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牧野信一論2.0

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2024年4月の記事一覧

比喩と来たか 牧野信一の『闘戦勝仏』をどう読むか⑪

 悟空は十分自覚的である。「俺は俺の為のみに快楽のみを求めて、君達よりも余程面白い思ひを…

小林十之助
1か月前

計算が合わない 牧野信一の『闘戦勝仏』をどう読むか⑩

 牧野信一は侍女をして賽太歳を「王様」と呼ばせてみる。村上龍が『半島を出よ』で書いた通り…

小林十之助
1か月前
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そういや俺もそうか 牧野信一の『闘戦勝仏』をどう読むか⑨

 それでも誰か一人、一番好きな作家を一人だけ挙げろと言われればそれはフランツ・カフカとい…

小林十之助
1か月前

何も書かれていない 牧野信一の『闘戦勝仏』をどう読むか⑧

 遥かな昔、大学の一般教養の「心理学」の大教室での講義の際に、どういう経過は忘れたが私は…

小林十之助
1か月前

凄いとしか言いようがない 牧野信一の『闘戦勝仏』をどう読むか⑦

 平野啓一郎の「三島由紀夫論」の方を急いだので二日空いてしまった。牧野信一について書いた…

小林十之助
1か月前

マウントするつもりなのか 牧野信一の『闘戦勝仏』をどう読むか⑥

 昨日は「朱紫国王の皇后」という言葉に引っかかると書いた。邪推と曲解は大嫌いだ。しかしこ…

小林十之助
1か月前

普通はそうは呼ばない 牧野信一の『闘戦勝仏』をどう読むか⑤

 私は恐らく悟空ではない。牧野信一も悟空ではない筈だ。しかし何故私は悟空のセクシュアリティ(の揺らぎ)の中に牧野信一のセクシュアリティ(の揺らぎ)を錯覚してしまうのであろうか。  それはもしや私が悟空を媒介として牧野信一の何ものかを探ろうとているからではなかろうか。  おそらく雄である筈の悟空が、おそらく男である筈の王の手を舐める。それはペットと人間の関係においては通常でも起こりうることではあるが、牧野信一はそれがさも自然な成り行きでもあるかのように、少しもタブーを意識さ

それは眩暈ではないのか? 牧野信一の『闘戦勝仏』をどう読むか④

 平野啓一郎の言うところの〈樹海体験〉は簡易に疑似的に追体験することができる。ドラクエウ…

小林十之助
1か月前

愛されなくても姦すことはできる 牧野信一の『闘戦勝仏』をどう読むか③

 ひとたびナンセンスなどと言い出せば夏目漱石の『三四郎』ほどナンセンスな小説はない。  …

小林十之助
1か月前

闇は深い 牧野信一の『闘戦勝仏』をどう読むか②

 昨日は牧野信一の『闘戦勝仏』に激しい天皇批判があり、マゾヒズムがあり、見られたい願望が…

小林十之助
1か月前
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醜い妖魔って…… 牧野信一の『闘戦勝仏』をどう読むか①

 たまたまながら中島敦にも『西遊記』にちなんだ『悟浄出世』『悟浄歎異 ―沙門悟浄の手記―…

小林十之助
2か月前
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毛量の多い牧野信一

小林十之助
2か月前
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ナンセンス作家 牧野信一の『あやふやなこと』を読む

 意外に思われるかもしれないが、私はいわゆる狂人ではない。ただし兄弟はそうではない。だか…

小林十之助
2か月前