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息子に夏を教えてくれたのはクワガタムシだった

2020年の夏は色々ありました。巨大滑り台でアバラを痛めたり、お盆休み中に洗濯機が故障したり。でも我が家的No1トピックは、クワガタムシを飼ったこと。特に息子にとっては大きな経験となったようです。

夏の始まりとともに

これから夏が始まるぞ、という頃、私の友人からクワガタのオス1匹を譲ってもらいました。小学1年生の息子にとって、生き物を飼うのは初めてのことです。

ちゃんと面倒を見るのか心配だったので息子には「クワガタの父親になるんだよ」と伝え、彼は父として「キンちゃん」という名前を付けました。

早速、キンちゃんのお家作りです。息子だけでなく4歳の娘も加わり、家族総出で昆虫マット(土)をシャベルで細かくしたり、霧吹きで水分を含ませるなど頑張りました。

キンちゃんをお家の中に入れると、ゼリー台や転倒防止の小枝の上をせっせと動き回り、何だかアスレチックを楽しんでいるよう。特に小枝を縦に配置したことで、垂直の昇り降りという動きが加わり、見ている側の楽しさも倍増しました。息子は飽きずにずっと眺めています。

クワガタの様子が変わっていく

8月後半になると、アスレチックで遊ぶことが少なくなり、エサを食べているか寝ているかのどちらかになりました。

譲ってくれた友人に聞いてみると、そろそろかもしれない、とのこと。

9月初旬のある日、息子がひっくり返っていたキンちゃんを見つけました。まだ生きていましたが、明らかに長くは持たない様子。

ちゃんと伝えておいた方が良いと思い「キンちゃん、死んじゃうかもしれない」と言うと、ショックだったのか泣いています。

私「寝る前にお別れしておきな」

息子「・・・ キンちゃん、生きててね。明日も会おうね」

息子は別れの挨拶はせず、キンちゃんが生き続けてくれることを願いました。

別れと繋がり

翌朝、やはりキンちゃんは死んでいました。

息子は泣きながら「キンちゃん、地獄に行ってないかな?」と、死後の行先を気にしていました。「もちろん天国に行ってるよ」と伝え、落ち着くのを待ちました。

そういえば、今年の夏に初めて体験したことの一つに「プラ板作り」がありました。プラスチックの板に絵を描いて、トースターなどで温めて作るものです。子どもの頃、やったことのある方も多いのではないでしょうか。

息子はこのプラ板で、キンちゃんのキーホルダーを作りました。キンちゃんが一人で寂しくないよう、クワガタがたくさんいる絵です(この記事のトップ画像です)。それをカバンに付け「これでキンちゃんと一緒にいられるね」と喜んでいます。

キンちゃんは死んでしまいましたが、息子の中では繋がっているようです。


キンちゃんと過ごした期間、イコール2020年の夏。それまで特に季節の移りを意識することの無かったであろう息子にとって、忘れることのできない期間となったようです。

息子にとってここまで強い経験になるとは予想していませんでしたが、彼を成長させてくれたキンちゃんに感謝しています。

我が家に来てくれてありがとね!!

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