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クラブ好きとクラブミュージック好きは似て非なるもの


 あなたはクラブと聞いてどんなイメージを持つだろう。
 夜中に爆音が鳴り響くフロアで騒ぐイカれた男女のたまり場。酒ヤクザにセックス中毒にドラッグジャンキー達で溢れる場所。自分とは一生関わりを持たないし仲良くもならないだろう人々。

 こんなイメージを持っている人が大半だと思う。


 実際は酒でテンションが盛り上がっている人は多いものの、セックスなんてしたら即退場だしそもそも無理。ドラッグもゼロではないだろうがそうそう見かけない。入り口では屈強なセキュリティーが立っており、荷物の中身と全身のボディチェックがある。自分の水さえ持ち込めない厳しさである。また、身分証の確認も必須であり夜中に外をうろつくより余程安全ともいえる。

 さて、ここまで読んでもクラブの印象はまだ悪いままだろう。パリピ、陽キャ、イキリ大学生のイメージは確かに間違っていない。夜中に遊び呆けてる時点で狂ってると感じる人も多いだろう。

 しかしだ。そんなクラブにも大きく2種類がある。
 チャラ箱音箱である。

 まず箱とは、ライブハウスやホール、アリーナやスタジアムなどイベント会場のことを指す。収容人数によって小箱、大箱なんて言い方をする。
(アイドルの世界での箱はグループのことを指し、イベント会場を現場と呼ぶ)

 チャラ箱は読んで字のごとく、チャラい箱である。またの名をナンパ箱とも。ゴミ箱とも・・・

 イキリ大学生、蛍光色スニーカーヤンキー。ナンパされたいブス。お持ち帰りを狙うギラついた男と、チヤホヤはされたいがお持ち帰りはされたくないかわいい風の女。一心不乱にロボットダンスを踊るダンサー。ナンパをウザそうにするピンヒールを履いたきれいな女。フロアの端でスマホを眺めるいけてない男。いつ見てもベロ中してるカップル。酔っ払って裸になったり、セキュリティーと喧嘩したり。

 いわゆるイメージ通りのクラブである。目につきやすかったり、検索上位に表示されるクラブは、こういったチャラ箱がどうしても多い。初めてのクラブでチャラ箱に行ってしまいうんざりして帰ってくる、なんてのはよく聞く話である。チャラ箱で働いている方は悪くない、客層が低いだけである。

 そして音箱。

 その名前の通り、音楽を聴きにいく音楽オタクのためのクラブである。この箱でナンパしてるやつがいると悪目立ちするほど治安がいい。全身で音を浴びに来ているオタクばかりである。ぱっと見た目ではわかりにくいが蛍光スニーカーヤンキーを見かけずなぜか黒い服を着ている人が多い。どこか暗さを感じる人も多い。

 音箱はチャラ箱とは違い、ライブと言っていい。海外からDJをオーガナイズして集客する。クラブミュージックには様々なジャンルがあり、EDMやテクノ、ハウス、ダブステッブ、トランスなど・・・
毎週のように海外からアーティストがやってくる箱もある。

 このように毛色が全く違うクラブに共通していることは、初めて行くには知り合いもいないしハードルが高すぎることである。あと普通に入るのが恐い。

 しかしもしこのnoteを見た方でクラブミュージックが好きな方がいれば、恐いもの見たさに是非音箱へ行ってみてほしい。
 中は暗く、正直顔もよく見えない。ドリンクチケットでレッドブルウォッカを流し込み、巨大なスピーカー前に行ってみよう。いつの間にか声をかけられ、次のイベントでまた合って、気付けば友達だらけである。

 これを読んだあなたがもしクラブに行くときは、男女の関係を求めるのもいいが、是非音楽好きとして楽しみに来てほしいものである。

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