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抱え込み症候群

症状

何でも自分で決めねばと思ってしまう
相談できない、できる人がいない
自分でやった方が早い。メンバーに任せられないと思ってしまう

症状の概要と症状が招く結果

プロジェクトは他者との共同作業です。他者の存在なくしてプロジェクトを進めることはできません。しかし、「何でも自分で決めようとする」ことは、検討と意思決定に要する時間を増やしてしまいます。その間、メンバーは時間を浪費する他ありません。「自分でやった方が早い」「メンバーがやれそうなところまで自分で作業する」ことも同様です。マネージャー・リーダーとして「わからないことがあってはいけない」「答えを知っていないといけない」と考えるあまり、自分で勉強することは大事ですが、目先の速さや正確性にとらわれて、結果的にプロジェクト全体の生産性を自分自身が下げてしまいます。

問題の全体像

抱え込み症候群

本症候群が原因となって発生・強化される症状、症候群

中央集権症候群
コミュニケーション不全症候群
フォロワーシップ不全症候群

原因

プロジェクトマネジメント経験不足
マネージャーやリーダーは、的確な指示をメンバーに与え、遭遇する問題を解決し、率先垂範してプロジェクトを引っ張っていく存在という、滅多にお目にかかるこのない理想像にとらわれている

予防のためのお勧め図書

「無知」の技法NotKnowing
知識が多ければ多いほど、経験を積めば積むほど失敗はなくなるはずですが、知識が多いほど、変化や未知のものの受け入れが遅れ、既知のものへ執着し、盲信します。知らない、わからないことはむしろ可能性に満ちていると本書は説きます。抱え込むこもうとすることへの不安も解きほぐしてくる一冊です。

たった一つを変えるだけ: クラスも教師も自立する「質問づくり」
従来の「生徒の空っぽの頭に知識を教え込む」教育観ではなく、生徒が質問を自らつくり出せるよう教師が導いていく方法論をまとめた書籍です。正答とマニュアルがないプロジェクトでは「質問する力」が重要ですが、教えたい・教えなければいけない教師観を手放さない限り、自分自身とメンバーの質問力は伸びません。

宇宙兄弟 「完璧なリーダー」は、もういらない。
「リーダーたるもの優秀なければならない」という呪縛に苦しんでいる人にお勧め。率先垂範で完璧なリーダー観から自由になり、支援的・促進的に他者と関わることでプロジェクトを進めていく方法を、宇宙兄弟の主人公ムッタのセリフやエピソードを用いてわかりやすく解説してくれます。

その他の問題症候群はこちらからご覧ください。


未知なる目標に向かっていくプロジェクトを、興して、進めて、振り返っていく力を、子どもと大人に養うべく活動しています。プ譜を使ったワークショップ情報やプロジェクトについてのよもやま話を書いていきます。よろしくお願いします。