗なるビッチ達を紹介する体当たりコラムでした。

そんな向こう見ずな私でしたが、新卒では広告関係の企業に就職。その後、結婚と双子出産を挟み、27歳でいきなりフリーランスのライターにジョブチェンジ。今考えるとなかなかチャレンジングです。

当時は恋愛ジャンルでの執筆が多かったので、ややエロさを含む「人妻コラムニスト」という肩書きを名乗っていました。ちなみに、現在でもその肩書きは健在です。

そして現在は、執筆ジャンルも恋愛・エロに限らず、ファッション、芸能、ビジネスと多岐にわたります。まさかビッチからForbes U30受賞者まで取材対象になるなんて、自分でも思ってもみないキャリアです。

では、ほぼ未経験同然で始めたフリーランスのライターで、しかも双子育児という時間の制限がある中で、ここまで実績を重ねることができたのか。今回はその秘訣をご紹介します。

(「10の心得」というタイトルにしましたが、ライターのキャリアとしてはまだまだ成長中な身です。この3年間のまとめとして、あくまでフリーランス1年目、ライター1年目の方に向けた超初心者編としてお楽しみください。)

■「仕事が途切れない」フリーランスになるために

①まずは「猫の手でも借りたい」取引先の「猫の手」になれ

人脈も実績もない中で、どのように仕事を掴んだか。まずは、取引先が“時間がないけど、依頼できる人がいない、猫の手でも借りたい状況”での「猫の手」になることを目指しました。つまり、「短納期」に対応することです。

すでに活躍されている先輩ライターには実績もスキルも勝てないけれど、納期なら気合いだけでなんとか勝つことができます。ライターになりたての頃は、取材即日原稿納品というスケジュールでも断ることはしませんでした(もちろん、いまでも対応可能だったら喜んで受けます!)。

短納期案件への対応力は、かくしごとのメンバーとして執筆している『週刊プレイボーイ』で、磨かれたと思います。週プレの場合、(木)夕方に企画決定→翌週(火)までに原稿納品というスケジュール感が基本です。土日含む5日間でキャスティング、取材、執筆を行う必要があります。ライターになりたて当初、ほぼ毎週週プレの執筆をさせていただき、この週刊誌ならではのスピード感を身に付けました。

このスキルを活かし、様々な媒体での「困った時の菱山」的な存在になることで、繋がりを作り、みるみる実績を重ねることができました。また、ピンチの時に現れるヒーローは往々にしてカッコよく見えるものなので、納品物の本来のクオリティに+αの輝きを感じてもらえるというマジックもあると思います。

②金額で仕事を選ぶべからず

せっかくのチャンスを逃さないために、新規でお仕事をいただいた際には、「金額が合わないから」という理由で断ることはありません。なぜなら、フリーランスになりたての頃は、実績こそが何よりの財産だからです。

一つとして同じ仕事は存在しないですし、どんな仕事でも学びはあるはずです。しかも、その仕事を目にした人が新しい仕事を依頼してくれます。

実績が少ないうちは、経験も積ませてくれて、お金ももらえるって、なんてラッキーなんだ!と考えて、単価は気にせずに仕事を受けることをオススメします。

③雲の上の存在を「メンター」にしろ

会社員からフリーランスになって、一番辛かったのが、先輩がいなくなったことでした。

仕事のスキルを学ぶことはもちろん、ちょっとした相談事を聞いてもらったり、どうでもいい恋バナに付き合ってもらったり。意外とそういう存在は自分の成長にもメンタルの安定にも必要です。

だからこそ、フリーランスになっても「メンター」は大切。メンターの理想は、同じ業種かつ、自分とはほど遠い華々しい実績を持つ人がベストだと思います。

仕事の細かい悩みは同じ業種の方だからこそわかるのは前提として、実績・スキル差があまりないと、仕事の取り合いになってしまうからです。あくまでライバルに到底なれないような雲の上の存在だと良い関係を築けると思います。

そして、お世話になっているメンターには仕事で恩を返す。細々した仕事にも協力することで、その人の仕事術を近くで見ることができるというメリットもあります。

④一般的なビジネスマナーは守れ

フリーランスなので、マナーをどこまで守るかは自分次第。でも、破天荒になりすぎると「この人はこんなことしているけど、きっと天才なのだろう」と、期待値が上がってしまう恐れがあります。破天荒で仕事ができないのは致命的なので、天才になるまでは「普通の社会人」というスタンスで働いた方がいいと思います。

フリーランスに仕事を依頼することは、企業にとっても「どんな奴が来るかわからない」というリスクがあります。しかもライターの場合、企業にとってのVIPと接する機会も多いです。依頼側の企業から「どんなシーンに出しても恥ずかしくない」と思わせることが信頼獲得の第一歩だと思っています。

⑤どんなに忙しくても、忙しそうに見せるな

主婦として双子育児と家事をしながら、フリーランスで働いているので、周りからは「忙しいよね」と聞かれることが多いです。

でも、そこで「忙しい」と認めてしまうと、「じゃあ新しく仕事を依頼できないな……」と思われ、せっかくのチャンスを逃してしまいます。

仕事関係の方にはもちろんですが、友人、ママ友、飲み屋で隣に座った人にも、仕事の話になれば涼しい顔で「悠々自適ライフだよ~」と言うようにしていました。

するとトントン拍子で「じゃあこんな仕事があるんだけど」と紹介してもらえることがあります。実際は徹夜をしていようが、土日も働こうが、フリーランスになりたての頃は忙しいアピールは厳禁だと思います。

■様々な媒体・ジャンルで活躍できるライターになるために

⑥取材は事前準備が10割

取材を良い取れ高に導くためには、入念な準備が必要です。質問リストを作っただけではなく、「もしも相手が回答に困った時の切り口」「深掘りできそうなポイント」「あっさりした回答しか返ってこなかった場合の導き方」を、事前に用意しておく必要があります。

そのためには、取材する相手の過去のインタビュー記事、書籍、出演作品などはできる限り事前にチェックするようにします。

執筆した本があるなら最低1冊は読みますし、芸能人だったらいくつかの出演作品をチェック、趣味や資格も把握し、記事を少しでも面白くする切り口を探すようにしています。取材するたびに自分の知識がどんどん増えていくので、これは努力というよりライターという仕事のメリットでもあると思っています。

⑦記事の「目的」と「テーマ」を握れ

原稿を書く時は一人ですが、記事制作はチームで行います。編集、フォトグラファー、イラストレーター、取材相手、クライアントなどなど…。チームで同じ方向を向くように制作に関わる全ての人と、“なぜこの記事を作るのか”といった「目的」と、“この記事で何を伝えたいのか”という「テーマ」は必ず事前に握るようにしています。

たとえ同じ取材内容だったとしても、「目的」と「テーマ」によって書き方・見せ方が変わるのは当然のことです。納品後に「思っていた記事と全然違った」という悲劇にならないよう、最初の打ち合わせで確認しておきましょう。

⑧現場ではプロとして堂々としていろ

時にはファッション誌のロケ現場、時には憧れ芸能人の取材現場、時には飲食店レポート取材、時には経営者の対談など、仕事のジャンルは様々。初めての場所で、初めましての人の中で一人…なんてことばかりです。そういう時、ついモジモジしてしまうかもしれませんが、それでは周囲が「この人に依頼して大丈夫かな?」と不安になります。

たとえ不安な現場でも、プロのライターとしてスイッチを入れ、堂々と振舞うようにしましょう。

私が仕事で求められているのは「菱山恵巳子」個人ではなく「ライターの菱山」です。自分の役割に集中すれば、無駄に緊張する必要もないと思います。

個人的に大ファンである辻希美さん、杉浦太陽さんにインタビューした時も緊張しませんでした。

⑨執筆後は一旦寝てから納品せよ

SNSで自分を発信することが当たり前になっている今、誰もが簡単に「面白い文章」が書ける時代である思います。私も元々は、アメブロやmixi日記で同級生を笑わせることで、文章を書く楽しさに気付いた人間です。

でも、ライターの仕事は、“ある出来事をわかりやすく切り取って言葉で届けること”です。あくまで「伝わる文章」が大前提だからこそ、主観ではなく客観で文章を書く必要があります。そのために、自分が書いた文章は何度も読み返した方がいいと思います。

例えば、夜に書きあがった原稿は一旦寝て朝もう一度読んでから納品、というように。意味が通っているのか、文法がおかしくないか、入念にセルフチェックをしているうちに、「なんで気付かなかったんだ?」という誤字にいきなり気が付くこともありますよ。

⑩「自分の言葉」での発信を辞めるな

納品物では第三者目線で執筆する代わりに、SNSやnoteなどではなるべく自分の言葉で発信するように心がけています(炎上しない程度に)。

なぜなら、ライターという肩書きがあれば、その自分の言葉から仕事に繋がることもあるからです。好き勝手書いていた「ビッチ図鑑」からキャリアを始めた私が言うのだから本当です。しかも、最近では私のSNSを見ていただいた方から、漫画シナリオ制作の仕事まで受注しました!

また、ライターになる人は、少なからず文章を書くことが好きで、元々は自分の言葉で何かを書いた原体験があるのではないかと思います。仕事用の文章だけでなく、自分のぺースで好きな文章を書くことは、ストレスを溜めない秘訣でもあると思います。

バズりを狙わず、淡々と日々の出来事を呟くのが、私のTwitterです。

■最後に

こう振り返ってみると、特別なことはあまりしていません。誰でもできることだと思います。「これからライターになってみたい!」「フリーランスになりたいけど、不安!」という方は参考にしてみてくださいね。

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