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農福連携に取り組むー農福連携技術支援者の資格取得ー

前回までのお話しでは、こびと農園で取り組んでいる農福連携についてご紹介となりましたが
今回は、農福連携に取り組むにあたって、自身の知識を深めるべく
農福連携技術支援者の資格を取得したお話しです。
ご興味ある方はぜひ読んでいただければ参考になるかと思います。


農福連携技術支援者の資格とは

農福連携技術支援者とは、農林水産省が認定している資格であり国家資格ではありません。
農福連携の現場で、農福連携を実践する手法を具体的に助言・指導できる専門人材を育成するための研修会になります。
いわゆる福祉事業所と農家の手助けをする立場になります。
マッチングやコーディネートをする資格ではありません。

年に一度の募集となり、年2期の日程が組まれています。
各回20名程度の定員となっており
対象は全国で農業関係者や福祉関係者が応募可能となっています。

https://www.maff.go.jp/j/press/nousin/kouryu/230510.html

書類選考を通過した者が受講可能となるわけですが
とにかく倍率が高く、私も1年目は落選しました。
どうしても取得したい資格であったため2年目も応募し無事に通過し受けることができました。

受講希望者が多いこともあり、別途都道府県ごとに開催する場所もありました。

ちょうどコロナ禍ということもあってかオンラインと実地研修の2本立てで
オンライン研修で3日分、実地研修で4日の約7日程度のカリキュラムとなっています。
オンライン講習はレポートを作成し提出する必要があり
実地研修では最終講習日にテストがあり通過しなければなりません。

実地研修は茨城県水戸市にある農林水産省の研修施設で行われ
泊りがけで4日間のカリキュラムを受講しました。
開催時期が7~9月の一番忙しい時期でもあり
正直、畑仕事を犠牲にしなければならず後ろ髪を引かれる思いでしたが
思い切って受講してよかったと思っています。

どんな研修なのか

まず一番驚いたことは、参加者が福祉関係者が圧倒的多数ということです。
農家は私一人しかおらず、行政関係、農協関係、福祉作業所、病院関係など
大きい組織から派遣してこられた方もいらっしゃいました。
フリーランスのような方もいらっしゃって、多様な職種の方と交流することができました。

農福連携に取り組む一番の要因は地方の農業界では人手不足と福祉業界では仕事不足ということです。
そのため、福祉施設が農業者から仕事を請け負うことを前提に、
農業の基礎知識や作業工程などを理解し、よりスムーズに作業を請け負える体制をつくりたいと考えている方も多く参加されていました。

講習の内容は農業の基礎知識と障害についての基礎知識を学びます。
オンライン講習で基礎知識を学び前提知識を身に付けます。
そして実地研修で得た知識をもとに現場で作業を行います。
グループワークが中心となり、障害を抱えている方にどうやって作業を指導するか
自ら作業をしながらどのような工程があり、危険な作業があるかなど
皆で意見を出し合いながら考えていきます。
普段農作業をしていても気が付かなかったことや
グループセッションを行うことで新たな見方も身につきました。

そして最終日にオンライン講習と実地研修で学んだことをもとにテストがあります。

合否が出るのは1ヶ月後でしたが無事に合格し農福連携技術支援者に認定されました。
まだ新しい資格のため全国にも保有者が少ないので今後ますます広がっていくことが期待されています。

実際取得してどう変わったか?

私が資格を取得しようと思った理由は
園芸の知識はある程度あるけれど福祉に関する知識はほとんどなく
実際に障害を持たれている方と関わると分からないことも多く感じていたことでした。
また、農福連携を今後広めていきたい思いもあり資格を取得しようと思っていました。
ただ資格を取得したからといって仕事の幅がすぐに広がったり収益につながることはありません。
あくまでこの資格を活かして自分自身の仕事にどう活かしていくか
それぞれが切り開いていく段階にあります。

私も同期のメンバーや先輩方とのつながりのグループに入れていただき
情報交換や今後この資格を活かしてどうやって活動していくかを話しています。

今後、この資格を活かして都内の農福連携の取り組みが広がるように
尽力していきたいと思います。