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プロジェクトマネジメント経験不足

症状

完璧な計画を立てなければいけないと思い込んでいる
必要な作業を全て出せているか不安
どの手段を採用すれば、何から、どの程度までやればいいかわからない
タスクのスケジュールへの落とし込み方がわからない
メンバーからの課題・悩みにアドバイスができない
自分より経験・知識のある人にどう動いてもらえばいいかわからない

症状の概要と症状が招く結果

プロジェクトを任された身と一(いち)メンバーとの大きな違いは、情報を解釈・表現・処理するための認知能力の種類や量・負荷が決定的に異なることです。メンバー時代は管理・限定された部分の情報だけを渡されることで、安心してその作業に集中することができました。しかし、プロジェクトマネージャー・リーダーはそうした部分の情報をすべて把握し、必要な人に、必要なタイミングで、必要なサイズで渡していかなければなりません。扱う情報がメンバー時代から飛躍的に増えることで、必要な作業をすべて出せているか?何を、どれから、どうやればいいか?どのくらいの時間がかかるか?といったことに不安を覚えてしまうのは当然のことです。自分も会社も経験したことのないプロジェクトであれば、メンバーに「こうすれば間違いない」と教えることもできません。でも、未知のプロジェクトであればそれは当然のことです。経験不足は実は問題ではありません。まずはそれを受け容れることから始めましょう。

問題の全体像

プロジェクトマネジメント経験不足

随伴症状

時間・お金の見積りが甘い
筋のいい仮説を立てられない。豊かな選択肢を出せない
最初の計画・指標・手段に固執してしまう

本症候群が原因となって発生・強化される症状、症候群

抱え込み症候群
中央集権症候群

原因

メンバー時代に自分の仕事のことしか考えていなかった(考えさせてもらえなかった)
ルーティンワークにしか従事していない

予防のためのお勧め図書

「学び」の構造
未知のプロジェクトでは、誰もその問題の解き方を教えてくれません。解くためには常に問い続ける人間でいなければなりません。使えそうな事例やツールに飛びつかず、前提・当たり前・意味・関連を問いながら、自分のプロジェクトの真の目的や取り組むべき問題、問題が何で構成されているのかを「わかる」ための心構えと方法が書かれています。

問題解決の心理学―人間の時代への発想
プロジェクトで与えられた目標を達成するために、どこかに絶対不変の進め方や作法があると思いがちですが、本書では人によって目標を達成するためのイメージは変わり、イメージをどう描くかによって進め方も変わるということを説いています。そこから、目標という問題を解くための推論規則のあてはめ方、探索の方法などを知ることができます。

決定学の法則
決定には迷いがつきもので、迷いを完全になくすことはできませんが、学習・訓練・経験によって減らすことはできます。そのための17の法則と、事例を用いた決断の過程の解説などを学ぶことができます。また、意思決定の過程を可視化して失敗を防ぐ方法もあり、俯瞰不全症候群や情報コスト高症候群にも効きます。

国語をめぐる冒険
他者から与えられたプロジェクトは、それがどうなっていたら成功か?という定義もなく、進め方のイメージも不確かです。そうした「わからない」ものを、自分の持っている言葉で表現することが、プロジェクトを進めるための第一歩です。国語と言葉という私たちが幼い頃から日常的に用いている道具を通して、プロジェクトを進めるための勇気が湧いてくる一冊です。

その他の問題症候群はこちらからご覧ください。


未知なる目標に向かっていくプロジェクトを、興して、進めて、振り返っていく力を、子どもと大人に養うべく活動しています。プ譜を使ったワークショップ情報やプロジェクトについてのよもやま話を書いていきます。よろしくお願いします。