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この期に及んで営業する意義

今日もまた、近所の飲食店が休業に入りました。一軒、また一軒とそんなお店が増えてきていて、街はさみしくなる一方です。

もうこれは、あの宣言が出される前からなんですけど「私たち、営業してていいのかなぁ。お客さまを迎え入れて、いいんだろうか」っていう気持ちが、ずっと頭の中をよぎっていました。

ただ、いろんなところでさんざん言われているとおり、補償がなければなかなか休むことはできません。家賃も払わなきゃいけないし、今年は移転も予定しているし。日銭を少しでも多く稼がなければなりません。

どこか、罪悪感みたいな気持ちをもちながら店内営業をしていたのは、事実です。


そんな中、ここ数日間でしょうか。あぁ、やっぱり出前だけじゃなくって、お店も営業してなきゃだめだなって思わされています。この期に及んでも営業することの意義を、私たち夫婦は見出しはじめているのです。


実はこのところ、平日の夜や、土日なら昼も夜も、おひとりさまの男性の姿が目立ちます。

聞ける人にだけ聞いてみたんですけど、リモートワークで一日中家でひとりだとか、仕事が早く終わっても家には話し相手がいない、家族はいるけど居場所がない、そろそろやることがなくなってきた、などという理由から、気晴らしも兼ねて来てくださってるみたいです(現在は席を間引き、お店での滞在時間を制限しています)。

世間では、やれNetflixだ、やれオンライン飲み会だなんて言ってます。けど、お年を召した方なんかはパソコンやスマホなんて持ってなくて、テレビや新聞だけで暇をつぶすには、限界があるみたいです。あるいはみんながみんな、わざわざオンライン上に来てまで飲むような友だちがいるわけでもありません。

見ると、すごくストレスがたまっているような人もいるし、しょんぼり、元気がない人も。いつもは口の悪いおじさまも、昨日は「店、大丈夫なのか?」とこちらを気遣ってくれる様子を見せてくれたり。逆に心配になってしまいました。みんな、つらいんですね……。


よく、夫に先立たれた妻は元気になるが、妻に先立たれた夫は弱くなる、みたいな話があります。パートナーに先立たれたあと何年生きたかっていう統計でも、圧倒的に男性の方が短いそうです。男性って、なんだかんだで孤独に弱い生き物のようです。

ですので、もし、うちに来てくれている独り身のお客さまがみな家に引きこもったりしたら、アルコールやゲーム依存症など、何かしら精神的に「きて」しまう人も出てくるんじゃないかと、思ってしまいました。

そう考えると、対面で話のできるお店をやる意味は、こんな時期だからこそと言ってもいい、あるんだろうなと。ただただひとりでいるしかない、そういう人たちにとっては、大事なセラピーの役割を果たせるのかな?と思ったりしているのです。

そしてなにより、自分たち自身、お客さまの役に立てていると実感できることがまた、日々の心の安定に繋がるような気もしています。 


仕事をするって、ただ単に自分たちがご飯を食べられればいいというわけではないということを、あらためて感じます。そこに、社会的意義や、世の中への貢献があって初めて、価値のある仕事である、と言えるのでしょう。

こじつけ、言い訳といわれるかもしれませんが、こうでも思わないとやってられなぁというのが、今の心境です。


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追記です。

つい数日前に「しばらくあの話はしない」って書いたばかりなのに、早々とアップしてしまいました。

ついでなのでもうひとつ言いたいんですけど、とくにおじさまたちですね。まだまだ感染予防への意識が足りてません。

マスクを家に忘れてくる、アルコール消毒をスルー、食べている最中に大声で話しかけてくる。

注意すると「世知辛いな〜」みたいな顔をする!(怒)


こういうところ、ちゃんとしてくれないと、やっぱり危ないからダメだ、営業してらんないな、ってことになってしまいます。心当たりのある方、よろしくお願いします。


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