短編小説 チューリップ
indigo la endの曲
チューリップを考察して書いた短編小説です。
貴方の色が変わったあの日から、私は壊れていった。
私は馬鹿だったから、貴方の色が変わっていくことにも、もう私にはどうにもできない事にも気づかずに、たまーに貴方が見せるほんのすこしの情にしがみつきながら貴方の袖を離さずにいた。
2年の歳月はあっという間に、私をチューリップみたいに真っ赤な貴方色に染め上げていき、この時間はずっと続くものなんだと思っていた。
でも気づいたときには赤色は私たった一人で、貴方はいつのまにか私の知らない色に塗り替えられていたんだ。
それから私は一人憂愁に閉ざされた中で泣き、自分を励ますためにと私の一番いい思い出を一人で思い返すが、そんな時にも思い出す記憶には全て貴方が存在する。
だって私はもう後には戻れないほど貴方色に染まっていて、立ち直ることなどできる筈もない程壊れ切っていてた。私がいくら喚いたとしても二人の時間はもう戻ってはこないんだ。
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