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突然の退去勧告とイギリスの仕事の雑さ

執筆者・東京人

先日、イギリスにきてから一番焦った1時間を過ごした。そのきっかけは1通のメールが来たことだった。突然寮のスタッフからこんなメールが来たのだ。

Goodbye!! We hope you have enjoyed living here and we wish you every success for the future. Your accommodation contract will end on Saturday 11th July 2020, and you are required to check out of your accommodation by 10am on this date.

つまり、「バイバイ!7月11日までにこの寮から出ていってね!」ということ。びっくりした。なぜなら、僕の契約は9月までのはずだったからだ。

あと1週間で出ろっていきなりどういうことだ?契約が変わったのか?修論まだ終わってないし、出た後どうしよう?などなど1時間ほど色々なことが頭をめぐった。こんなに焦ったのは、後1時間で締め切りが来る中、まだ課題が終わっていなかった時くらいである。その時は手汗でパソコンが壊れつんじゃないかと冷や冷やしていた。

しかし、この件はあっさりと終結した。突然の退去勧告メールから1時間後、もう1通のメールが来たからである。

「さっきのメールは間違いだった、関係ないから気にしないでくれ~」という旨のものだった。


間違いかい。

退去勧告を間違えるかねと思ってしまうが、このようなミス、仕事の雑さはイギリスではあるあるなのかもしれない。思い返してみると、今までも雑な仕事っぷりには多く遭遇してきた。

特に、配達関連はいろいろある気がする。寮のピンポンが鳴って、出ていったら既に配達員はいなくて、モノだけが玄関の前においてあることはしょっちゅうだ。イギリスの配送会社はコロナが流行る前から既にコロナ対応をしていた。

なんならそのインターホンの押し方も雑である。"ピンポンピンポンピンポン!ドンドンドン!"インターホン何度も押して、ドアも強くたたくって・・・映画とかで見る警察のガサいれじゃん。あそこだけ見たらどっちが悪いやつなのかわからない。

他にも荷物を受け取るときサインが必要なはずなのに、サインを求めないということもけっこうある(逆にこっちからサインは?って声かけたけどいらないと言われました笑)。

間違ってたらどうするんだよ。


寮の話は退去勧告以外にもある。たまに点検などがあるのだが、そういう場合には事前に「いつにいくよ」という連絡がある。なので、そのつもりでいるのだが、当日になっても来ないことがあるのだ。そしたら、次の日に「やっぱり延期!来週行くわ!」的な連絡が来る。

緩すぎる。うちの婆ちゃんが履いているジャスコのズボンの紐くらい緩い。


あとは、スーパー。うちの近くのALDIは陳列が雑である。

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きっと店員も気づいているけど、全然元の場所に戻さない。客も気づいているのか気づいていないのかもわからない程普通に過ごしている。きっとこれを自然に受け入れられるようになってこそ、イギリスに馴染んだという事なんだろう。こういうのを見かけると心で突っ込み、吹き出しそうになる僕はたぶんまだまだ馴染めていない。


でもこうやって書いていて思った。この雑な感じって意外と楽しめるのだ。遭遇した時は、「おいっ!」て思うこともありますが、後で振り返ってみると日本ではあまり体験しないことなので面白い。「あれはなんだったんだ・・・」っていう思い出し笑いならぬ、思い出しにやけをしてしまう。

しかし、ここには重要な前提がある。まだ僕がこの仕事の雑さで許せないほどの被害を受けていないという事だ。雑であるとはいえ、ぎりぎりのラインで踏みとどまっていることが重要である。そうなると、結局は運頼みになってくる。


ここで生活している以上、良い意味でイギリスの仕事の雑さとラフさに慣れていくしかない。なんにせよ、今回の場合は退去勧告が取り消されたので万事オッケー。

あと残り2か月、今住んでいる寮にお世話になる予定だ。






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