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夏目漱石論2.0

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2021年2月の記事一覧

外国人の『明暗』の感想①

外国人の『明暗』の感想①

 1917年に出版された「光と闇」は、夏目漱石のこれまでの作品とは異なり、当時の日本のフィクションではユニークです。小説を「現代的」と区別するのは、その驚くべき内面性の表現です。主人公の津田義雄さん(30歳)と妻の大信さん(23歳)は、日本のフィクションにおける立体的なキャラクターの最も初期の例のいくつかとして彼らを修飾する満足のいく複雑さを示しています。
 O-Nobuは機知に富み、狡猾で、夫と

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