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フォロワーシップ不全症候群

症状

メンバーやサブマネージャーが自分で決められない。一々相談がくる
メンバーが主体的・自律的に思考・発言・行動できない

症状の概要と症状が招く結果

フォロワーシップ不全症候群は中央集権症候群と相互作用するものであり、中央集権症候群の結果でもあります。「メンバーやサブマネージャーが自分で決められない。一々相談がくる」というのは、決めさせていない、一々相談させているからです。「メンバーが主体的・自律的に思考・発言・行動できない」のは、そうさせていないからです。メンバーの提案をろくに聞かず却下したり、報告を過度に疑ったり、話の途中で遮ったり、マネージャー・リーダーのふるまいは容易に参加したメンバーの士気を低下させます。対話の量は減り、提案・意見をしていたメンバーはそのうち何も言ってこなくなります。こうした問題改善のために、メンバーへの「問いかけ・質問」を用いるという方法がありますが、問いかけのつもりが押しつけや指示になっていたり、自分の言わせたいことを言わせるための質問になってしまっていることがあります。
一方で、メンバー自身が望んでいないプロジェクトに参加させられたことで、そもそもの士気が低いという問題もあります。また、プロジェクト参加前の仕事経験から、何をすればいいかは上が提示してくれるものと思いこんでいるメンバーもいます。

問題の全体像

フォロワーシップ不全症候群

本症候群が原因となって発生・強化される症状、症候群

中央集権症候群

原因

抱え込み症候群
中央集権症候群群

予防のためのお勧め図書

教育心理学概論
ルーチンワークは「教えられた通り正確に繰り返す」ことが一番大事なため、マネージャーが教えた通りにメンバーがその仕事を黙々とこなせば仕事は済みます。しかし未知のプロジェクトでは、メンバーの創意工夫、主体的な参加が求められます。本書ではそれらを引出す方法や「自主的に学ぶようになる仕組」みなどを学ぶことができます。

問いかける技術――確かな人間関係と優れた組織をつくる
マネージャーがメンバーに話す量が多くなっているとき、それはフォロワーシップ不全症候群の兆候です。メンバーの話をよく「聞く」だけでは主体的な参加は促しません。「謙虚に問いかける」ことで、メンバーと信頼関係を築き、メンバーが自ら考え、行動することを促すことができます。
そのための問いかけの技術が学べます。

センスメーキング イン オーガニゼーションズ
人材育成力の高いマネージャーは、メンバーにプロジェクトの目標が持つ意味を理解させ、メンバーの意見を尊重した上で、メンバーが自分で考え、自分の力で仕事を完遂することを促しています。この要因の一つが「センスメイキング(意味形成)」です。本書では組織のメンバーやステークホルダーが納得のいく答えを導き出し、意味づけして、行動させるまでのプロセスを学べます。

その他の問題症候群はこちらからご覧ください。


未知なる目標に向かっていくプロジェクトを、興して、進めて、振り返っていく力を、子どもと大人に養うべく活動しています。プ譜を使ったワークショップ情報やプロジェクトについてのよもやま話を書いていきます。よろしくお願いします。