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学生服リユースショップさくらや研究【女性の起業支援塾編その4】

 「さくらや」の店舗運営を通じた馬場加奈子さんの実体験をベースにした、双方向・対話型の起業塾「キャリスタ塾」。金融機関が主催する女性向けに特化した、当時としては珍しい起業塾が始まりました。

 2015年と2016年の「キャリスタ塾」は、それぞれ3回コースで行うことになりました。

 第1回では、冒頭に馬場さんが先輩起業家として「さくらや」の仕事についてお話ししました。その中で、「持続可能にする力」「発信力」そして「ブレない原点の想い」を語りました。

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 続いて、受講者が5~6人のグループに分けて、グループごとに仕事の悩みや課題を発表して質疑応答を行いました(グループトーク)。グループ内でお互いに質問をすることで、異業種の人が取り組んでいることがヒントとなり、答える(自ら答えを出す)ことで悩みや課題が解決するのです。

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 このグループトークには、塾生がその後のステップに進んだ際にも高松信用金庫が融資等で継続して支援できるようにするため、必ず会場となる支店があるエリアの支店長にも参加してもらったそうです。

 その結果、各店長が女性の起業に目を向けるようになり、起業家から求められる地域金融機関の姿が分かるようになったそうです。金融機関は馬場さんにとっても塾生にとっても敷居が高いイメージがありましたが、グループトークで支店長と関わることができ、気軽に相談できる環境ができたと馬場さんは言います。

 また、「キャリスタ塾」の準備や当日の運営は高松信用金庫の女性社員(たかしんレディー)を中心に行うことで、塾生にとって親しみやすい雰囲気づくりに努めたそうです。塾生には子ども連れの人もいるため、講義中はたかしんレディーに別室で子どもの応対をしてもらうことで、塾生が講義に専念できる環境が整えられました。

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 第2回では、第1回のグループトークで得たヒントをもとに各自で実践した結果を順番に報告してもらった後、外部講師が顧客数や商品単価、売り上げ、利益などの数字を重視しながら、目標を考えるグループトークが行われました。

 グループトークでは、塾生各自が重視する数値目標はそれぞれ異なるので、他の塾生の考え方を聞くことで改めて自らの課題を見つめることができたそうです。

 第3回では、第1回と第2回であぶり出された課題の実体験や今後の取り組みについてプレゼンテーション(発表)が行われました。

 プレゼンテーションの準備として、各自が設定した目標をもとにしたマーケティングや資料作りなどを課すことで、「見せる力」や「説明する力」をつけてもらいました。こうした作業を通じて、塾生各自の仕事に対する再認識とともに、自信にもつながったそうです。

 この3回シリーズの講義を受けた受講者からは、

「いつのまにか大事なことを忘れていた」
「自分の気持ちがブレていた。もっと仕事に集中したい」
「起業後の不安が解消された」
「自分と同じ悩みを持っている人がいたことでお互いに相談したりできる仲間ができた」

といった声が寄せられました。女性の起業家や経営者は、悩みを共有できる仲間を作る機会が少ないので、受講者にとって「キャリスタ塾」は貴重な仲間づくりの場となりました。

 この塾生同士の「仲間づくり」が、室内での座学の起業塾にとどまらない、イベントの開催につながっていきます。

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続く

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