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父と映写機とフィルムカメラ

8ミリ映写機 フィルムカメラ 父 私と父と家族の事

父が亡くなって丸3年。ようやく処分を始めた父の遺品。

定年退職して20年。ずっと袖を通していないスーツやネクタイに交じって,8ミリ映写機と撮影機とフィルムカメラが4台。新品の8ミリフィルム3本と一緒に、現像済みの8ミリフィルムが1本。
当時,とても流行ったらしい家庭用8ミリ機材。外箱も,説明書も,領収書も,古くはあるけれどもきれいに保管されていた。
意外と几帳面だったのかと思ったけれども,掃除のために中を開けてみると,絡まったフィルム。数回使っただけだったのはこのせいだったのか。

修理を終えて動かしてみると,カタカタカタ・・・と音を鳴らしまわるフィルムには,干した布団と,縁側に座る子ども達,洗濯物を干す母。小さな弟と手をつなぎ、お揃いの帽子をかぶって家族旅行に出かけていく様子。展望台で双眼鏡を覗く私。ゴーカートに乗る父と弟。そして、子供たちを見守る母。多分日帰りで遊園地に出かけたのだろう。父が亡くなったあと,母と私と私の息子とで出かけたあの遊園地?

慎ましやかで,幸せそうな,不思議な映像。


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