円卓にも角はある

職場の歓送迎会に行ってきた。社会人になってもう数年経つけれど大きな飲み会は今回が初めてだ。ビール瓶とグラスを持って会場を彷徨う僕の姿は"ご陽気ゾンビ"さながらだ。こういう所作は学校では習ってこなかったし。まぁ宴会での立ち振る舞いなんて"習うより慣れろフォルダー"に入っているだろうから経験していく中で習得していくしかないのだろう。

とにかく"失礼のないように""挨拶しておかないと後悔しそうな人にはしっかりと挨拶をする"これだけを意識したし、実際それらは達成できた。そういう意味でも楽しい宴会だった。職場の飲み会は大学生の頃のそれとは違って、ただ大声で騒げばいいと思っている"注目の質を選ばないユーモアの貧者"がいないことが最も素晴らしい。

以前、僕は飲み会では隅っこに座りたい。ということをnoteに書いたことがある。

隅っこにはくだらない話が集まってくるからだ。

今回の宴会は円卓だったので"角"はなかった。職場はそれなりに人数も多いし、歓送迎会ということもあってはじめは会場内に少し緊張感が漂っていた。そんななか僕の隣に座っていた以前からお世話になっている先輩は
「寿司きたよ!あ、天ぷらもある!」
とちゃんと喜んでいた。もうこの時点でちょっと最高だった。

料理は全然中華ではなかったけれど机は中華料理屋にある回るテーブルだった。だから先輩が刺身用の醤油を取り忘れた際は他の人に気づかれないように僕がちょっとずつテーブルを回して醤油を取った。「アハ回転です」と呟くとその先輩は笑ってくれた。(もしこれを読んでくれている人の中に「全然面白くないわ!」と思ったおバカさんがいたとしたら非常に悲しい。★笑いというものはその場の空気だったりトーンだったりで変わってくるのだから文字にしたところでそれがそのまま面白いとは限らない★)

思えば大学生の頃も「くだらねぇ」と言って笑ってくれる先輩がいた。僕はこの"くだらない"を褒め言葉だと捉えているし、これが僕の本質なのだとも思う。地元の友人たちもきっと"くだらない"と思っているだろうし、僕も彼らを"くだらない"と思っている。

その後僕は全然熱くない天ぷらをハフハフ言いながら食べた。先輩は天ぷらを一口食べると「全然熱くないじゃーん」とゲラゲラ笑ってくれた。(★繰り返し★)

一通り挨拶を終えた僕たちは「食べておかないと酔ってしまう」とひたらすらご飯を食べ続けた。僕たちのテーブルだけ料理はほとんど残っていなかったがただ、そこには"くだらない"がいっぱいあった。そこはまさしく"角"だった。

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