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新規就農をするには?ー農業に携わる手段を考えるー

新規就農をしてみたい
そこではまず何から考えていけばよいのでしょうか。
農業に携わる手段はいろいろな方法があります。
漠然とどうすればいいのか悩んでいる人は参考にしてみてください。

※あくまで一部の事例紹介ですので、詳細は農林水産省等のHPをご覧ください。


なぜ新規就農をしてみたいのか?

そもそもなぜ農業に携わりたいのか。
自然にふれることが好き?
土に触れることが好き?
家庭菜園が好き?

農業に携わるためには選択肢が色々とあります。
農業法人に就職、新規就農、親元就農、継承就農、嫁入り・婿入り就農 等・・・
どれもメリット、デメリットがあり選ぶにはそれぞれの事情をよく知り
検討する必要があります。

独立をかんがえる前に

まず先に考えなくてはいけないことは収入面です。
独立するとなると事業の運営費+生活費を両方手元に用意しておかなければなりません。
事業の運営費は借りられるとしても生活費は貯金しておかなければいけないため軌道に乗るまでの間、収入が入る手立てを考える必要があります。
技術や知識もままならないまま独立してしまうと苦労することは目に見えるでしょう。
独立を考える前に、経験を積むという意味でも選択肢があることを知っておくのはいいことだと思います。

独立することを前提とするならば、農業法人に就職、研修所に入講、農家でアルバイト などが挙げられます。

●研修所に入講する場合は、生活費の補填として補助金がもらえる場合や研修時間外にアルバイトで稼ぐこともできます。
研修期間は1~2年で設定されているケースが多いため、
本格的に独立することを前提に覚悟が決まっていれば短期決戦で勝負することもいいでしょう。

●農家でアルバイトは、昔は忙しい時期だけパート募集がある程度でしたが
今はリゾート感覚で旅行しながらいろいろな地域の農家でアルバイトをする人も増えているようです。そういったサービスが提供されているくらい注目を集めているようですね。
期間雇用なので、時給(日給)も高いところが多く遊びながら稼ぐ方法もあるようです。
色々な地域での農業経験を積むことができますが、継続的にできるかというと人によると思いますのであくまで参考程度に。

●農業法人では、独立することを前提に研修を兼ねて期間雇用として募集しているところも多くあります。
お給料をいただきながら、技術と知識を学べることは一挙両得ですよね。
また、永年就職も可能な法人もあるので、独立は考えていないけど
サラリーマンとは違う働きをしたいという場合はいいのではないでしょうか。
大手の企業では、社会保険加入や手当が充実したり、寮がある場所もあるようで待遇改善されているところも多くあるようです。
大卒以上の採用という企業もあるため、今や体力仕事だけの時代ではないことが伺えます。
一方で、雇用されると会社を運営するために現場での仕事が中心になるため
幅広いことを学ぼうとすると少し難しい一面もあります。
農業は考え方が奥深くまた多様な技術があるため、独立しようという前提であれば、仕事外でも勉強する必要はありそうです。
また独立の準備と並行しようとすると本来の業務に支障が出てしまうため
理解のある法人なのか、業務時間外の時間の使い方は非常にシビアになってきます。


新規就農(独立)だけがすべてではない

一方で、完全に独立ではないけれど専従する方法もあります。
親元就農、継承就農、嫁入り・婿入り就農など地盤を引き継いで営農する方法です。
共通していることは、土地、作業場、資材、売り先が確保されているということです。
ゼロから用意しなければいけない独立に比べればハードルは少し下がります。

●親元就農は親(三親等)から引き継いで営農していくことを指します。
身内に農家がいなければ難しい話ですが
親だけではなく、祖父母、いとこ など辿っていくと
実は普段はサラリーマンだけど兼業農家というケースもあります。
米農家だった、茶畑を管理していた、果樹畑を保有しているなど
休みの日に管理をして、繁忙期だけ家族総出で作業をしているというパターンもあります。
直接、引き継ぐことができない場合でも従事することはできるため
そこを縁にして就農することも考えられます。
しかし身内だからこそ難しい問題もあるため、あえて親元から離れて就農するケースもあるようです。


●嫁入り・婿入り就農は、その名の通り結婚を機に家業を継ぎ営農していくことを指します。
今は農家の婚活に力を入れているくらい、後継者を探している農家は多くいます。
特に田舎にいけばいくほど需要は高いです(笑)
農家のマッチングアプリがあったり、畑で婚活パーティーが開かれたりと出会いの場は探せばあるので
素敵な男性、女性と共に営農することも夢がありますよね。
あくまで家業を継ぐことが前提となるため、個人のあれをやりたいこれをやりたいが叶うかというとそれは二の次になると思います。
お相手のご家族との信頼関係を築きながら任せてもらえるようになることが一番ではないかと思います。

●第三者継承就農は、後継者がいない農家の後継者に代わり一切を引き継ぐという方法です。
農業版M&Aともいわれています。
土地や機械、販路など一切を引き継ぐため、初期投資や販路開拓が必要なくなるため一見すべり出しは簡単なように思いますが、難しい側面もあります。
後継者への引継ぎも難しいとされる昨今で、赤の他人に資産を引き継ぐということは容易ではありません。
専門家立ち会いのもと、両者の関係性を築きながら徐々に進めていきます。
まだまだ事例が少ない中で、後継者不足の実態は深刻化しているため
今後注目される就農方法の一つになると言われています。

農業に携わる手段は様々な業種がある

農業に携わるのは単に生産者になるだけではなく、
研究者、技術者、種苗会社、開発者、資材メーカー、機械メーカー
技術指導者、経営指導者、教育者 など
本当に多くの選択肢があると思います。
私は最初、農業に携わるには生産者の道しかないと思っていましたが
視野を広げてみると、種や苗の開発、販売、研究
生産技術を向上させるための指導者がいたりと
かかわり方はそれぞれあるのだと知りました。

今ちょっと興味があって何か関わりたいと思ったときに
多くのことを学び、自身の中で選択肢をたくさん持ってもらいたいなと思います。
私自身もっと早く知っていれば、大学で学びたいことも見えてきたでしょうし
農業に関わるアプローチの仕方も変わったと思います。
ここでは触れていませんが、海外まで目を向けると可能性は無限大になります。
ここで挙げた例はほんの一例で、地域によっても考え方やルールなどが異なりますので詳細は自治体にお問い合わせいただくことが確実です。
それぞれの情報を集めるのはなかなか難しいことなので、参考になれば幸いです。

人生何度でもやり直しができるといいますが
少しでも多くの情報、選択肢を知ることでそのリスクを減らすことができるのではないかと思います。
後悔しない選択を自信を持って突き進めるといいですよね。


新規就農するにはどうしたらいいのかシリーズを少しずつ書いていきますので
引き続き読んでいただけたら嬉しいです!

つづく