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学生服リユースショップさくらや研究【女性の起業支援塾編その5】

 2015年11月に開始された女性の起業応援塾「キャリスタ塾」の2期に渡る開催を通じて、60人を超える塾生たちと、彼女たちの横のつながりが生まれました。そして、「自分たちの事業を多くの人に知ってもらいたい」という思いから、2017年6月、高松信用金庫の主催で「働く女性の文化祭!キャリフェス」が開催されました。

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 「キャリフェス」は、ビジネスマッチングとチャレンジショップの要素を併せ持つイベントで、飲食、雑貨などの物販・ワークショップ、美容など、それまで店舗運営をしたことがない塾生を含めて37店舗が参加しました。マルシェのような雰囲気で大変賑わいました。当日は、週末でニュース番組も少ない中でしたが、地元テレビ局や新聞の取材も入りました。

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 「キャリフェス」を通じて、一人の力ではできないことも仲間が集まればイベントを実施できるということが分かりました。参加者それぞれが相乗効果をもたらし、新規の顧客獲得もできたそうです。その後も、複数の塾生が集まって独自のマルシェを主催する動きが出てきました。

 2017年は、「キャリスタ×こまち」として、香川の情報雑誌「香川こまち」と共催での実施となりました。前年の「キャリスタ塾」の塾生として参加した「香川こまち」の女性社員が、同誌の新しい取り組みとして「キャリスタ塾」の紙上対談を行いたいと企画したのがきっかけです。

 「香川こまち」の編集長も、「地元の女性起業家を応援したい」とバックアップしてくれて、新しい形での起業応援塾となりました。

 「キャリスタ塾」で学んだ第1期~第5期生(キャリスタメンバー)の中で店舗を運営するメンバーの協力を得て、その店舗で開催しました。場所を提供してくれたメンバーに起業の話をしてもらった後、参加者(各回4~8人)の自己紹介と各自の課題を話し合いました。そして参加者同士で質疑応答を行い、感想を述べ合いました。

 そのやり取りは、対談形式で「香川こまち」に掲載しました(年間10回)。参加者からは、「経営者の会はよくあるが、理念や数字よりもこのような会でお互いの課題を話し合うことで、自分の仕事に振り返ることができたのがよかった」との感想をもらいました。店舗内(起業の現場)でお店の様子を見ながらキャリスタアメンバーの話を聞くことは、臨場感があって刺激的な経験となったようです。

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 2018年は、それまでの「キャリスタ塾」に加えて、既に起業した女性向けに、「次のステップ」を目指して必要な「経営」「財務」「販路開拓」「人材育成」について学ぶ「キャリスタセカンド」と銘打っての実施となりました。

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 「キャリスタセカンド」では、東京から著名な女性起業家を招いて実践的な講義をしてもらったり、県外の女性起業家が経営する全国展開の総菜チェーンの本店に見学に行って起業の話を聞いたりして、より実践的な内容となりました。

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 また、香川県内の女性起業家を対象として「キャリスタセカンド ビジネスプランコンテスト」も開催されました。子育て、介護、部屋の片付けなど、応募者自身が経験してきた苦労がビジネスプランのもとになっており、女性ならではの苦労と決意に思わず涙ぐむ審査員もいたそうです。

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 「キャリスタ塾」での起業支援の取り組みは、高松信用金庫の社員にも好影響を及ぼしているそうです。塾生の中には、「事業として成立しなくてもとにかく起業したい」という、熱意が先行しているようなメンバーもいるのですが、高松信用金庫が協力して資金計画などを立てる中で、「メンバーの思いと事業の継続性を両立させるにはどうすればよいか」を強く意識するようになったそうです。

 「キャリスタ塾」を通じた継続的な起業支援の活動が評価されて、高松信用金庫は2018年12月には中小企業庁の創業機運醸成賞」を受賞しました。金融機関がこの賞を受賞するのは初めてとのことです。「キャリスタ塾」立ち上げから携わってきた馬場さんとしても、この受賞は大変嬉しいできごとでした。

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  馬場さん自身も、キャリスタ塾での活動などが評価されて、2019年6月に内閣府の女性のチャレンジ賞特別部門賞(テーマ︰多様な選択を可能にする学びの充実)」を受賞しました。首相官邸で行われた授賞式ではお母様にも同席してもらった馬場さん。「ようやく親孝行できたのかな」と感慨無量の様子でした。

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 表彰されて「めでたしめでたし」のおしまいではありません。「キャリスタ塾」も馬場加奈子さんの活動も、さらに充実・拡大していきます。

続く

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