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子どもの将来を左右するEmotional Intelligenceとは?

Kodomo Edu International School 代表の上田佳美です。
Kodomo Eduは、レッジョ・アプローチにインスパイアを受けた中目黒拠点のインターナショナル・スクールです。

前回のこちら↓の記事「メンタルの強い子の育て方〜結果や人の評価に左右されないメンタルを作る〜」は、子育てに真剣に取り組む周囲のママ友からとても好評でした。

この記事に出てきた「Emotional Intelligence」というキーワード。何となく分かるけど、具体的にどうゆう能力なのかあまり分かっていない、という方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、これからの子ども達に非常に大事な力「Emotional Intelligence」についてご紹介します。

世界の教育業界でも注目の「Emotional Intelligence」とは?

Emotional Intelligenceは、私たち日本人も聞き覚えのある「EQ」とほぼ同義語です。「EQ」と言えば、1996年に出版された、ダニエル・ゴードマンの著書「EQ~こころの知能指数」が、記憶にある方もいたのではないでしょうか?この本は、全世界で500万部、日本でも80万部の販売部数を記録する大ベストセラーとなりました。

「EQ」とは、自分や他人の感情を理解し、感情をうまくコントロールしながらより良好な人間関係を築く能力です。また、EQはIQ(知能指数)と違って、習得したり訓練によって高めていくことができるのも特徴です。

でも「EQ」が話題になったのも25年前。四半世紀も前なんですね。それがなぜ、また今になって注目されているのでしょうか?それは、AIに様々な仕事が代替えされる中、人間だからこそできる仕事を突き詰めていくと、Emotional Intelligenceという能力が「人間だからこそできる仕事」をするために必要な力と認識されるようになったからです。

Emotional Intelligenceを身につけるための4つの要素

それでは、Emotional Intelligenceを身につけるためには、どうしたら良いのでしょうか?

① 自分の感情を理解する(self-awareness)

まず大事なのは、自分の感情に気付いて理解することです。今「うれしい」のか?「悲しい」のか?「いらいら」するのか?「怖い」のか?

感情を識別したら、次にやることは、「なぜそのような感情になったのか?」。その感情を引き起こした原因を突き詰めるのですね。ここをいかに正しく分析できるかで、その次のステップが変わっていくので、とても大事なスタートです。特に自分の感情を正確に言語化できない子ども達には、大人の適切なサポートが不可欠です。 (大人の上手なサポートの事例はこちら→)

② 自分の感情をコントロールする(self-regulation)

感情を理解し、その原因を突き止めたら、その感情(特にネガテイブな感情)をコントロールします。大人ですら、時には感情をあらわにしてしまい後悔することもありますよね。子どもにとっては最初は感情をコントロールできないのは当たり前。それを少しづつ、感情の原因突き止め、それに対して上手に対応していくことで感情をコントロールすることができます。これも大人の上手なサポートがあればあるほど、子どももしっかり感情をコントロールすることができます。

③ 他者の気持ちを理解する(social awareness)

今目の前の人がどいういう気持ちになっているか?それを理解することです。比較的に日本人は得意なスキルだと思いますが、子どもは友達とけんかしたりして経験を積み重ねながら少しづつ理解していきます。

④ 他者と関係を構築していく(relationship building)

自分の感情を理解し、他者の気持ちも理解すると、その次のステップは、どうやってその気持ちと上手に付き合いながら、他者との関係を構築していくか。理想の関係は、助け合い、良い意味で刺激し合い、切磋琢磨して何か良いものを共に生み出していく関係。自分の感情を上手にコントロールしながら、そのような関係を築いていくんですね。

人間関係の衝突は悪いことではない

ここで、意識していただきたいのは、「人間関係のConflict(衝突)は、悪いことではない。」ということ。大人でさえ、他者と小さくても衝突したりすることで人間関係について学んでいます。子ども達も、お友達とぶつかったりしながら、感情のコントロールの仕方や他者の気持ちを学んでいます。

決してやってはいけないのは、常に衝突を避けて常に自分の感情や考えを抑えること。(「かーして」「いーよ」のやり取りが子どもの将来に悪影響を及ぼす理由はこちらの記事→で書きました。)そうではなく、自分の感情、他人の感情を理解した上で、他者と対話を通して問題を解決していくことが大事なんですね。

次回は、KodomoEduで実践している「子どものためのEmotioanl Intelligenceの身につけ方」についてお話しします。

上田 佳美

#レッジョエミリア #インターナショナルスクール #幼児教育 #多様性 #教育 #育児 #子育て



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