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コミュニケーション不全症候群

症状

対話が不十分で、合意形成を経ていない
成功の定義やイメージが関与者間でバラバラ
お互い何を考えているのわからない
メンバー間の議論がかみ合わない。共通認識・共通言語がない

症状の概要と症状が招く結果

成功のためのマニュアルがなく、分業するメンバー・部署間の完成された申し送り書がないプロジェクトでは、異なるタスク・業務を担うメンバー・部署間でのコミュニケーションが重要です。コミュニケーションが十分でないために、重要な情報がある部署から他の部署へ伝達されないといったことや、引き継ぐ部署にとって望ましい状態ではない引き継がれ方をされる(してしまう)可能性があります。こうしたことが重なると、お互い何を考えているのかわからないばかりでなく、メンバーや部署間の対立を生みかねません。
また、プロジェクトに専念できる(すべての時間を使える)メンバーだけで構成されていチームでは、コミュニケーションをとって共通認識をつくりあげる時間が限られています。限られた時間で、情報の共有や意見交換に高いコストや認知負荷がかかっていると、ますますコミュニケーション不全を強化してしまいます。

問題の全体像

コミュニケーション不全症候群

随伴症状

縦割り・分業症候群
フォロワーシップ不全症候群

本症候群が原因となって発生・強化される症状、症候群

縦割り・分業症候群
フォロワーシップ不全症候群
あいまい・多義性症候群

原因

あいまい・多義性症候群
情報コスト高症候群
俯瞰不全症候群
抱え込み症候群
中央集権症候群

予防のためのお勧め図書

あいまいな会話はなぜ成立するのか
自分が相手に伝えたつもりのことが、相手には自分の思うようには伝わっていなかった。期待するのとは異なる受けとめ方をされたということがあります。逆にハッキリ言っていないけどちゃんと伝わっていることもあります。そうしたあいまいだけど成立するコミュニケーションは便利である一方、危険も孕んでいます。

ファシリテーター完全教本: 最強のプロが教える理論・技術・実践のすべて
メンバーがお互いに能力を高めあう相互学習モデルをベースに、メンバーごとに異なる認識や意見を「可能性」として活かすファシリテーションの基礎を学べる一冊。ファシリテーターとグループと間で交わす心理的な契約を結ぶ方法、リーダーとグループ、グループ間の対立に巻き込まれない方法なども参考になります。

ブリーフセラピーの再創造―願いを語る個人コンサルテーション
ブリーフセラピーが採る「解決志向アプローチ」とは、クライアントにとって「何がどうなったら一番良い状態、解決と言えるのか?」ということを質問し、クライアントとセラピストの間で共有するもの。そのクライアントの願いを対話によって導き出していく技法を学べます。

誤解のメカニズムを、単純明快なモデルで説明してくれる

自分の真意を言語化して別の人物に伝えた後、伝えられた人物が伝えた人物の真意を見解として解釈するコミュニケーションモデル「IMV」を用いて、誤解のメカニズムを説明してくれます。自分が常に正しく発信しているという思い込みを戒めてくれつつ、誤解を防ぐ情報の発信と受信方法を学ぶことができます。

その他の問題症候群はこちらからご覧ください。


未知なる目標に向かっていくプロジェクトを、興して、進めて、振り返っていく力を、子どもと大人に養うべく活動しています。プ譜を使ったワークショップ情報やプロジェクトについてのよもやま話を書いていきます。よろしくお願いします。