やわらかい光が好まれるのは
製品撮りでは、上の写真のような柔らかい光のライティングが好まれる。ストロボを直接当てたパキッとした光は、被写体にもよるが、あまり使われない。柔らかいライティングがやはり好まれる。それはなぜなのか、ということを考えてみる。
よく、製品のライティングでは「光を回して」とか「光を柔らかくして」とか、要はぼんやりした柔らかなディフューズ光を使うことが多い。はっきりした強い光が欲しいのは、銀のアクセサリーなどのツヤの面(鏡面)の撮影の時が多い。理由は質感を出すためだ。そのためにそういう光を使う。
では、一般的な撮影では、なぜ柔らかい光が好まれるのだろう。これは、自然光(太陽光)に近い、自然な光が好まれるからではないだろうか。なぜ自然光が好まれるのかというと、人間は、生きるために光が必要であり、それが遺伝子のレベルまで刷り込まれているからではないだろうか。人間は、朝太陽の光で起きて活動し、日が沈み夜になったら休息するよう設計されている。人間が食べるための植物にとっても、光合成で栄養を作り出すため、太陽光が重要なのだ。生物にとって、昔から自然光は欠かせないものであったのだ。
わたしの友達でうつになってしまった子がいるが、とにかく部屋を片付けて、日の光を浴びて、規則正しい生活をと医者に言われるそうだ。少し驚いた。明るい光の中では、気持ちがあまり落ち込んでいかないように人間は出来ているのかもしれない。
だから、自然で柔らかな光は好まれるのではないだろうか。最近のデザインの潮流なども手伝って、より好まれている気がする。
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