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親子旅②~踊ってみた~

『子どもたちにリアルな体験を』
という夫の信条のもと
車を船に乗せ、海を渡った私たち。

次はお祭りに参加。
指定の衣装に着替えたときに気づいた。
「これ私も着るの?」
「当たり前でしょ?てかなんで眼鏡なの?
やる気なくない?」
お金を支払っている夫はばっちりコンタクトでずるい。
子どもたちの付き添いのつもりだったので
歴史あるお祭りだというのに
生半可な覚悟で挑んでしまった。
今となっては申し訳ない気持ちである。

子どもたちは浴衣のような衣装に身をつつみ
鈴をつけ、たいへんかわいらしい。
夫も渋みのあるいい色の布をつけさせてもらい
なかなか雰囲気が出ている。
私はなぜか着付けのおばあちゃんに
「旦那さんがいるならこれくらい膝を出しても
大丈夫よっ!」
と太鼓判を押され、ひざ下をさらす羽目に。
こうして意気揚々とお祭り会場に向かう一家。

お祭りの熱気はすさまじかった。
観光客の数もものすごいが
地元の踊り手や太鼓の叩き手の方の
なんと多いこと。
普段は会社や家庭で普通に生活している人々の
お祭りだけで見せる本気の顔が好き。
もの静かそうな女性が山車を率いて
踊り手を鼓舞している姿が好き。
同じ音楽、同じ掛け声が続くのに
なぜこんなに魅力的なんだろう。
ふと、ある踊り手に視線を奪われる。
若い男の人。
誰よりも高く飛び、周りを巻き込んでいく。
お祭りへの情熱が、その人からあふれ出ているようだった。
お囃子の人達も1人1人が沿道の観客に向け
雅な音色を打ち鳴らす。それも満面の笑みで。
このお祭りの魅力は、集まった人、ひとりひとりなんだ。
地元のお祭りに誇りを持ち
1年に1回の大イベントにすべてを尽くさんと
する姿勢が心を打った。
老いも若きも関係なく、真剣に楽しむ表情。
ずっと見ていても写真を撮りたくなる。
「伝統を守る」心意気をこれほどまでに
強く感じたことはなかった。

子どもたちも仲間に入れてもらい
あっという間に掛け声を覚えた。
たくさんの人に見つめられて歩く高揚感。
子どもたちはお祭りが終わっても踊り続けた。
この思い出はどんな色で彼女たちの脳に
残ったのかいつか聞いてみたいと思う。

チーム家族一丸となって踊って歩きました。
次は何を見に行く!?


おそらく続く

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