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虹プロにハマった理由をまとめる

虹プロ、NiziUにハマった。

飲み会でプレゼンしたいが、ソーシャルディスタンスだのなんだのでそういった機会がないのでnoteに書く。

虹プロ・NizuU好きな人に共感していただき、明日から布教のネタに活用してくれたらうれしいなと思う。

Nizi Project/NiziUとは?


韓国のアイドル事務所JYPエンターテイメントとソニーミュージックがタッグを組んで
作ったオーディション企画「Nizi Project」(以下虹プロ)。
日本・米国から1万人応募し、1年間の選考期間を経て最終的には9名の少女たちがデビューをつかみ取った。

今回の大きなポイントは、アイドルになるためのレッスン経験がないごく一般的な彼女たちが、
デビューまでに韓国アイドルのようなダンス・歌唱スキルを得ながら選考を勝ち抜いていく点である。

多くのK-POPファンではない人たちがこのオーディションにはまり、応援をするようになっていった。
中高生の下半期トレンド予測にも「NiziU」が入っている。


なぜここまで盛り上がりが生じるようになったのかを改めて考えていきたい。

1.虹プロの立ち位置

虹プロジェクトを一言で例えるとしたら、「現代のASAYAN」と伝えるのがわかりやすいかもしれない。
それは、プロデューサーのカラーが理由である。

・J.Y.Parkは日本のプロデューサーでいうならつんく

JYPエンターテイメントの社長であり、プロデューサーはJ.Y.Park。
デビューから20年以上たつ、現役のソロアーティストである。
彼自身、ステージに立ち、歌って踊り続けている。
毎日2時間の筋トレを行うVTRをみていて郷ひろみのようなストイックさだなと思った。

過去の日本のアイドル、女性アーティストのプロデューサーと違う点は、
AKB48を生んだ秋元康のような、メンバーのキャラクターを引き出すための「コンテンツ売り」を行うパッケージングしないこと。
そして、鈴木亜美、安室奈美恵をはじめとした多くのソロアーティストをブレイクさせた小室哲哉のようにチャレンジングな「音楽性」や歌詞といった時代をとらえる曲の仕上がりで染めないという点にある。

つんくとJ.Y.Parkのプロデュースの共通点は、アーティスト目線でメンバー選抜しプロデュースする、いわば「職人育成」のスタイルであることだ。

ボーカリストだからできるアドバイスを行い、パフォーマーの目線で支援をするスタイルになっているからこそ、個々を生かしたボーカル割り振りなどを行う。
(Nizi Project でデビューしたNiziUについてはこれから要考察ではあるが)

・日本アイドルとの比較:実力のモーニング娘

K-POPアイドルの魅力を聞くと、歌やダンスのうまさが好きだという人が多い。会いに行けるアイドルAKB48の存在が圧倒的だったからこそ、K-POPアイドルたちのスキルが好意的に映ったという意見も耳にする。ただ、われわれはもともとキャラが立って実力あるモーニング娘。が好きだった。ビジュアルもキュートで歌がうまい、画一的ではないモーニング娘。が好きな世代としては一種の共通点を覚える。

・日本アイドルとの比較:AKB48の総選挙を思わせる熱量

オトナ層を圧倒的に取り込んだのは、各ミッションに対するJ.Y.Parkの評価とメンバーへの熱意あるコメントである。
「一人一人が特別でなかったら生まれてこなかったはずです」
「毎日自分自身にムチを打って、自分自身と戦って、毎日自分に勝てる人が夢を叶えられます」など
その瞬間瞬間、彼女たちを鼓舞し、ときに称賛する。
選抜メンバーになって今後の芸能人生を切り開こうとするAKB48の少女たちの熱量と、それを支援するファンたちの熱い掛け合いを連想させる。

・日本アイドルとの比較:ももクロと重なる メンバーの若さ、全力さ

圧倒的に体力を消耗するアイドル、ももいろクローバーZ。アクロバティックな振り付けと彼女たちのひたむきさで人気を得てきた。

虹プロでは、一か月ごとにある各ミッションで全力のパフォーマンスをするため、筋トレ・プランク・有酸素運動を行う彼女たちの姿が絵が描かれる。最終順位1位のマコは、ストレッチ・筋トレ・有酸素運動を毎日行っていると初期の東京合宿で発言し、そのストイックさにJ.Y.Parkもだが、視聴者も圧倒された。
こうしたアイドルのパフォーマンスにある、スタミナとそれを身に着けるための取り組みはどこかももクロを好意的にみたときのまなざしのようである。


2.虹プロの魅力

・成長過程、あり方が全員「少年ジャンプ」

虹プロに人がハマる理由は圧倒的な成長物語がそこにあるからである。
シーズン2韓国合宿のオーディションでは、3回のミッション、そして最終選考がある。
ミッションごとの彼女たちがレベルアップぶりは視聴者の想像を超えてくる。
また彼女たちの成長の歩みが三者三様のところも誰もが応援したくなるポイントだ。

元から強かったキャラがチームを意識してリーダー・船頭として実力を発揮する(マコ)

くやしさで圧倒的に覚醒する(ミイヒ)

師範受けた教えをもとにコツコツ、修業して強くなる(リマ、リク)

新しい技を裏山で研究して開花(マヤ、リオ)

初期、実力で「なんでこいつがここに?」と思っていたキャラが力をつけ、当初の強キャラと並ぶ(アヤカ)

元からの飛び道具を磨きつつ弱点克服(ニナ)

内省的な幻想の世界にいって自分の核となる部分を摑まえる(マユカ)

外的に追い込まれて窮地で爆発する(ユナ、アカリ)

生粋のオールラウンダーで基礎レベルが飛躍的にアップ、(リリア)

どんな作品にもあるレベルアップ・スキルアップの瞬間が少女たちに訪れる。
そしてそれが一つ一つのステージで如実に表れてくる。


・少年誌/青年誌バリのさわやかなライバルと仲間の両立

オーディション番組はサバイバルである。常に一緒に取り組むメンバーも選考対象となり、ライバルである。ただ、虹プロでは、JPYの人格評価によって選抜されている少女たちにはメンバー間での敵視、駆け引きが一切ない。

動画からもわかるし、実際デビューが決まった後のインタビューでもオーディション期間中、共同生活をしていた仲間たちとのエピソードが絶えない。また韓国合宿に行く前の東京合宿選考で落選してしまったメンバーたちへの感謝も表現している。
ライバルでありながら運命共同体であるという自覚、隣のメンバーが吸収すべき教師であるという意識がある。

IZ*ONEが誕生したオーディション番組「PRODUCE48」でも候補生たちの共同生活、支えあいはあったが、人数が多すぎていかにそれぞれのメンバーが結びついていたかは描写されにくかった。

昔の自分を見ているみたいだから殻を破ってほしいとマユカをフォローするマコ、
リオがミッション3でひとり追い詰められながら自主練していた時に声をかけるリマ。

いままでなら考えられないスポーツマンシップで約1年に及ぶオーディションが成り立っている。いわば、女子アイドルへすぐ投げかけられる「仲悪いんでしょ?」というコメントからの解放である。

何年も前から芸人は仲が悪いものといった考え方から仲の良い芸人が増えてきた。(サンドイッチマン、博多華丸)
ジャニーズの嵐だって、鳴かず飛ばずのデビュー初期は芸能レポーターから「仲のいいアイドルグループなんです」というコメントともに紹介されていた。今はスターダムに上がり、仲がいいだけのアイドルという売り出し方はなくなった。

女子グループだけ仲が悪いというイメージで取り残されてきたが、ようやく女子でも仲のいいアイドルがいると具体例をもって説明ができるようになったように思う。

スッキリでの初インタビューでもオーディションをずっと見ていたMC陣たちからのいじりや笑いはあったが、「仲悪いんでしょ?」のいじりは全くなかった。
きちんと見れば、その質問がいかに不必要か、ナンセンスかがわかる。


3.虹プロはどうファンを作ってきたか

・Huluと地上波の配信による視聴者の育成

一つのアイドルオーディションがなぜここまで有名、人気になったかは放送の仕方がポイントだとおもう。
地上波での放送とHulu配信での2軸の放送がテレビ視聴者とテレビ離れをした層にうまくはまった。


以下、各番組の特色を紹介する。

① 「スッキリ」(関心度0~低 お茶の間ファン)
⇒K-POPを知らない加藤・ハリセンボンの春奈がK-POP慣れしていない視聴者目線でコンテンツとして話す

② 「虹のかけ橋」(関心度中 スッキリでハマったファン)
⇒森アナと音楽制作・セルフプロデュースが得意な古坂大魔王がよりプロ目線についてJYParkに解説を求める

③ Hulu「Nizi Project」(関心度高)
⇒ミッションの歌唱シーンを最大限量、放映する場
編集もK-POPのバラエティ仕様となっており、パフォーマンスシーンが特に際立つ。

いうなれば、漫画⇒新書⇒原本の順でコンテンツを加工しているようなものである。

またSNSの活用も結果、より多くの人への拡散につながった。
特にYoutubeと芸能人によるSNS拡散が後押しとなった。

・Youtubeでの全公開による関心層の獲得

テレビ、Huluのほかに、オーディション過程をJYPのYoutube公式チャンネルで全公開を行っている。
⇒レコメンド機能によって従来のK-POPオタクにどんどん紹介をしていく。

・芸能人ファンの量産と発信によるその影響

Twitterに投稿するDAIGO、Instagramのライブ配信で語る指原莉乃と大家志津香、もともとアイドル事情に詳しいグラリオサ音子(ドランクドラゴン塚地)など。
多くの人により広めるためのきっかけづくりを彼らは担った。
⇒虹プロオタになった芸能人が一種のインフルエンサーになっていった。

・公式SNSでの発信、一部参加型の仕組みの活用

6月10日(木)23:59に終了したが、無料で毎日サイトに訪問して参加できる人気投票を実施していた。(虹かけランキング投票)
Twitterでも毎日デビュー前から誰に投票したとキャプチャを掲載して応援の熱を高めていった。

オリジナルコメントが見られる唯一の場が虹プロジェクトの公式Twitterでの番宣コメントだった。
⇒ファンは公式アカウントに返信してリアクションができ、都度の撮りおろしだから定期的にみる。
ここで初めてオーディションに関わったという「リアル」な結果を感じることができる。


4.NiziUの強み

韓国大手事務所のJ.Y.Pエンターテイメント発、Twiceの妹分的存在。そして、地上波とHuluで番組が放送されていたことによる知名度以外の強みは、「ストーリー性」だと思う。

・デビュー前にストーリーを共有できているアイドル

ASAYANで「不合格」だったメンバーを集めて結成したモーニング娘、7人の観客に見守られた初回公演から東京ドームを目指すAKB48など、アイドルグループがより人気を獲得するには、応援したくなる物語がカギとなってくる。
ファンに感情移入させるトリガーが結果的にその後の応援につながる。チームとしての見出しと、個々人のキャラクターへの思い入れこそがアイドルへの応援を加速させる。

NiziUはというと、すでにドキュメンタリー番組によってですでにファンとストーリーを共有している。各メンバーの成長物語である。
1万人から選ばれた9人というドラマ性ももちろんだが、全国・全世界の虹プロを見た視聴者は個々のメンバーの強み・魅力をもう知っている。

AKB48が一代ブームとなり人気に火がついた理由はドキュメンタリー映画や選抜メンバー総選挙だった。「わたしのことは嫌いでもAKBのことは嫌いにならないでください」といった総選挙スピーチは、彼女たちの生い立ち、努力、思想を常にファンに共有していた。また、そのオープンさが多くのファンを増やしていった。

モーニング娘はオーディション過程でのフォーカスやセンターをデビューしたてのメンバーが行うことで伝説やカラーを生む。新メンバー紹介をアイドルの中で一番仕組み化できていたのがモーニング娘である。LOVEマシーンの後藤の台頭はまさしく彼女が13歳で抜擢されてセンターでパフォーマンスをしたからこそとなる。デビューした瞬間に強烈なスポットライトを新メンバーが浴びるがゆえにファンは個々のメンバーを覚えていく。

オーディション番組発生ということもあるが、NiziUはデビューまでに仕込みはとっくに完了している。すでにチームとして「1万人からえらばれた9名」を背負い、各メンバーの個性をファンは知っているのである。

終わりに

わたしは多少、アイドル文化を知っているだけでヲタクの方の前で名乗れないほどのにわかファンである。だがしかし、情熱大陸は毎週ほぼ欠かさず15年近く見ている、「人生オタク」ではある。

圧倒的なカリスマがスターになる時代ではなく、今は共感性、身近、応援できるプロフェッショナルを支持する時代だ。そういった時代にNiziUがどうこれから活躍していくのか非常に楽しみである。多くの人と意見を交わしながら応援をしていきたい。

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