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シン・長田を彩るプレイヤー~新長田まちづくりの立役者たち~(前編)



今回は、新長田の再開発区域内のくにづかエリア(国道2号より南のエリア)のまちづくりを先導する、くにづかリボーンプロジェクトのみなさんを取材しました。本記事では、くにづかリボーンプロジェクトの経緯、大正筋商店街まちづくりの概要、過去に行われた再開発事業に対する想いを赤裸々にお伝えします。

取材にご協力いただいた、くにづかリボーンプロジェクトの皆さま
友久 和幸さん:株式会社くにづか 代表取締役
高野瀬 卓治さん:株式会社エコクラートデザイン 代表取締役
原田 迅さん:株式会社シップス 代表取締役


くにづかリボーンプロジェクトのみちのり

-記者-
くにづかリボーンプロジェクトの立ち上げの経緯について教えてください。

-高野瀬さん-
初めは大正筋商店街がある国道2号から南の事業区画に関して、神戸市や新長田まちづくり株式会社さんと、新長田をどう盛り上げていくかという話がありました。

元々震災復興のために色々まちづくりをやってたんやけど、みんなそれぞれの事情があって、バラバラやったんですよね。

そこで、区域を決めて、みんなで重点的に活性化しようぜっていう目的で、くにづかリボーンプロジェクトを作ったんです。

友久 和幸さん(株式会社くにづか 代表取締役)

-記者-
プロジェクトのために株式会社くにづかを設立したのは何故ですか?

-高野瀬さん-
まちづくりは、結局ボランティアで成り立つものなので、何か継続するっていうと多分すぐ立ち切れてしまう。継続するために会社組織にしたらどうやろっていう提案をしたんです。そこで、久二塚商業協同組合を株主として、株式会社くにづかを設立することになりました。そのとき組合の理事でもあった友久さんが代表となり、今も社長を務められています。

それから原田さんは、地元の人や権利者と色々調整して、新長田を盛り上げてくれています。

プロジェクトには、大きく2つのテーマがあって、1つ目は、まちを活性化させて商業を促進させること。2つ目は、管理体制など様々な問題を取りあげ解決することです。
要するに、(お店をしてない)周辺住民の方々とも連携をとって、みんなでいいまちにしていこうぜというものです。


プロジェクトの活動拠点として実験的に開設された「コミュニティハウス」

新しい新長田への道筋

-記者-
プロジェクトの立ち上げ当時、優先順位が高かった課題はどのようなものですか?

―高野瀬さん―
まずここの商店街、シャッター街って言われてたんよね。こんなでっかい商店街作っておきながら、全然賑わってないし、みんな商売うまくいってへんやんって。

いろんな組織が関わっているけど、実際みんなバラバラだったのね。だからみんなに、「このまちをよくしよう」っていう共通認識を植え込んでいくのが一番の課題やった。一体になって、賑わい作った方がいいやんということで課題に着手しました。

-記者-
これだけ多くの人が関わっている中で、共通認識を作るのは難しいですよね。

―友久さん―
課題もいっぱいあったから、いまだに最終的な理想は実現できていない。これは絵空事かもしれないけど、指標としてマスタープランを作って、今も常に変えていってる。賑わいを作るために、まちの歩みの軌跡を残しながら、コンパクトシティを目指して進んでいます。


左側:友久 和幸さん(株式会社くにづか 代表取締役)       
右側:高野瀬 卓治さん(株式会社エコクラートデザイン 代表取締役)

新長田のポテンシャル

-記者-
商店街を活性化させるために、参考にした他の商店街ってありますか?

-高野瀬さん-
あんまりないなぁ。「このまちがそうならないといけない」っていう想いでみんなやってる。

-記者-
新長田が成功事例になるようにということですか?

-原田さん-
そうしないといけないからね。
新長田は物凄く良い環境なんですよ。路地がまだあったり、昭和がそのまま残ってるところがある良いまちなんです。

新長田にはまだまだポテンシャルがありますからね。

原田 迅さん(株式会社シップス 代表取締役)

まだまだ新長田のポテンシャルをうまく引き出せていない神戸市の新長田再開発事業。地域の賑わい作りに取り組む方々の本音を、記者兼若手職員らは、しっかりと胸に刻みました。
にぎわい創出にかけた共通認識は、着々と地域全体に広がっていますが、実際に実現する過程で様々な苦労があるようです。
後編では、まちづくりの要となる新長田の魅力、新長田地域の再生、そして、くにづかの現在と未来をお届けします。
ぜひご覧ください。
(編集:あずりゅう・Hanana)