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宇多田ヒカルの言葉

ヒカルさんの歌を聴いて、涙が止まらなくなったことがあります。
彼女は、他の誰でもない「自分」を歌っているのに、その歌詞に「私」が自然と重なる、不思議な感覚。いつのまにか涙が止まらず、気を紛らわすのに精一杯。きっと、私が重ね合わせたのは、ヒカルさんのそれとは全然違う体験なんだろうけど、ひとつひとつの言葉によって、自分の気持ちを目に見えるモノとして、ドーンと突き出されたような、そしてそれを「見つけた」ような感覚に陥ったのです。

それからというものの、ヒカルさんの歌をBGMにするときは、細心の注意を要するようになりました。「気持ちが前向きで、天気が良くて、色んなことで頭が一杯のとき」には聴いてもよいが、「ちょっと落ち込んでいて、雨が降っていて、頭が空っぽで考える余裕があるとき」には決して聴いてはならない。そんなマイルールを作り、不意にヒカルさんの言葉に遭遇しないように気をつけています(私のメンタルの弱さよ…!)。

そんな私ですが、ずっと積んでいた「宇多田ヒカルの言葉」を読了致しました。
この本は、デビューから、2017年までのヒカルさんの詩を、本にしたもの。途中、吉本ばななさん、最果タヒさん、SKY-HIさん、糸井重里さんなど著名人からの寄稿も挟みながら(これがまた最高でした)、ヒカルさんの詩そのものに向き合い、彼女の人生と共に変化する言葉を味わえる、そんな一冊になっております。

響いた言葉に付箋をつけながら

ヒカルさんの曲を聴くのに制限を設けている私が、涙なしに読み切れるはずがありません…
もちろん、大号泣。ファンデーションぐちゃぐちゃ。でも本当に読んでよかった。自分を守ってくれるような、バイブルのような、常に携帯していたい宝物になりました。

そして、すぐにインスピレーションを受けて、大切な方に手紙をしたためました。
本を読んで手紙を書きたい衝動に駆られたのは、これが二度目(こういう人、ほかにもいるのかな?わたしだけ?!本以外に、ミスチルの曲からインスピレーションを受けて手紙を書いたこともある)。一度目は蓮見圭一さんの「水曜の朝、午前三時」を読んだ時でした。カッコつけた手紙を書いた記憶。今回は、真っ直ぐな手紙になったはず。

言葉がないと伝えられないけど、言葉じゃ伝えきれないもどかしさ。
またヒカルさんが好きになりました。

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