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早期療育への懸念

この記事は1,754文字あります。個人差はありますが、2分〜4分でお読みいただけます。

今日はnoteの連続更新107日目です。

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今日のテーマは「発達障害と早期療育」です。どうぞお付き合いください。


早期療育についての懸念?

発達障害の方々の支援に関しては「早期発見、早期療育が重要」とよく言われます。

確かに、小さい頃からお子さんにあった関わり方をしていくことは大切です。でも、「訓練」とはまた違って、ぼく自身も「訓練」という言葉は使いません。訓練と聞くと「何かを頑張らせなきゃ」というイメージがあり、親子ともにヘトヘトになってしまうこともあります。

TEACCHプログラムは、国際的に評価の高い考え方ですが、そこのGeraldine Dawson博士たちが、「At a Crossroads—Reconsidering the Goals of Autism Early Behavioral Intervention From a Neurodiversity Perspective」という早期療育について報告をしたものがあります。

その中では、多様性を重視していない早期療育があり、どちらかというと定型発達の方々に合わせて子どもの行動を変えることを優先しているんじゃないか、そうしたことを理由に療育への抵抗感のある親御さんが増えているのでは?と触れられていました。

もちろん、できないよりはできたほうがいいこともあると思いますが、それだけが目的ということはありません。時々、「診断がなくなること」「IQが上がること」みたいなことを目指されることがあります。

でも、ぼくとしては、いずれも目的ではないと思っていて。

早期発見、早期療育は大事だけれども、時々、それだけが強調されてしまって、親御さんへ「障害受容すること」や、お子さんに対して「障害告知をすること」を促して、早めに療育につなげることだけが支援だと思われてしまうことがあります。

どのお子さんでも、親御さん、ご家庭でも多様なわけで、「支援とはこうすべきもの」というのはない、というのがぼくの考えです。

ただ、「早期療育しないと大変ですよ」「二次障害になりますよ」と脅すように言われることがあります。余談ですが、ぼくは「二次障害」よりも「併存症」という言葉を使うことがあります。

誰であっても、何らかの形で精神疾患が発症する可能性があって、どんなに丁寧にサポートしても、抑うつ的になることはあります。なので、何でもかんでも二次的なもの(=これまでの関わりがあっていない)=「二次障害」とするのは、時に、ご本人や親御さんを追い詰めることにもなるからです。

もちろんストレスがきっかけということもありますが、全部が全部、二次的なものじゃないという意味でも併存症という言葉を使うようにしています。

また、早期から相談しても「様子を見ましょう」「他にもいますよ」「グレーゾーンですね」と言われて、大人になって問題が複雑になってから相談に繋がる方々もいます。この場合も、親御さんが何もしなかったわけでもないし、小さい頃は特徴が目立たないお子さんもいたりします。

以前「カモフラージュ」という説明をしましたが、自分で工夫したり、その時の環境があっていた、あるいは求められることがその人のキャパを超えていなかったので目立っていなかったということもあったりします。

じゃあ、早期に療育を受けなかった方はやりようがないかと言われると、それはまた別の問題です。確かに問題が複雑になっていることもあります。でも、早期の対応ができなければ今後やりようがないのかと言われれば、それはまた別の問題です。

もちろん、早期からお子さんの特徴がわかり、お子さんとの関わり方のコツがわかり、育児が楽しめる時間が増えるといいなと思っています。

補足はVoicyの配信をお聴き頂ければと思いますので、宜しければVoicyの方も応援していただければと思います!

佐々木康栄

災害時に役立つさまざまな情報

被災地で、発達障害児・者に対応されるみなさんへ(国立障害者リハビリテーションセンター)


防災・支援ハンドブック(日本自閉症協会)


災害時、発達障害の子どもの支援についての医療関係者へのお願い(内山登紀夫先生)


災害時の発達障害児・者支援エッセンス


#障害者を消さない (ヘラルボニー)


寄付型セミナー(TEACCHプログラム研究会東北支部)

代表を務めているTEACCHプログラム研究会東北支部で、「寄付型セミナー」を立ち上げています。ぼくの衝動的な行動であることは自覚しています。それでも、今ぼくらにできることを考え、過去に配信したオンラインセミナーを再度配信させていただき、その売上(配信や販売に関わる手数料を差し引いた全額)を能登半島地震の支援・復興に向けた寄付することに決めました。宜しければ応援してもらえると嬉しいです。


#能登の障害者に届け

能登の障害者の方々に直接支援が届くように、一般社団法人障害攻略課さん
、NPO法人石川バリアフリーツアーセンターさん、一般社団法人Smart Supply Visionさんが「#能登の障害者に届け」というプロジェクトを立ち上げてくださっています。

この短期間でこれだけの状況を整えることは、どれだけ大変だったのだろうかと思います(きっとかなり睡眠時間や休みの時間を削って急ピッチで取り組んでくださったのだと思います)。本当に感謝です。    

一緒に応援しませんか?


その他お知らせ

オンラインサロン「みんなで考える発達障害支援」


クラウドファンディング

▼9月に大阪にて講演会をさせて頂いた「一般社団法人泉大津・発達支援勉強会Lien」さんが、「大阪府泉大津市、及び、泉州地域である近隣市町村一帯が、発達障がいや多様な子どもたちにとってより過ごしやすい地域に」を目指して、クラウドファンディングをされています。特に、4月2日の世界自閉症啓発デーでは、世界中がブルーライトアップされます。これは色々な人に目を向けてもらうための活動でもある一方で、それだけ予算がかかります。

そのため、どの地域でもできるわけではありません。今回、泉大津市内のブルーライトアップをしたい!という想いを叶えるためのクラウドファンディングです。目標金額は220万円です。ちなみに、これは行政と一緒に取り組んでいるものなので、「ふるさと納税」として寄付ができます。

ぼくも応援メッセージを出させて頂いています。どうか皆さんも応援していただけないでしょうか。

皆さんの応援が力になり、その力が地域を進める行動になり、その行動が当事者やご家族の未来になります。

一緒に地域の未来を変えるお手伝いをしてくれませんか?


セミナー情報

▼TEACCHプログラム研究会 第16回実践研究大会 in 東北・東京・熊本・鹿児島 「共に学び 成長する 熱い冬」

ぼくは仙台会場にいって、一丁前にコメンテーターというのをさせて頂きます!翌日にはTEACCHプログラム研究会東北支部主催でイベント「自閉症支援の未来会議 in 仙台」も開催しますので、2月10日(土)、11日(日)はご予定の確保をお願いします!


▼会員限定動画▼

これまで、会員の皆さんには限定のコラムや動画を配信してきました。現在下記のような動画を配信中です。閲覧にはパスコードが必要です。何度かメールでご案内しておりますが、もし会員の方で「パスコードがわからない!」という方はteacch.tohoku@gmail.comまでご連絡ください。

▼会員限定コンテンツ▼

現在、会員限定の質問フォームを設けています。匿名にしようかとも思ったのですが、会員の方からのご質問であることを確認するためにお名前のご記入をお願いしたいと思います。ご質問については、全てにお返事できるわけではなく、会員の皆さん全体にとって有益だろうと思うものを中心に取り上げて、限定コラムなどで書いていきたいと思います。

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