憧れの恋のその後と、ハイティーンのやり直し
30歳付近の女性は、懐かしいこと間違いなしの、「ママレード・ボーイ」。
元気いっぱいの高校生光希が、両親のパートナー交換再婚により、甘いルックスにちょっと意地悪な男の子、遊と同居することに…というストーリー。
アニメ化されたこともあって、当時みんな女の子は読んでいたように思います。
個人的には、りぼん派になったきっかけでもあり、人生ではじめて全巻コミックスを集めた漫画でもあります。
なんと、その続編が出ているのをご存知でしょうか!?
「ママレード・ボーイ little」
吉住渉 集英社 マーガレットコミック
作者の吉住渉先生は、コミックスのおまけページで、”続編というよりママレファンに楽しんでもらうためのおまけ漫画”と言われていますし、
主人公は光希・遊ではなく、二人の妹弟です。
でも、ちょこちょこと光希、遊はもちろん、
かつての友達やライバルも出てきて懐かしさでいっぱいなんです。
光希や遊のその後として、同棲の様子、お仕事の様子。…そして、プロポーズに結婚式も描かれています。
まだ、私たちが初恋をしたかしてないかくらいの時期に、漫画を通して憧れていたカップルたちのその後。
それを、大人になった今読めるというのはファンとしてとても嬉しいことです。
***
ただ、私は一点のみ、気になってしまうことがありまして…。
それは、光希が毒気のない大人すぎる30代女性になっていることです。
ママレード・ボーイ時代の光希は、素直すぎるくらい感情表現する女のコでしたよね。
両親の離婚には泣いて反対、ふざけたように「好きだからに決まってんじゃーん」という遊に平手打ち、銀太と遊どっちも違う魅力があって選べないよ…とか言う、などなど。
なんなら少しワガママだったかもしれません。
それが十数年後のlittleでは、事実婚で満足、ドレスに興味なし、式もやるつもりなし。という、欲が全くない女性に成長しているのです。
ママレ時代に、遊にうるさいくらいに号数を伝えては指輪をねだっていた人と、同じ人とは思えません。
(着ている服もナチュラル系になっている…これは連載雑誌に合わせているのかな?)
でも、私は納得できる理由を見つけました。
little内で、光希は「遊と一緒に居られればそれでよかったから」とすずちゃん相手に話します。
そうだった、そうでした。
光希と遊はママレ最終回付近で、本当に別れるしかないという状況になってしまいます。
お互い好きなのに別れないといけない辛さ。しかし、そのモラルも超えていくと決意してからの、一緒に居られる今があるんです。
あの体験が、きっと光希を無欲で足るを知る大人な女性にさせたんだな…と納得することにしました。
何にしろ、そんな二人が今、幸せそうで全く問題なさそうでよかったなという気持ち以上のものはありません。
***
そしてこのlittleは懐かしさに浸れるだけではないんです。
little主人公である、光希と遊の妹弟たちは中学一年生。
アラサー女子としては、見守るような感覚で読み進めていました。
はじめての彼氏、上手くできないキス、何を着るか迷ってしまうデート。それを見守っている内に、失った中学時代を取り戻していける気分になってきます。
主人公の女の子のように、楽しく素直に恋愛を楽しめていたら。
そんなハイティーンな恋、甘酸っぱい中学時代をlittleを読めばやり直すことができるのです。
憧れの恋愛のその後を追いながら、出来なかった可愛らしい恋愛を取り戻す。
それができるのが「ママレード・ボーイlittle」。
現在5巻まで出ているようです。
続きを買わなければ!
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