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砂糖と酒と時々みりん #1

数ある"甘味"をもたらす調味料の中で家庭料理でいちばん使う調味料の代表選手たち。
そんな3選手の起用法?のお話です。

「筑前煮」、「肉じゃが」などの煮物でこのすべてを使うなら…

先発が「砂糖」、中継ぎが「酒」、抑えが「みりん」といったところでしょうか。

砂糖は"味なじみ"が遅い調味料

まず最初に、アルコール分がないのが砂糖。
ゆえに非加熱調理にも向くのですが、ここに大きな落とし穴…。
砂糖はなにより分子が大きいので甘さが浮きます

「甘さが浮く」とは、料理やタレを口にした際、甘さだけがわかりやすく感じ、砂糖!醤油!といったようにバラバラな味、といったイメージ。

これを理解して月日で解決しているのがお蕎麦屋さんの"かえし"です(尊敬)。

砂糖はなにより"味なじみ"が遅い調味料なのです。

そのため煮物で投入するなら真っ先に砂糖
逆に最後の味の調整で加えてしまうと、甘みと塩味がバラバラなチグハグした煮物になってしまいます。

砂糖を使う際のポイント

一般的には「上白糖」、「きび糖」、「三温糖」あたりがよく使われているはず。
時には「グラニュー糖」も料理によっては前向きな効果をもたらしますが、これはプロ向き(「焼き肉のタレ」、「ガリ」など作る際はおすすめ)。

砂糖の種類の話はまた別でするとして、使う際のポイントは何より「早めの投入」「液体に溶かして使う」こと!

安価で使い勝手がいいのが特長ですが、砂糖の種類によっては単調な甘みになったり、食材の甘さを消す恐れもあるため、使い方にはやはり注意が必要です。

炒め物の合わせダレに入れる際、レシピ通りに作ったのに甘さが浮いている…と思ったことが僕はあります。

そんなときは、以下の対応をおすすめします。

  • 砂糖の一部を「はちみつ」や、「メープルシロップ」に置き替える(全量だと樹液のクセが…)

  • よく混ぜる、温めるなどして、砂糖を溶かしきる

  • 「お酢」を少量入れて相殺する

  • 辛味や香りのあるスパイスで複雑みをもたせる

  • 単純に量を減らす(笑)

砂糖の最大の長所

最後に、砂糖の最大の長所です。

甘さがシンプルなため、素材を活かした心地よい甘味を表現できる。

特に野菜(「かぼちゃ」や「里芋」)を使った煮物や「ひじき」、「切り干し大根」など、食材自体に旨味や個性のある食材には向いていて、適量を使うことで心地よく個性を引き上げてくれる、純粋無垢な甘みの代表選手と言えるでしょう。

まさにストレートを軸に秋田や甲子園に旋風を巻き起こした、次期日本ハムファイターズのエース、吉田輝星投手のような存在です!


次回はお酒の話に続きます…!

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