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すべてのビジネスパーソンは「会社の歯車」になりなさい

そもそも「歯車」になるのは難しい

「歯車」と聞くと、悪いイメージを抱くかもしれません。

替えのきく存在。使い捨ての駒。

「歯車になんてなりたくない」と反射的に思った人も多いでしょう。

ただーー、

「なりたくない」どころか、そもそも組織の中で「歯車」になるのは難しいことなのです。

世の中には「歯車」になれていない人は、たくさんいます。ずっと噛み合わず、上滑ってしまうような人。組織の中でうまく機能していない人です。

どんな組織においても、まずは「歯車」としてガチっとハマることができない限り、ビジネスパーソンとしては機能していないのと同じです。

すべてのビジネスパーソンは歯車を目指さないといけない、と僕が言うのはこういうことです。

フリーランスも社会の「歯車」

会社の歯車になることを拒否して、フリーランスになったとしましょう。これで歯車にならなくてすむのでしょうか?

違います。

今度は、より大きな「社会」の中での歯車にならないといけないのです。社会の歯車としてがっちりハマって機能しないと、ご飯を食べていけなくなります。

組織の中にいれば、多少空回っていても許されます。でもフリーランスになったら社会に適合する「強固な歯車」にならないと収入を得られない。

その点、会社員よりもさらに難易度が高い、と言えるかもしれません。

フリーランスになれば、「歯車として機能する場所」を自分で選べるので、そこにうまくハマれば収益が得られます。でももしハマらなかったら、それをチューニングしてくれるようなリーダーや上司はいません。

「フリーになったら自由に働けるし、うまくいく」と思っている若い人もいるかもしれませんが、会社員であってもフリーランスであっても、機能する歯車になって社会を回すことに貢献できなければ、存在する意味がなくなってしまいます。

単体で見てどんなに素晴らしい歯車でも、それだけでは意味がないのです。

替えのきかない存在……になってはいけない

SNSの影響もあるのでしょうか。

「自分」というものがすごく大きくなっているように感じます。特に若い世代の人たちは「替えのきかない存在にならなければいけない」といったことをすごく考えていたりします。

もちろんそれを否定はしませんが、ただ仮に個性を発揮して特徴ある歯車になったとしても、それがハマる場所がないと生きていけないのも事実です。

もしそういう場所がなければ、個性も単なる「独りよがり」になってしまう。そのへんを吐き違えている人は多いのかもしれません。

「替えのきかない存在になる」というのは自尊心がくすぐられる言葉ですが、一方で誰からも必要とされない存在になるリスクも内包しています。

「俺は他の人とまったく違うんだ!」と豪語しても、それがまわりのニーズにまったく合っていなければ、それはもう誰からも必要とされていない可能性がある。

単体で見たらものすごく輝いていたとしても、どこにもハマらない歯車では意味がない。必ずどこかにはハマらないといけない。

それが「社会」というものなのです。

「管理できない領域」を作ってはいけない

会社側から見ても「替えのきかない存在」を作るのはよくないことです。

もちろん「その人がいなくなったときに組織が回らなくなる」という意味でもよくありません。

でもいちばん問題なのは「管理できない領域ができてしまう」ことです。つまり組織の中に「属人的スペース」ができてしまう。管理できない部分ができてしまうのは、組織にとってマイナスです。

替えのきかない人材を置き続けることは「歯車がどう動いているか」を組織が把握できなくなることと同じ。それでうまくいっているうちはいいかもしれませんが、ともすると組織に貢献しない領域が増えていくことにもなる。

少人数の会社や創業まもない会社は「替えのきかない存在」に頼ってしまうことも多いでしょう。でも、組織が大きくなっていく過程でそれを「仕組み」に落とし込んでいく必要があります。

そういった「仕組み化」を会社が小さいうちからやっておかないと会社は大きくなっていきません。誰がそのポジションについてもいいようにしておかないと、成果を量産できないのです。

「〇〇さんがいる会社」では弱い

たとえばキャバクラやホストクラブは、働いている人のセンスや人間性に依存しているように見えます。それでも組織としてちゃんと成り立っているから、仕組み化はいらないのでは? と思うかもしれません。

でも、それは違います。

うまくいっているお店は、組織としての基準を上げているのです。

当然、採用の基準は高いでしょうし、接客のルールも決められている。かつ、そのルールの質も高いはずです。だから組織のルールに沿って仕事をするだけで価値が出せるようになっているのです。

「箱」が「個人」に勝っていないと組織として大きくなりません。

「〇〇さんがいる会社」になってしまうと、組織としては弱い。個人ではなく組織の力を上げていくことが大切なのです。「〇〇さんの会社」ではなく「この会社の従業員なんだから間違いない」と言われないといけない。

つねづね、社名より先に個人が目立つのはよくないと言っていますが、これが理由なのです。

「組織が歯車に合わせる」はNG

あくまで、組織に合わせて歯車があるのが正解です。

よく「歯車に合わせている組織」を見ますが、それではダメなのです。

歯車になるということは「集合体に必要とされる存在」になるということです。もし組織が歯車に合わせてしまうと、歯車は「組織側が自分に合わせてくれるんだ」と思ってしまう。

すると、その組織ではなんとか働けたとしても、他の場所では通用しなくなってしまいます。

育成側の視点で言うと、どんな組織にいっても「歯車」として活躍できる人材を生み出すことが重要です。

もし社員が「組織が合わせてくれないと機能しない歯車」になってしまうと、他の集団に行ったときに機能しなくなってしまう。そういう歯車を作ってはいけないのです。

ベンチャーの歯車、大企業の歯車

伸びないベンチャー企業は、全部の歯車を活かさなければいけないのに、1人1人に合わせようとしてしまっていたりします。

うまくいくベンチャー企業は「こういう歯車を必要としています」と経営側がきちんと示しています。社員に対しても「いま、組織にこの部分が足りないから、こういう形になってくれないかな?」と示すことができる。そうすれば、社員が組織にガチッとハマることができるはずです。

大企業はどうでしょうか?

大企業は部署が多いぶん、社内で「どういう歯車になるか?」を選ぶことができると言えます。広報が合わなければ営業に行く、といったことができる。その点、働く人の選択肢は多いのかもしれません。

ただ、今の大企業は、どちらかというと「歯車になれない人」をたくさん抱えてしまっている状況です。会社側が歯車に合わせてしまっているのです。

5個中1個でも歯車が機能していればいい。残り4個の歯車は、噛み合わずに勝手に回っている。そういう状態はよくありません。

極端な言い方かもしれませんが、大企業の中で活躍するということは、その「5個中1個の歯車になる」ということです。そうやって噛み合って、どんどん出世していくのが大企業の仕組みなのです。

仕組みが無機質だからこそ、涙できる

ここまで歯車、歯車と連呼してきましたが、

「歯車になれ」というのは「機械になれ」という意味ではありません。「組織、ひいては社会に貢献する存在になりましょう」ということです。

当然、感情を捨てなさいと言っているわけでもありません。

むしろちゃんと仕組みを作って、その中で歯車として働くからこそ、感情が動くのです。

うちの会社では、表彰式で泣いたりする人もたくさんいます。そうやって社員の感情が出ることと識学の考え方は矛盾しているわけではありません。

仕組みが無機質だからこそ、涙するということなんです。

これは、甲子園やオリンピックと同じです。仕組み、つまり、ルールや基準が明確で無機質だからこそ涙できるわけです。

甲子園のルールが曖昧だったら、泣けません。審判が曖昧だったら、負けたときも「あの審判ムカつくよね」となってしまう。勝ったとしても、後ろめたさが残ってしまうでしょう。

組織側は「仕組み」を作る。働く側は「歯車」となる。

そういう無機質な環境だからこそ、感情が動き、人間らしく働くことができると思っています。

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