こどもになる900話:やさしい手術

まるごとスウィートポテト作り
目の前の紅はるかに向かって
彼はやさしく言った。

「手術しましょうね」

サツマイモの中心を上から下へ
ゆっくりそっと慎重にサツマイモを切る。

「…心臓、ありませんねぇ」🤭

料理が手術になると
人とのコミュニケーションが難しいと
ジャッジされちゃう彼が
医師のように見えます。
口調も作業も天才です。

ごっこあそびには「こう在りたい」
こどもの願いがあるように思うのです。
ばかにしないで大人たちは
そのこどもたちの表現に寄り添ってみる。
どんどん自分で考えうごきだします！

大きなバターを少し切って
紅はるかに塗ります。

「バターはスケート場みたいだね」

彼は、目の前の患者さんに
やさしく語りかけながら作業を続けます。
なんてやさしい表現。

最後のゴマのトッピング
私もとっても楽しくて
「おヘソのゴマみたいですねぇ」って伝えてみたら「そうかなぁ…」って🤭

大人が思う表現とその子が思う表現は
ちがってていいんやね。
こちらが思う答えじゃない時
その考えをおしつけてたら気持ちよくないね。そんな当たり前のこと。

私は、いつもこどもたちに教えられます。
手術した患者さんをニコニコで食べ
半分は「お母さんに食べてほしい」と
一緒におうちへ連れて帰りました。

迎えにこられたお母さんは
様子を伝えるとニコニコニコニコ…

こどもたちの表現は
不安を安心に変えてくれます。
この日、はじめて、お母さん離れても
一人でル・クッカーに参加できた彼。
お母さんは、ちょっと疲れてるから
コーヒー飲んで迎えにくるよって教えてくれた彼は、やさしい手術で。

不安な時間を自ら安心に変えました。
愛おしくやさしい空気。
空気が読めないとジャッジされがちなこどもたちが「空気をつくってくれる」
私は本当にこのフィールドが大好きです。

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