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【開業準備】不動産を契約したり商品を作る前にしておく、たったひとつの大事なこと

こんにちは、小売店コンサルタントの小林れいです。

私のクライアントさんで一番多いのは、開業2~3年目の方。開業後2,3年やって、「思いの外、売れない!」というご相談なんですが、正直ご相談いただく9割以上の方が、準備不足としか言いようがありません。

なぜもっと早く、相談に来てくれなかったのか、とは思うのですが、もちろんその人なりに準備はされてきて、一般的な起業準備はそれでOKとされているので、仕方ありません。

しかし、今日は開業準備で、しておいてほしい一番大事なことをお話します。

開業準備は2年前から始まっている

私は、開業準備は2年前から始まっているというのが持論です。

なぜならば、商工会などの起業セミナーを担当していたときに、一番多い参加者の自己紹介が

「2年後くらいに会社を辞めて、起業しようと思っていたから来ました」

だったからです。

そして実際に開業する人は1割程度です。参加者が20人いたら、2人。

他の人は「いつか起業したいな~」で終わっていきます。

起業セミナーですること


商工会なり、公的な機関(金融機関だったり)の起業セミナーで一番多いのは、

1,自分の棚卸しをし
2,商品を決め
3,ターゲットを決め
4,どんな準備が必要か洗い出し
5,事業計画を書く(発表する)

ではないでしょうか。

事業計画が破綻なく書かれていることによって、身内はもちろん金融機関からの融資がしやすかったからです。

過去は。

しかし、いろんなことがスピーディーになっているので、私はあまり事業計画(特に5年後までのヴィジョン)は意味をなさないのではないかと感じています。

多くの起業後のイメージ

事業計画には「お決まり」のパターンがあります。

1年目は赤字、または、トントンになる計画。

2年目あたりからトントン、または利益が出始め

3年目から黒字、一人または相方(夫婦だったり)以外の人を雇い始める。

4年目、5年目あたりでもう一店舗・・・

って、もちろんそうなることもあります。

1年目でバズったり、TVに取材されたり、華々しくデビューして、早々に2店舗目、3店舗目、と出される方も。しかしそういう方は、以前も同業で同じようなことをしていて、セオリーを知っているから、のケースがほとんど。

大半の方は、起業後、3年目くらいも赤字で「うわああ、起業前に用意した貯金も底をつくし、どうしたらいいの?!」という感じなんですね。

2年間は、無店舗&ブランディングの期間にする

お店をやりたい人にお伝えしたいのは、2年間は無店舗でやる、ということです。

正直、今、コロナ後で「え?!こんないい立地の空きテナントがあるの?」ということもあるでしょう。

しかし、テナントは持ってしまったら、契約した日から家賃や維持費が発生します。

お店なんて、【人気が出たら】いつでもどこでも、すぐ契約できます。

だから、慌てずに「無店舗」から始めてください。

セレクトショップや雑貨店をやりたいなら、ネットショップから始めて見る。仕入れが・・・という人、売り場所を増やしたい、ハンドメイドの作家さんなどはたくさんいらっしゃいます。そういう方の作品を仕入れて、ネットで売ってみてください。今は固定費ゼロ円、売れた時だけ10%程度支払えば使えるネットショップがたくさんあります。

お菓子屋さんを始めたいなら、都会なら製造許可を得ているレンタルキッチンなども増えているので、そういう場所を利用して、通販してもいいですね。

やってほしいのは

・自分がそれを「売る」ことができるのか
・どのくらいの価格で買ってもらえるのか
・利益はでるのか

のモニター、リサーチ、そしてファンづくりなのです。

いきなり実店舗を持って失敗している方は、これらを固定費がかかる実店舗を持ってからやっているからなんですね。

これは、最低限【店舗を持つ前】にやっておくべきです。

フォロワー、応援してくれる固定ファンがいれば実店舗は成り立つ

2年間を準備期間、と言いましたが、もちろん潤沢にSNSのフォロワーがいて、ネットショップだけでも十分お給料が出るとか、マルシェに出店したら即完売で1日○万円(1ヶ月暮らせる)売り上げるなどの実績があれば、実店舗を持ってもいいと思います。

ある意味、それは、実店舗を持ったときの、ベーシックインカムのようなものになります。自分で自分の生活を保障しているので、ベーシックインカムではないのですが、最低限の生活はできますよね。

それがないまま、安易に実店舗を始めてしまうと・・・1年なんてあっという間。お金が減るのもあっという間です。

まとめ:フォロワーや新規のお客様は、実店舗を持つ前に獲得しておこう

実店舗を契約してしまってから、メニュー開発をしたり、適当に値付けをして、値段を上げてみたり下げてみたり、売れないからコンサルを頼んでみたり、HPを自力で作ったり、SNSを「私、得意だよ!」っていう友達に代理投稿を頼んだり・・・。そういう方を多く見受けます。
それよりは、開業したいと思ったら、まだお勤めしている2年くらいの間に、フォロワーを増やしたり、自分がやりたいことが本当に世間に受け入れられるのかの、モニタリング期間にしたほうがいいです。

それで、イケる!という手応えを感じてから、実店舗を持つことを、オススメします。

おまけ

私のHPでは、売り方、見せ方で売上UPさせます、特にディスプレイは「置き方だけ、0円で売上UPできますよ」というHPを作っているため、本当に末期の末期、「今月売れないと倒産します」みたいな方もご相談に見えます。

残念ながら、「今月の売上がないと」という方は・・・難しいです。ごめんなさい。

ディスプレイの変化でどうにかなるのは、一定数来店はあるけど、買ってもらえない、というお店です。(入ってきても何も買わずに出ていかれるなど)

また、冒頭で書いたように、ブランディング等も自己流、やりたいことは全部やってみたけど売れません、フォロワーや固定客も全然いません、という方も、やっぱり早くて半年、大体2年くらいはかかるので、そこまで続けられるかの金銭的体力が必要です。

くれぐれも、起業される時には副業から始めてくださいね。

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小売店のブランディングから一歩踏み込んだ、理念や想いを形にするお手伝いをするコンサルティングをしています。店舗ディスプレイ、POP、ラッピング、ライティングで見せる発信のコツをお伝えしています。