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これからの「伝える」必須スキル!誰にでもできるストーリーの作り方。

こんにちは!こばとーんです!

先日、新海誠監督の「天気の子」見てきました! いやー、最高ですね! まだ観てない人がいたら、オススメしますよ!

あ、この記事にネタバレはないのでご安心を(笑)

新海誠監督の作品には中毒性があって、観た後しばらく映画の世界に恋い焦がれてしまうくらい、衝撃が強い作品たちです。

もちろん、その要素を作っているのは美しい絵だったり、音楽だったり、効果音だったりします。ですが、ここで注目したいのは「ストーリー」。

ストーリーの秘密を知ることで、天気の子だけじゃなく、すべての映画や小説を何倍も楽しむことができるようになるんですよ。

そして、それだけじゃありません。

ここ近年、ビジネスの世界でもストーリーが注目されています。顧客に商品の魅力を伝える時、他社との差別化をねらう時、強力なファンを獲得する時、さまざまな場面で物語のちからが利用され始めているんです。

ストーリーは強力です。

自然と僕たちの心にスッと入ってきて、感情を動かしたり、誰かを好きにさせたり、憎ませたりします。

もし、そんなストーリーを、あなたも書くことができたらいいと思いませんか?

ビジネスで、SNSで、普段の生活で、手紙で、すべての場面に素晴らしい効果を発揮してくれることは間違いありません。
なぜなら、ストーリーをコントロールできるということは、あなたを、あなたの商品を、好きにさせたり、憎ませたり、夢中にさせる効果を自由に操れるということ。

でも、ストーリーなんて「村上春樹さんみたいな文章力がないと書けないのでは?」とかおもってませんか?

実は、ストーリーは「構造」こそがキモです。全体の作りさえ押さえておけば、すべての人が操ることができるんですよ。

▶世界中の物語は同じカタチをもっている◀

ストーリーフォーミュラ

世界中にあるストーリーは「定形」を持っています。その名も「ストーリーフォーミュラ」。

よくあるヒーローものなら、

・平凡な日常
・でもなにか物足りない
・ある日手に入る特殊能力
・大活躍
・そして失敗
・一度は引きこもる
・人生を変える出会い
・もう一度主人公は立ち上がる
・大決戦
・そして死ぬほどのピンチ…
・だけど生還してヒロインや仲間を助ける
・日常へと帰っていく

コレが定番です。
どうですか? 当てはめてみてください。スパイダーマン、アイアンマン、ロード・オブ・ザ・リング、マトリックス、スター・ウォーズ……それこそなんでも当てはまりませんか?

なぜなら、それは当たり前。これらの物語はある「原型」を元に構成されているのですから。

▶世界中にある物語の原型は「神話」◀

すべての道はギリシャに通じる

人は、物語が好きです。そして、人の価値観は物語から来ています。

「お金より大切なものってあるよね」
「仲間を大切にしよう」
「浮気って良くないよね」

こんなこと、誰でも知っています。でも、それは誰から聞きましたか? 思い出してみてください。多くの場合、なにからしらの物語から学んでいるはずです。

「日本昔話」みたいなものだけが物語ではありません。漫画やドラマでも立派なストーリー。

ワンピースでも、ドラゴンボールでも、ご近所物語でも、セーラームーンでも構いません。

ストーリーを通して学び、僕たちは価値観を形成しています。

のび太と仲間の冒険から、桜木花道と流川のバトルから、サザエさんと家族のドタバタから、学び取っているんです。

決して教科書のように説教臭くなく、とても自然に、僕たちにインストールされていく価値観。コレってすごいことだと思いませんか?

ホント、人間はストーリーが大好きなんですよね。

アニメの例ばかりになりましたが、何も最近の話だけじゃありません。

アニメや漫画の登場前は、小説や芝居。

はたまたその前は歌や口伝。

さらに前は壁画や踊り。

ずーっと人類は大切な価値観をストーリーに乗せて伝えてきたんです。

そして、その源流が「神話」。

ギリシャ神話にすべてのストーリーは網羅されている、なんて説があるくらい神話のストーリーは多種多様。一度勉強してみて損はありませんよ。

▶最も有名なストーリー短編集「聖書」◀

世界最強のベストセラー

世界に価値観を植え付けた物語として絶対に外せないのが「聖書」です。いわずもがな、世界一売れた書籍にして、最も有名な「ストーリー集」だったりします。

聖書に詳しくない方に説明しますと、有名な「イエス・キリスト」は聖書を書いた人ではありません。あくまで、「キリストの弟子の〇〇が書いた内容によれば〜〜」のように関係者が語った内容や手紙、第三者視点での叙述があつまったものが聖書です。キリストは物語の登場人物というわけ。

キリストが実在したかどうかは諸説あります。しかしながら、この書き方は心理学的にも非常に効果的です。

ウインザー効果というもので、「本人が主張するより他人に推薦してもらったほうが信憑性が高くなる」現象のこと。

考えてもみてください。キリストが「俺ってすげーのよ!生き返ったりするし!」みたいに自叙伝を書いてたら、そんなにすごそうな感じしないですよね(笑)

最高威力のストーリーは「第三者に語ってもらう物語」なんですね。聖書はその典型と言えます。

▶「自称」でも高威力なストーリーパワー◀

抵抗感なくドヤる方法

ただ、「自称」で語っていたとしても物語は強力なものです。

有名なスティーブ・ジョブズの演説を知っていますか? 大学の卒業生へ向けた演説で彼は今までの人生を自ら語ります。彼の親がどう生きたのか、自分がどう成長したのか、アップルを作りいかにして今に至るのか、3つのストーリーを見事につなげて語られた名演説です。

ちなみに、僕が「名演説だ」と言っているわけではありません。ビジネスをするものなら絶対に聞いておいたほうがいい、とされるくらい、有名なスピーチなんです。

ジョブズのスピーチは「自称」。それでも、効果は絶大。

これって、本来説得力が落ちてしまう状況ですら引き込まれてしまうくらい、僕たち人間はストーリーに弱いってことなんです。

アップルなんてその好例。アップルファンは製品も大好きですが、なによりブランドストーリーが好きで買っています。開発秘話、ジョブズとウォズニアックの出会いなど、魅力的なストーリーに裏付けられて僕たちはアップルに魅了されています。

テレビでも「プロジェクトX」とか「プロフェッショナル仕事の流儀」なんかを見ちゃうと特集されていた人の製品や会社が好きになっちゃいますよね? それと同じです。

▶神話には人の教えたいことがつまってる◀

必要が残り、不要は淘汰される

神話はすべての物語を網羅しています。

それは人間が物語を通して大切なことを伝えてきたからに他なりません。くだらない考えや人に受け入れられない物語は淘汰され、伝えるべきストーリーが残っているわけです。

ときには王様や権力者が自分たちの凄さを喧伝するために改変したものだってあるでしょう。「自分の一族は神様の血筋だ」とかね。

しかし、その根底にあるのは「人間の哲学そのもの」です。

たとえば、「もったいない」は日本独自の概念で、海外にはありません。
「もったいない」の裏にある思想は、日本の「八百万(やおよろず)の神」という信仰でしょう。「すべてのものには神様が宿っているから、大切にしなくてはいけない」というものです。

もう少し現実的な面を考えれば、物資に乏しかった昔の人々は、子どもたちに「ものを大切にする心」を教えるために「八百万の神」を作り出したのでしょう。(もちろん自然への畏敬の念とかもあると思いますが、一つの側面として捉えてください)

教えたいことを、神様という概念ストーリーのちからを使って伝えてきたんです。

そして、浸透した概念はあまりに一般化しすぎていて気が付かないほど。

だって、「もったいない」って誰に教わったか覚えていますか? ほとんどの人が自然と身に着けた感覚だと思っているはずです。

それくらい、僕たちの生活に一体化してしまっているってこと。

ヒトは教えたいことを物語に詰め込み、ヒトは物語から学ぶ。だからこそ、物語は違和感なくヒトに情報をインプットすることができるんですね。

▶定番の「型」をいただけば物語は簡単に作れる◀

何でも守破離の守から

僕たちの身体に浸透しきっているストーリーをうまく活用する方法が「型」です。

コレさえわかっていれば村上春樹さんみたいに高尚な文章力がなくてもストーリーを描くことができます。

おまけに、映画や小説を何倍も楽しめるようになりますよ。

お察しの通り、「型」は最初に登場した「ストーリーフォーミュラ」です。場合によっては「ストーリースクリプト」なんて言われることもあります。

▶ストーリーの基本はピンチと成長の繰り返し◀

超基本なので押さえてください

最初に見せたような複雑なストーリーフォーミュラーを使う前に簡単な概要を説明しておきましょう。

それは「ピンチ→成長→ピンチ→成長」の繰り返し。

・経営難だった企業が大成功する話。
・大成功していた実業家が落ちぶれるが、最後には幸せを見つける話。
・偏差値30のバカが、努力して東大に受かる話。

何となく上の表記を見ただけでストーリーが想像できるのではないでしょうか。

ポイントは上下の落差です。失敗から成功、貧乏から大金持ち、バカから秀才、振り幅が大きいほどドラマチックなストーリーに仕上がります。

基本はこれだけです。

ただ、これだけでは味気ないですよね?

物語には少し「焦らし」が必要になります。

例えばヒーロー物でも、「突然スーパーパワーを手に入れて史上最強になった」じゃつまらないんです。

力を手に入れて、その力で失敗もして、苦悩しながら正しい力の使い方を学ぶ。そして、物語を完結へ導く。

マーベル映画を見る人ならば、「スパイダーマン」が想像しやすいのではないでしょうか。

最後の大成功を素晴らしいものにするために、なかなかうまくいかないフラストレーションを描く必要があるんです。

それが例えば、性格の悪い上司だったり、誤解を生んでしまうようなハプニングだったり、運の悪さや、敵の陰謀だったりします。

要するに、この辺りが「味付け」として加えられているだけなのです。

そのリズムがピンチと成功の繰り返し、というわけ。

この構造が分かっていると、すごく理解しやすいですよ。

▶あなたの成功ストーリーを書いてみよう◀

生きてれば無限にストーリーは「ある」

試しに最初に紹介したストーリーフォーミュラーで、あなたの成功ストーリーを書いてみましょう。

「成功なんてまだしてないよ」と思っても大丈夫です。

世の中にある「成功した人々の体験」なんてほとんど脚色をされているもの。それを理解してもらうために書いて見てほしいんです。

まず、あなたがアピールしたい対象や、ペルソナについて考えます。彼らが求める成功とは何でしょう? そこがゴールになります。

例えば、「お金を儲けたい人」を対象にするなら、「自分が稼いでいる成功者になれた」というゴールを設定します。

主婦業をしながらも輝く人生を送っている、というターゲットであれば、そのような姿をゴールとします。

もちろん嘘をついてはいけません。

ただ、「1部の要素を切り取れば、そのように見える」ということであれば、それは嘘ではないのです。

これはストーリーを考える上で重要なポイントなので、詳しく説明しておきましょう。

▶ストーリーには全てを書かない◀

余計な情報を省いて、わかりやすくする

人生は複雑です。例えば、独立起業をする時だって単純な成功話では収まりません。実際には説明に時間を要するような小さな一言がきっかけになっていたり、複雑すぎる人間関係が裏にあったりするものです。

ですが、それを全て説明していたらストーリーが伝わることはありません。

伝わりにくい不要な部分はカットする必要があるんです。

ワンピースのルフィだって毎日トイレに行くはずですし、寝る時には枕の位置を直したり、歯磨きしたり、僕たちの日常と変わらぬ生活をしているはずです。でも、そんな場面は描きませんよね。

なぜなら、ストーリーに関係ないからです。

海賊王になるのが目的の彼にとって、関係があるのは敵対する海賊とバトルするシーンと、それを盛り上げる伏線のみです。

だから、生活の細かいシーンは必要がない。
もし描かれるとしたら、それは伏線や必要なシーンだから描かれるんです。

ある日「ルフィーの箸の持ち方が変わっていた」なんて描写をされても理解ができないと思いませんか?

不要な部分はカットしましょう。そうすることで、見せたい部分を見せて「成功」に見せることだってできます。

▶ストーリーフォーミュラをつかってみよう◀

ポイントは「名詞」の入れ替え

情熱がある人ほど、語りたいことはたくさんあると思います。

しかし、それを全て出すべきかと問われたら答えはノーです。

しっかりと引き算をして、本質に的を絞りましょう。
そのために、ストーリーフォーミュラをつかいます。

使い方は簡単。
過去にいた英雄やヒーローの物語の主語を「自分」に置き換えるだけ。

例を出しましょう。日本人ならもっともわかりやすいのが、「のび太くん」のストーリー。

野比のび太は、小さい頃から気が優しい少年だった。
町で有名ないじめっ子にはずっといじめられていた。
だけど、のび太は優しさを忘れなかった。
好きな少女への一途な想いを貫き通し、いじめられてもそこだけは屈することがなかった。そして時には冒険もした。仲間の危機ともなれば、いじめっ子達ですら助けた。のび太の優しさは、強さだった。
大人になる頃、彼は大成功し、ずっと思っていた彼女とも結ばれる。いじめを行っていた少年達とも、今では良い関係を築けている。

こんなストーリーを聞いてのび太くんを好きにならない人はいないと思います。

では、この主語をあなたに置き換えてみましょう。
驚くほど簡単にストーリーが作れるはずです。

ポイントはさっきお伝えした不要な点を省くところ。あなたの人生の中で主張したい点はあるでしょうが、伝える為に不要な点は省いてください。のび太くん的なストーリーに合う面だけピックアップするんです。

たとえば、上の文章ではしずかちゃんの説明をしていません。ジャイアンも「いじめっ子」という括りにしてしまっています。ドラえもんを知っている人なら御存知の通り、彼はちょっと乱暴ですけど仲間思いのいい男で、いわゆる陰湿な「いじめっ子」というイメージではありませんよね。

でも、なんでこんなことをするのか?

「長くなって、余分なものが増える」からです。

目的なく詳細を詰め込んでいくと、意味のない特徴が入ってくるだけになり、文章がわかりにくくなります。
たとえば、のび太は「あやとり」が上手いことや、しずかちゃんがお風呂に1日3回入る話とか、ジャイアンには妹がいることとか、上の話に追加する意味ありませんよね。

そういう部分は意図的に伏せます。カットすることでのび太の成長物語に焦点が向く、というわけです。

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要素を見失わないために、少しブレイクダウンしましょうか。
大切な点は

・内気な少年(大勢の人に共感されやすい属性)
・一貫した意思
・いじめっ子(わかりやすい障壁)
・成長
・ゴール(この場合は好きな人との結婚)

です。
どうですか?
ぜひ、あなたバージョンのストーリーを組み上げてみてください。

どんな人でも、それなりに立派なストーリーが出来上がるはずです。これがストーリーフォーミュラの力。

ぜひ、今紹介した形だけではなく、映画や小説から形を盗んで参考にしてみてください。

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コラム:
俺TUEE系が流行っているのはストーリーフォーミュラーに飽きたから?
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最近は漫画にしろ小説にしろ、「転生モノ」が流行っていますよね。元の人生で苦労していた主人公が別の世界に転生をして、今まで手に入れた能力で圧倒的な実力を示して大成功する。そんなストーリーです。

しかも「1度勝ち始めると、負け知らず。ほとんど無双状態」というのがトレンドです。

これは先程紹介したストーリーフォーミュラーとは異なりますよね。

僕は「時短」の要素が絡んでいるのでは? と予想しています。

ネットで検索したらすぐに答えが見つかるように、世間はどんどん時短の風潮にあります。誰もがインスタントな答えを求めて、瞬間的に回答が得られるようなシステムを求めているというわけです。

この事実に照らし合わせれば、長ったらしいストーリーの焦らしが短縮されてもおかしくないと思います。

つまり、「いきなり最強の力を手に入れて大暴れする」物語も受け入れられるようになってきているのではないでしょうか。

物語のスピード感は時代の流れによって変化していくものなので、注目しておきたいところです。実際、昔の小説は世界観の描写がめちゃくちゃ長くて、「いったい主人公はいつ登場するんだよ」ってなります(笑)

最近だと新海誠監督の描き方がすごくスピード感あって素晴らしいです。新海監督は余分なところを削ぎ落として、多少の整合性が失われても「感情を動かす部分」だけにフォーカスさせる名手だと思います。
「君の名は」を見る機会があったら是非ストーリーフォーミュラを意識して見てみましょう!面白い視点が得られますよ!

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ストーリーの強力さ、そして効果的な組み上げ方をここまででは解説してきました。以降では、さらに効果を上げるべく「科学と組み合わせてストーリーを作る」方法をお伝えします。具体的コンテンツは以下。

・人物描写に利用出来る心理学
・科学的統計データを使ってウケるストーリーを作る
・流行りのストーリーフォーミュラ
・参考になる5つのストーリーフォーミュラ
・物語の分析方法(仕入れ方)

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