人生の目的とお金の物語

お金は生きていくために必要なものですが、その扱い方を間違えると奴隷が王様に、王様が奴隷にひっくり返る予期せぬ革命が起こってしまいます。

大きな池に、いつも決まった時間に昼寝をする漁師がいました。彼はほどほどに仕事をすると決まってボートに揺られながら、魚たちのことを想像して眠りに落ちるのでした。

すると、そこに白いひげのお客が訪ねてきた。「きみが噂の漁師かね？少し魚を売って欲しい」

ハンモックの様に揺れるボートの上から「お代はその辺において好きなだけ持ってってくれ」漁師はそう言うと再び、昼寝を始めました。

数日後、また同じ客が訪ねて来た。漁師は本を読んでいる。「この前の魚は、すこぶる好評だったよ！もっと魚を売って欲しい」漁師はそ知らぬ素振りで「またあんたか。好きなだけ持ってくと良いよ」

客は水槽の魚を全て持ち出すと、金を置いて帰っていった。

また数日もすると同じ客が買いに来た。漁師は綺麗に沈む夕日を眺めている。

「ちょっと漁師さん、これじゃ魚が足りないよ。なぜもっと漁に出ないんだ？」

「出たらどうなるの？」

「そりゃ、魚が沢山取れて、もっとお金を稼げる」

「それで？」

「そのお金で大きな船を買って、海にだっていける。すると、より多くの魚が捕れるから、人も雇って船も買える。そしたら、私みたいな金持ちになれる」

「それで、どうするの？」

「そうなれば君は自由だ。なんでも人生で楽しむことが出来る」

「ふっ、お客さん。私がいま何をしてるように見えますか？」

いくら大富豪でも健康、教養、時間だけは買うことが出来ません。人の作り出した仕組みに人が振り回されるようになれば、生きる目的は必要ありません。それもひとつの生き方です。
しかし、自由だけは目的が必要です。

🎥動画でおさらいはYouTubeチャンネルも覗いてみて↑↑

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