見出し画像

最新設備の農業を経験!でもやっぱり独立したい!-Ep6-

東京で新規就農した女性のインタビュー記事を頼りに
東京都農業会議に電話。
「東京で農業がやりたいんです!独立したいんです!」
「いや~あなたはお金もないし経験もないから
まずは雇用就農で働いてみたら?」

独立はすぐにはできない。まずは雇用就農から

東京都農業会議では東京都の新規就農希望者の窓口となっており
年間何百人と訪れるのだとか。
私もそのうちの一人で相談をしに行きました。
農業はやりたいけど、でも具体的にどんな品目でどんな農法で
どういうところに売りたいのか。漠然としていました。

東京で新規就農するには最低限2年間の研修が必要なため
まずは、独立するにもお金が必要だから働きなさいと
1件の農業法人と1件の農家を紹介されました。

2件で1週間程度の作業体験をしてみて、
どちらにするか決めることができました。
もっと紹介してほしいとお願いすると断るのが大変だから
どちらかで決めてと言われ選択肢がないのかと思いましたが
後々その意味がよく分かりました。

農業法人は飲食店が経営しており、有機農業で野菜を多品目栽培していました。
農家はミニトマトの養液栽培をしており、他にも果樹やお菓子の加工品、小売店舗を経営していました。
どうせ働くのであれば、今まで経験したことのないところにしようと思い
ミニトマトの養液栽培をしている農家に転職しました。

最新設備の養液栽培。数字。数字。数字…

AIが計算して全自動で動く高設鉄骨ハウス。
時間になると一定の量を灌水できる養液システム。
自動で動く高所作業台車。
初めて見るシステムに感動し、こんな農業があるのだと新しい可能性を目の当たりにしました。

一見、自動でなんでもやってくれるものだと錯覚しがちなのですが
自動でやってくれるからこそ、人間の管理が重要になってくるのです。
気温、湿度、CO2濃度、日射量、灌水量…ほかにも設定しなければいけない項目がたくさんあります。
記録をとり、生育状況を確認し、日々の調整をする。
様々な栽培理論が発表されており、農業の奥深さを知りました。

そして設備に莫大なコストがかかってくるため
収益性を上げなければコスト倒れしてしまいます。
私はパートさんの管理をすることが役目であったのですが
特に人件費に関しては厳しく言われ
毎週毎週一人一人のコスト計算をしては
どうしたら早くなるのか、人件費が抑えられるのかを考えていました。

何を目標に働くのか?やっぱり独立をしたい

特に繁忙期の忙しさは過酷で
3~4か月休みなく連日12時間以上働く日が続き
精神的にも体力的にもかなり鍛えられました。

離職率も高く人の入れ替えが激しいため
頻繁に作業体制が変わり神経をすり減らす日々でした。
そこでもやはり課題に思ったのは経営についてでした。
何を大事にして、どこを目指すか。
マネジメント力であり、人との関わり方を学ばなければいけないと考えさせられました。

そしてやはり自分自身が目指す農業経営像は
自分にしか実現できないことを痛感し、
再び、東京都農業会議に相談に行きます。

「今度こそ、独立したいです。」
「今は農地の空きがないから、来年できる東京都農業アカデミーに研修に行ってみたら。そしたら農地が見つかるかもしれない。」
「分かりました。ではそこに研修に行きます」

またもや二つ返事で決断しました。
どうせやるなら可能性が高い方がいい。
もう一回、農業を学びなおそう。


つづく

この記事が参加している募集

#自己紹介

229,891件