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改めて #子どもの連れ去り問題

弁護士1年目の2014年

地元で開業したばかりの小さな事務所で、市民のお悩みに何でも寄り添う覚悟で待ち構えていたところに、やってきたのは、「わが子を配偶者に連れ去られました。離婚を求められている。どうしたらいいか。」という相談だった。

それが、#共同親権弁護士 に進化するまでの最初の事件。

聞けば、毎日、保育園に送迎し、夜勤もある仕事と両立しながら子育てをしてきた。両親が監護補助者になって、助けてくれはしたけども、配偶者は、たまに顔を見せるだけ。

ちょっと行事に参加してくるといっておやこを送り出したはずなのに、帰宅したら荷物もなくなっていた。

このまま離婚協議をするわけにはいかない。親権者指定に際して、不利になりかねないからだ。

子どもを取り戻さなければならない。が、行方もわからず、音信不通。どうしたものか。

そんなはじまりの物語。

指導いただく、先輩弁護士がよくも悪くも「いない」。頼りになるツールもない。標準とか相場なのかもわからない。

ただわかっているのは、このままじゃあ、親子関係が絶たれてしまう。子どもの福祉が損なわれてしまう。近くの法律事務所をってたまたま寄ってくれたこの相談者は、わが子を思って涙している。会いたいのに会えないなんていう辛い涙なんかではない。わが子の将来を思い、父にも母にも愛されて、ちゃんと自分を大切にして成長していくことを祈り、それが損なわれるのではないか、もっともっとたくさん愛される子でいるように、そのために泣いている。

できる限りのことをするしかないじゃないか。

マニュアルがあるわけでもない中、書式を参考に、裁判所の申立書を作成し、しどろもどろ、受付でミスも指摘されることもありながら、とにかく時間をかけるわけにはいかないからと急いだ。

今振り返れば、あの展開の、あのときのあの意味は、と思うところもあるけども、目の前のことを実践していくこと、そして、その都度、親としてのふるまいを試されていく親御さんからの学びの大きいこと。

忘れられない最初の事件で全力を尽くすために、いろいろな本を手にとったけど、最初の事件から、何か変なことになっているよねっていう違和感を見事表現し尽くしてくれて、うなずきっぱなしの本がこちら

Amazonのレビューもあつい

8年経った今も色あせていない。というか、8年足踏みしていたのだろうか。

しかし、今、ようやく動き出そうとしている。

もう前にしか進まないのである。

つづく

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